チーム×プロダクト×デザイン×コミュニケーション=RIDE
1992年、米ワシントン州レドモンドにて産声をあげたRIDE SNOWBOARDS(ライド スノーボード)。スケートボードからの影響を多分に受けたニュースクール時代、4機種のボードと4つの概念を掲げて市場に参入した。
まず1つ目にあたる“チーム”を語るうえで、創業時の契約ライダーであり、現在はアンバサダーを務めるラッセル・ウィンフィールドを紹介したい。1995年に彼をキャラクター化したグラフィックを描いたシグネチャーボードがリリースされるなど、世界初のアフリカ系アメリカ人プロスノーボーダーとしてシーンに多大なるインパクトを与えたが、元来ブランドとして多様性を求めていたわけではなかった。スノーボードとは何かを自然と表現した結果として、ラッセルとパートナーシップを結んだのだ。
チームだけでなくスタッフに至るまで、人種や性別、性的嗜好など、スノーボード以外のことには関与しない。重要なことは誰がその仕事に適しているのか、それだけだった。わずか数年でラッセルはRIDEから離れたが、2020-21シーズンよりアンバサダーとして戻ってくることに。この四半世紀の間、彼と連絡が途絶えたことはなかった。チームライダーたちはビジネスパートナーである以前に友人なのである。
2つ目の“プロダクト”についてはとてもシンプルだ。滑ることがより楽しくなるための最高の製品を作る、これだけである。現在の本社が位置するシアトルには「ARC」と称された自社工場とプロトタイプ開発ラボがあり、常にトライ&エラーを繰り返しながら様々なアイデアを具現化することができる。その結果として、ショートボードで業界初の成功を収めた「WARPIG」や、抜群のホールド感を誇るブーツ「THE92」に代表されるような画期的なプロダクトをリリースし続けている。
業界最高峰を誇るデザインプロセスと自負するように、“デザイン”に対するこだわりが3つ目の概念。先述したようにアイデアが浮かべば作り、それをテストして修正を加え、さらにテストする。完成したものをチームライダーやグローバルスタッフ、販売店にまで送りフィードバックを得て、さらに改良を加える。ARCを持っている強みを生かして競合他社よりも早く製品をテストし、微調整を加えることで、スタッフ自身が確信を持てるプロダクトのみを販売しているわけだ。
そして、最後に掲げる概念は“コミュニケーション”。ここまで述べてきたように、チームからプロダクトに至るまで発信するメッセージが本物であれば、それを伝えることは簡単だとRIDEは考えている。だからこそ、友達に語りかけるようなトーンでブランドをプロモーションしているのだ。
ゆえに共感を生み、スノーボーダーから愛され続けて31年。これからも変わらぬ想いを胸に秘め、常に進化を求めたプロダクトを世に送り出していく。
text: Daisuke Nogami(Chief Editor)
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