BACKSIDE (バックサイド)

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INTERVIEW

「BACKSIDE CREW」の一員として過ごした1年【FRESHFISHインタビュー Vol.4】冨内俊卓さん(長野・会社員)

2022.11.10

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昨シーズン、弊誌編集長・野上大介の「フリースタイルが足りない」という言葉とともに立ち上げたスノーボードコミュニティ「BACKSIDE CREW(紹介記事はこちら)」。実態がわからなかったであろうそのコミュニティに、現在では500名以上のスノーボーダーが参加してくれている。
その中でも、月額1,800円をお支払いいただいているFRESHFISH(有料会員)メンバーは20名近くいるわけだが、彼らとの活動を続けていく中で、運営側も「シーンを共創する」と掲げたスローガンの一端が垣間見えてきたような気がしている。それほどまでに充実したコミュニケーションを図ることができているのだ。
そこで、本連載では彼らへのインタビューを通して、1シーズンの活動を終えてオフシーズンも動き続けているFRESHFISHの内側をお届けしようと思う。最終回となるVol.4では、5人の子供を育てる傍らで激務をこなしながらもスノーボードを愛し続けてきた、冨内俊卓(トシ)さんにインタビューを行った。

「本当のスノーボードの楽しさを全然味わえていませんでした」

──CREWの活動をもっと外に発信し、このコミュニティを広げていきたいと考えています。トシさんのBACKSIDE CREWに対する想いについてうかがっていきたいのですが、まずは自己紹介をお願いします。
 
冨内俊卓です。出身は長野県飯田市で、6年ほど東京で働いていた時期もあるんですが、今は地元に戻ってきて会社員をしています。5児の父です! 
 
──スノーボードを始めたキッカケを教えてください。
 
17歳のとき、姉と姉の彼氏がやっているのを見たことですかね。なんじゃこりゃ!って(笑)。少し試したらすぐにハマっちゃって、原宿のムラサキスポーツでMORROW(モロー)の3点セットとSANTA CRUZ(サンタクルーズ)の上下のウエアを買い揃えました。毎週日曜日、朝7時20分の新宿発飯田行きのバスに乗るんですよ。4時間くらいバスに揺られて、ゲレンデ近くのバス停からギア一式抱えて30分ほど歩き、姉たちと合流して滑る。そんなことを3シーズン、毎週やっていましたね。当時は運転もできないし、それしか交通手段もわからなくて。
 
──お子さんが5人いらっしゃるとのことですが、これまでどのようなスノーボードライフを送ってきたのでしょうか? 
 
始めた当初からバックフリップをやっちゃうようなタイプでした(笑)。20代前半の頃は、ダニエル・フランクのバックサイドロデオが流行っていたので、地元のゲレンデでやっていましたね。
 

ToshitakaTomiuchi_BacksideRodeo

20年の時を経て、再びバックサイドロデオを繰り出すトシ。群馬・川場で行ったBACKSIDE SESSION #5にて

 
──イケイケなスノーボーダーだったんですね(笑)
 
ただ26歳のとき、1人目の子供が産まれてからはキッカーには入らなくなりました。守るものができて、飛ぶのが怖くなってしまって……。それを機に(長野)白馬とか志賀高原、野沢エリアでフリーライディングをするようになったんですけど、自分の滑りがあまりにも下手すぎて、ショックを受けたりもしました。上の子ふたりが一緒にスノーボードに行けるようになってからは、仲間や子供たちと週1回、白馬や志賀高原に日帰りで行くっていう感じでした。
 
──素晴らしいスノーボードライフだと思います。3人目のお子さんを授かってからは、どのようにスノーボードライフが変化したのでしょうか?
 
30歳から40代半ばくらいまでは、ずっとダブルワークかトリプルワークをしていたので、滑れたとしても週に1回、日帰りで行けるかどうか……。泊まりで滑りにいけたのは、この15年弱で4、5回あったかな、っていうくらいです。当然、滑っている回数が少ないわけだから、パウダーに当たることも少ないですし。
 
子供たちと楽しむスノーボードは味わえていましたが、仲間内だと自分が一番年上だったこともあり、ケツ持ちでした。「誰かケガしてないかな」「パウダーにハマってないかな」と確認しながら一番後ろを滑ることになるから、思いっきり楽しめないんですよね。それが15年くらい、ずっと続いていた。自分のスノーボーディングが退化していくのが目に見えてわかるんです。本当のスノーボードの楽しさを全然味わえていませでした。
 
こんな状況から抜け出したいと思ってもがいているときにインスタで目にしたのが、BACKSIDE CREW募集の投稿にあった「フリースタイルが足りない」という言葉でした。
 

「30年弱スノーボードをやっていますが、本当に新しいことだらけ」

──FRESHFISHへの参加を決めた理由について教えてください。
 
野上さんのあの言葉に純粋に賛同したからです。自分のために、自由にスノーボードを楽しむために入ろうって。
 
2021年の1月下旬、思い切って仕事をひとつ辞めたんです。このまま人生を終わらせたくないと思って。平日滑りに行けるようになり誰もいないゲレンデを目の前にしたとき、「今オレ、ひとりでここに立っているんだ、好きに滑れる」っていう状況が信じられなくて、そしてうれしくて、涙がザーッと溢れてきました。
 
そんな中、昨シーズンはCREWの趣旨に賛同して集まってきた仲間たちと出会って滑る楽しさが加わり、もうハンパじゃないくらい面白かったですね。
 
──FRESHFISHに入ったことによって、スノーボードライフはどう変化しましたか? 
 
BACKSIDE SESSION(CREW限定のセッションイベント)がいろいろなゲレンデで開催されるから、これまで行ったことのないゲレンデにも行くようになりましたね。僕の家からだと(群馬)川場って5〜6時間はかかるので、仕事が忙しくて日帰りでしか滑りに行けなかった当時は、まず行けない。そういうところで仲間たちと一緒に冒険できるっていうのは、いい経験でした。自分の財産ですね。
 
月に1回、とにかくスノーボードが大好きなCREWのみんなと滑るBACKSIDE SESSIONが、すごく待ち遠しくなりました。今でもクセで後ろのほうを滑ることが多いんですが、そうするといろんな人のラインを見ることができるんです。山口(本企画Vol.1で紹介した山口卓哉さん)くんはジャンプで魅せるから、同じジャンプ好きな僕はプッシュされるし、佐藤(Vol.3で紹介した佐藤潤一さん)くんもフリーライディングがカッコよくて刺激を受けるし、見ていて楽しいんですよね。同じケツ持ちでも、全然違います!(笑) 
 

01_ベストショット

トシが選ぶ、昨シーズンのベストショット。「残す楽しみ」が加わり、ライディングにも一層熱が入る

 
──CREWの活動の中で印象的だったものはありますか? 
 
一番は、やっぱり川場でのBACKSIDE SESSIONかな。誰もいないファーストトラックを滑れるとか、キャットに乗れるなんて、思ってもみなかったことだから。
 
あと、FRESHFISHにはプロスノーボーダーがいて、その人たちとセッションできたり、オープンチャットでスノーボードについての話題で盛り上がるのもいいですよね。入ってからの経験すべてが、今までのように普通にスノーボードをしてきただけじゃ味わえないもので、新鮮でした! 
 
セッション中、ZIZO(『WOW』でおなじみのプロカメラマン)さんに写真を撮ってもらえるのも、すごく楽しかったです。あんなにいい写真を残してもらえて、もうめちゃくちゃ嬉しかったですね。
 
──プロスノーボーダーのソネチン(FRESHFISH所属のプロスノーボーダー・曽根和広)とよく絡んでいましたよね。
 
ソネチンと友達になれて、ふたりで変顔した写真を撮ってもらえたり。SCOOTERのレジェンドじゃないですか。そんな人に「銀歯がまぶしい〜」なんていじってもらえて、もう光栄ですね(笑)。30年弱スノーボードをやっていますが、BACKSIDE CREWは本当に新しいことだらけです。
 

02_とみうちさんソネチン

垣根なく、友達として。ソネチンとトシはマブダチのような関係性を築いている

 
──CREWとしての活動が与えたライディングスタイルへの影響について教えてください。
 
これも川場でのセッション中の話なんですが、あのときバックロデオを6、7年ぶりにやったんですよ。ケガしてしまったらどうしようもないので、ずっと封印していて。でもあの日、山口くんが一発目でフロントサイド900をメイクしたのを見て「行くしかねぇ」って感じて。彼からのプッシュは大きかったですね。長らく忘れていたものをよみがえらせてもらった感じです。「UZUMAKI」のイベントでもお互いがプッシュしあって、有名なライダーたちを目の前にしてテンションが上がっている中で、山口くんと高め合うことができたのは最高でした!
 
──今後、CREWとしてどういう活動をしていきたいですか?
 
この楽しさを、もっと外に発信していきたいですね。慣れないながら自分もインスタでセッションの様子をあげたり、友達に楽しさを伝えたらSTALEFISH(無料会員)に入ってくれたこともあったので、この調子でもっと仲間を増やしていきたいと思っています。
 
レベルが高いんじゃないかとか不安を覚えている方がもしいるとするなら、「気にする必要ないよ!」と伝えたいです。このCREWに入ってみて驚いたのは、プロもいるけど、その人たちと一緒になってバカをやれること。レベルがどうこうじゃなくて、何度コケても「今のコケ方よかったよ!」って、みんなで楽しみながら滑ることができるんです。誰でもウェルカムで、スノーボードのいろんな経験ができるし、いろんな人に会えるし、いろんな話も聞けるし。身構えずに、一緒に楽しみましょう! 
 
 

おわりに

全4回に渡ってお届けしてきた、BACKSIDE CREW “FRESHFISH”インタビュー。ライフスタイルとしてスノーボードを楽しんでいる人、各々の事情でスノーボードから遠ざかってしまっていた人、ケガに悩まされていた人、そして、第2のスノーボード人生を歩み出そうとしている人などがセッションを通じてコミュニケーションを図り、充実したスノーボードライフを過ごしている。
 
今シーズン、私たち「BACKSIDE CREW」と一緒に滑りませんか?

photos: ZIZO=KAZU

BACKSDIE CREW 概要

▷募集期間: 随時募集中
▷活動期間: 通年
 

BACKSIDE CREW “STALEFISH”

(無料会員)
 
・ライディングセッション会「BACKSIDE SESSION」参加権利(12~4月に毎月開催/抽選)
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・メールマガジン「BACKSIDE MAIL MAGAZINE」受信(毎週1通/全員)
 

 

BACKSIDE CREW “FRESHFISH”

(有料会員: 月額1,800円/年間契約クレジットカード一括払いのみ)
 
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