BACKSIDE (バックサイド)

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INTERVIEW

「BACKSIDE CREW」の一員として過ごした1年【FRESHFISHインタビュー Vol.1】山口卓哉さん(新潟・自営業)

2022.09.13

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昨シーズン、弊誌編集長・野上大介の「フリースタイルが足りない」という言葉とともに立ち上げたスノーボードコミュニティ「BACKSIDE CREW(紹介記事はこちら)」。実態がわからなかったであろうそのコミュニティに、現在では500名以上のスノーボーダーが参加してくれている。
その中でも、月額1,800円をお支払いいただいているFRESHFISH(有料会員)メンバーは20名近くいるわけだが、彼らとの活動を続けていく中で、運営側も「シーンを共創する」と掲げたスローガンの一端が垣間見えてきたような気がしている。それほどまでに充実したコミュニケーションを図ることができているのだ。
そこで、本連載では彼らへのインタビューを通して、1シーズンの活動を終えてオフシーズンも動き続けているFRESHFISHの内側をお届けしようと思う。Vol.1では、CREW限定のセッションイベント「BACKSIDE SESSION」のほぼすべてに参加してくれた、山口卓哉(タクヤ)さんにインタビューを行った。

 

「滑る仲間がだんだん減ってきたんです」

──初年度からご参加いただき、ありがとうございます。CREWのみなさんの活動をもっと外に発信し、このコミュニティを広げていきたいと考えています。タクヤさんのBACKSIDE CREWに対する想いについてうかがっていきたいのですが、まずは自己紹介をお願いします。
 
はい、山口卓哉です。歳は42で、物流の会社を営んでいます。現在は(新潟)新潟市に住んでいますが、出身は埼玉県です。埼玉にいる頃はずっとサンデーボーダーだったんですが、31、2歳くらいのときに雪の降るエリアに引っ越して、それ以来ずっと(長野)高井富士をホームゲレンデとして滑っています。
 

Kicker@Kawaba

42歳にしてフロントサイド900を操る。長野・小布施クエストでのオフトレも欠かさないようだ
BACKSDIE SESSION #5 @Kawaba Resort, Gunma

 
──スノーボードを始めたきっかけを教えてください。
 
スノーボードが爆発的に流行った時期に、僕は中学2、3年生だったんですよね。ファッション雑誌の「FINE」とか「BOON」での特集記事を見て、「あ、これやりたい」って(笑)。中学の卒業祝いにスノーボードを一式買ってもらって、高校1年生の冬から始めました。当時すごい流行ってた、AIRWALKのインナーレスのブーツを買ってもらいましたね。仲間たちと1、2回行って、すぐにハマっちゃって、2回目で下手くそながらもオーリーを練習していた思い出があります。
 
──雑誌の影響でスノーボードを始めたとのことですが、BACKSIDEとの出会いは?
 
BACKSIDEとの出会いは、やっぱり野上さんです。僕は雑誌世代なので、当時売っていたスノーボード雑誌はすべて読んでいました。その中でも「TRANSWORLD SNOWBOARDING JAPAN」は、「スノーボーダーはこうじゃなくちゃ!」というマインドの部分に焦点を当てていたと思うんです。本場のニオイがしたというか。そういう雑誌に携わっていた人が立ち上げるメディアなんだから、これはもう間違いないだろう、ということで最初から興味津々で見ていました(笑)
 
──スノーボードを始めた当初はどんな仲間と滑っていましたか?
 
一緒に始めた高校時代の仲間たちとしばらく滑っていたんですが、だんだんとみんなやめちゃって。その後は、Mixiで知り合った人たちと滑るようになりました。気が合う仲間もできたりして。とはいえ、今でも繋がってる人はいるけど、みなさんお子さんができたり仕事が忙しかったりで、スノーボードから1歩2歩、離れていっちゃってますよね……。
 
──これまでどのようにスノーボードを楽しんできましたか?
 
ハーフパイプ以外はなんでもやりましたね。ジブもやってたし、オールラウンドに楽しんでいたと思います。その中でも特にジャンプが好きで。若い頃からずっと飛んできました。春先には仲間同士で山にキッカーを作って飛んだり、なんてこともしてましたね。ただ、ゲレンデクルージングとパークランに特化して楽しんでいたこともあって、正直、総合滑走能力って部分からはずっと離れていたんです。最近はそういう部分も意識して、バックカントリーに入ったりもしています。
 

POWDER@Naeba

FRESHFISHメンバーのひとり、平昌五輪の女子ハーフパイプ日本代表・大江光(右)とセッションできるのもCREWの醍醐味のひとつ。左がタクヤ
BACKSDIE SESSION #1 @Naeba, Niigata
photo: Yuto Nishimura(HANGOUT COMPANY)

 

「もっともっとフリースタイルしたいんです」

──FRESHFISHへの参加を決めた理由について教えてください。
 
最近、ずっと滑っていた仲間がやめてしまって、滑る相手がいなくなっちゃったんです。そこで、新たなつながりがほしいなっていうのと、上達のためにこれまでとは違う世界を見たいと漠然と思っていたタイミングで……。そんなときに、CREWのローンチを知ったんです。そういうコミュニティを好きな雑誌がやるって聞いたから、ぜひ入ってみたい!と思いました。
 
──タクヤさんは参加がかなり早かったと思うんですが、即決していただいた理由は?
 
中途半端なことはしたくなくて(笑)。キッカーを前にして飛ぶの、飛ばないの?っていう感覚と一緒でした。
 
──FRESHFISHに入ったことによって、スノーボードライフは変化しましたか?
 
最近の移動距離がハンパなくて(笑)。11月から車で2万キロくらい走ってます。それが何より物語っていると思うんですが、今まで絶対行かなかったエリアにも行くようになりました。新しいエリアに行くことで、自身のスノーボードでこれまでにはなかった発見や、新たなる出会いや繋がりがあって。そういうものをすごく追い求めるようになりましたね。
 
──CREWの活動の中で、印象的だったものはありますか?
 
北信エリアでのセッションは特に印象に残っています。ソネチン(FRESHFISH所属のプロスノーボーダー・曽根和広さん)さんに連れていってもらったポイントで周りを見ていると、「あ、全然滑れないな、僕」って思わされたことがあって……。より一層、フリーライディングに力を入れるきっかけになりました。そのときに一緒に滑った人たちとは、その後もちょくちょくつながらせてもらっています。
 

Tree@Tsugaike

突如の猛吹雪でツリー内にたまったパウダースノーでスプレーを舞い上げる
BACKSDIE SESSION #3 @Tsugaike Kogen, Nagano

 
また、栂池高原のセッションの時にゴンドラでソネチンさんと話した内容なんかも、すごく大きかったですね。流れるようなスプレーを上げるためのターンの仕方、身体の動かし方、乗せ方など、「その理論があるからあの動きなんだ」っていうのが納得できて。それらをすぐに試したら、ZIZO(『WOW』でおなじみのプロカメラマン)さんにいい感じにスプレーが上がった写真を撮っていただいて。ハッと気づかされたことをすぐ試して、撮影してもらえる環境があるのはめちゃくちゃ得だなって思いました。
 
(新潟)かぐらでノブ(FRESHFISH所属の20代)さんとばったり会ったのも印象的でした。だって、CREWにジョインせず会っていなかったら、あのときは他人で、お互いスルーしてたわけじゃないですか。滑るスタイルも全然違うふたりがバタっと会ったときに、お互いにすごいテンションが上がって。そこでお互いに滑りをプッシュし合えたんですよ。こういう化学反応が起こることも、CREWの醍醐味なんじゃないかなって思いますね。彼とは滑りのスタイルが違うから、スゲー楽しかった。
 

Kagura

ノブ(左)とタクヤ。この日はお互いにプッシュし合い、それぞれバックサイド900とメソッド・トゥイークをメイクしたそう

 
──CREWとしての活動が与えたライディングスタイルへの影響を教えてください。
 
総合滑走能力というか、そもそもの“滑り方”の部分にすごく影響を受けました。もっと上手くスプレーを上げたい、もっとカッコいい形で滑りたいとか、そういうことをCREWと滑り始めて思うようになりました。CREWとの活動が、自身に足りなかったところに気づくきっかけになったと思います。
 
あと、昔みたいなノリをもらえてありがたいなと思っています(笑)。「UZUMAKI」で冨内さん(FRESHFISH所属の40代・冨内俊卓さん)とお互いにプッシュし合ったこととか。ちょっとスタイル狙いで高さのあるフロント(サイド)360をやって流そうと思った直後にバックサイドロデオ(540)とかやられると、たまんないなぁと(笑)。まだまだ伸び代があるな、成長できるな、って感じさせられますね。
 
──今後、CREWとしてどういう活動をしていきたいですか?
 
もっともっとフリースタイルしたいんです。その想いを見せるために、42のおっさんがUZUMAKIでいきなりヒップを全越えしたり、川場のセッションで1発目からフロント(サイド)900をやったりしています(笑)。僕はよく板をぶっ壊すので、最近はジブも全然入らなくなったんですが、またやってみようって思います。年齢関係なく、「飛びたい」「回したい」って考えている人たちと、一緒にまだまだ楽しんでいきたいな、なんて思いますね。
 
 

おわりに

滑る仲間や場所が固定化されていくことによって、ライディングスタイルの幅を狭めてしまう。そんな経験や悩みを抱えるスノーボーダーは少なくないのかもしれない。私たちBACKSIDE CREWは、世代や立場を越えた交流、そして、プッシュし合える関係性があり、何よりも“生涯スノーボーダー”という同じ価値観を持つ仲間たちで形成されたコミュニティである。あなたにとって、新しいスノーボードの扉を開くための一助になり得るのかもしれない。

photos: ZIZO=KAZU

BACKSDIE CREW 概要

▷募集期間: 随時募集中
▷活動期間: 通年
 

BACKSIDE CREW “STALEFISH”

(無料会員)
 
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BACKSIDE CREW “FRESHFISH”

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