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COLUMN

カッコいいは、受け継いでいくもの。【創刊10周年特別企画】ISSUE 10「國母和宏が命を捧げる映像表現の世界」を終えて

2026.10.05

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7年前に作ったISSUE 10「國母和宏が命を捧げる映像表現の世界」を、創刊10周年を機に読み返した。
 
当時30歳だったカズは、すでに世界のトップに立っていた。一本のラインに人生をかけ、その滑りを映像として残す。自らが信じるスノーボードのカッコよさを追求し続けた結果、世界一と呼べるだけの評価を手にしていた。
 
でも、改めてISSUE 10を読み返して強く感じたのは、カズ自身の滑りのすごさだけではなかった。その周りには、世界を狙えるスノーボーダーたちがいた。同世代の工藤洸平や長谷川篤、若手の小川凌稀や戸田真人ら、それぞれ異なるバックグラウンドを持つライダーたちが、カズのプロジェクトに参加し、撮影し、自分なりの映像表現を追求していた。
 
もちろん、彼らはカズのマネをしているわけではない。ストリートのカッコよさを映像で伝えようとするライダーがいれば、シーンそのものを動かせる存在を目指す滑り手もいる。カズが伝えていたのは、滑り以上に価値観だった。
 
自分は何をカッコいいと思うのか。それを滑りでどう表現し、どう映像として残すのか。ISSUE 10に登場するライダーたちは、カズから受け取ったものを、それぞれ自分のスノーボードへと変換していた。
 
そして7年が経った今も、それは変わっていない。30代中盤を過ぎたカズは今も、10〜20代前半のライダーたちと山へ入り、撮影を続けている。世代がひとつ進んでも、自分が培ってきたものを次の世代へ手渡し続けている。
 
なぜ、そこまでするのか。その答えは、7年前のISSUE 10にすでに書かれていた。
 
「カッコいいスノーボードを伝えたい」
 
命をかけて一本のラインを滑ることも、その映像を作品として残すことも、若いライダーたちを山へ連れていくことも、きっと根っこは同じなのだろう。ひとりでも多くの人に、スノーボードを楽しんでもらいたい。そのために、自分が信じるカッコいいスノーボードを残し、次の世代へ手渡していく。
 
文化とは、放っておいて残るものではない。誰かから受け取ったものを、自分なりに咀嚼し、表現し、また次の誰かへ手渡す。そうやって世代を越えてつながっていくことで、文化になっていくのだと思う。
 
創刊から10年。BACKSIDE SNOWBOARDING MAGAZINEもまた、日本のスノーボードが積み重ねてきたものを記録し、次へ手渡すために存在している。
 
カッコいいは、受け継いでいくもの。
 
7年前の國母和宏と、ともに映像を追い求めたムービースターたちの言葉を読み返した今、そのことを改めて強く感じている。

text: Daisuke Nogami(Editor in Chief)

 
 
CONTENTS
▶EPISODE 1 燃えるような何かを求めて
▶EPISODE 2 KAMIKAZUが胸に刻んだ新たな決意
▶EPISODE 3 世界一のスノーボーダーとして後世に伝えていく文化
▶EPISODE 4 夢や希望にあふれた新しいシーンに塗り替える
▶短編インタビュー 吉田啓介 遅咲きのムービースター
▶短編インタビュー 高橋龍正 孤高のムービースター
▶EPISODE 5 “立つかヤラれるか”の精神を再び燃え上がらせる火種
▶短編インタビュー 工藤洸平 センスが光るムービースター
▶短編インタビュー 小川凌稀 本場仕込みのムービースター
▶短編インタビュー 戸田真人 生粋のムービースター
▶短編インタビュー 長谷川 篤 絶対的な記録にこだわるムービースター
▶EPISODE 6 國母和宏という生き様
 
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BACKSIDE SNOWBOARDING MAGAZINE
ISSUE 10 「KAZU KOKUBO, THE MOVIE STAR ──國母和宏が命を捧げる映像表現の世界──」

 
2016年、スノーボード界のアカデミー賞に位置づけられる授賞式において最優秀ビデオパート賞を獲得。2018年には、自身が主演・監督を務めた作品が最優秀ムービー賞に選ばれ、さらに最優秀ライダー賞の栄冠に輝いた。弊誌創刊号で綴った強すぎる信念を貫き通した結果、世界一に登り詰めたのだ。「すごいロケーションのラインを滑るとき、人生がかかってると感じる。死ぬかもしれないわけだし」。雪に覆われた急峻な山々を華麗に舞い、大雪原を自由自在に滑り倒す。死と隣り合わせの状況に身を置いてまで伝えたいものとは──。國母和宏が命を捧げる映像表現の世界には、私たちの心を奮い立たせる想いが込められていた。
 

 
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