BACKSIDE (バックサイド)

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INTERVIEW

「BACKSIDE CREW」の無料会員から有料会員に踏み込んだ理由【FRESHFISHインタビュー Vol.3】佐藤潤一さん・小林良和さん

2022.11.05

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昨シーズン、弊誌編集長・野上大介の「フリースタイルが足りない」という言葉とともに立ち上げたスノーボードコミュニティ「BACKSIDE CREW(紹介記事はこちら)」。実態がわからなかったであろうそのコミュニティに、現在では500名以上のスノーボーダーが参加してくれている。
その中でも、月額1,800円をお支払いいただいているFRESHFISH(有料会員)メンバーは20名近くいるわけだが、彼らとの活動を続けていく中で、運営側も「シーンを共創する」と掲げたスローガンの一端が垣間見えてきたような気がしている。それほどまでに充実したコミュニケーションを図ることができているのだ。
そこで、本連載では彼らへのインタビューを通して、1シーズンの活動を終えてオフシーズンも動き続けているFRESHFISHの内側をお届けしようと思う。Vol.3では、各々の理由で最初はSTALEFISH(無料会員)に参加したものの、セッションをともにした後にFRESHFISHへの参加を決めてくれた、佐藤潤一(サトウ)さんと小林良和(コバ)さんにインタビューを行った。

「初めてセッションに参加したときから居心地のよさを感じました」──サトウさん

「オレけっこうな人見知りだし、初めて参加したセッションでは溶け込めるかどうか心配してたけど、そんな肩肘張らなくていいんだなって。やっぱり、スノーボードが好きな人たちばっかりだったから」
 
こう語ってくれたサトウさんは、長野・信濃町出身の47歳。現在は埼玉・大宮市にお住まいで、自営業で電気工事を生業としている。仕事終わりであろう平日の夜に行ったオンラインでのインタビューにもかかわらず、笑顔で応じてくれた。
 
「学生のときに『ROADKILL』を観てスノーボードを始めてからは、ずっと滑ることばっかり考えていました。学生時代は仲間と一緒に大会に出たりもしていて。けれど、30歳くらいで仕事が忙しくなり転勤も重なってしまい、そのあたりからは(雪山に行くのは)年4、5回くらいに減っちゃいましたね。正直、半分リタイアしたような感じでした」
 
この言葉に頷いてしまうという読者諸君も多いのかもしれない。ライディングに対するモチベーションは十分に高いが、滑りに行く時間がない……。気持ちばかりがはやる中で、シーンと繋がるために弊誌をご愛読してくれていたというサトウさん。
 
「トランスワールド(現在休刊中のTRANSWORLD SNOWBOARDING JAPAN)で編集長をやっていた人がやるっていうことを聞いていたので、BACKSIDEは立ち上げ当初から読んでいました。記事を読んで特集に出てくるライダーを見ていると、『オレ、この記事書いている人と同じ時代を生きてきたな』と思うことが多くて(笑)。そんな雑誌がコミュニティを立ち上げるって言うから、面白そう!と思いましたね。たださっきも言ったように、スノーボードに関しては半分リタイアしている感覚だったから、『こんなハイレベルなところにノコノコ出て行ってもなぁ』と思ったので、まずは様子見でSTALEFISHに参加しました」
 
STALEFISHの場合、「BACKSIDE SESSION」(CREW限定のセッションイベント)への参加の可否は抽選で決まるのだが、サトウさんは見事当選。2021年12月下旬に、新潟・苗場で開催したBACKSIDE SESSION #1に参加してくれた。このセッションが転機となり、その後、FRESHFISHにジョインすることに。記事冒頭の「居心地のよさ」を感じたからだそうだ。
 

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本人は人見知りと言うが、豪快にパウダーを巻き上げながら、CREWのメンバーたちと笑顔でセッションを楽しんでいる姿が印象的だった
photo: Yuto Nishimura(HANGOUT COMPANY)

 
「FRESHFISHのみなさんたちに“まとまり感”があって、楽しそうに見えたんです。オレは毎回セッションに参加できているわけじゃないけど、行けばウェルカムな感じだから、今ではBACKSIDE SESSIONがあるから滑りに行くような感じですね。ある意味、スノーボードをより楽しむためにBACKSIDE CREWを使わせてもらっている、みたいな(笑)。居心地のいい仲間がいて写真も撮ってもらえるから。ひとりで滑るくらいなら参加しちゃっていいと思います。無料(STALEFISH)より有料(FRESHFISH)のほうが断然楽しいんじゃないか、とも思いますけどね」
 
撮影の話が出たので補足しておくと、BACKSIDE SESSIONでは毎回、プロフォトグラファーをアサインしてフォトセッションを行っている。CREWはここぞとばかりに各々のラインを表現し、フリースタイルスノーボーディングを楽しんでいるのだ。
 
「自分が滑っている写真なんて今まで撮ってもらったことないから、ずっと見てきた雑誌の向こう側に行った感覚で! すごくうれしいですね」
 

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山梨・カムイみさかで行ったBACKSDIE SESSION #8でのヒトコマ。このサイズのパイプに入るのは15年ぶりだったというが、20代のときに滑り込んだ感覚を身体は覚えているものだ
photo: Yuto Nishimura(HANGOUT COMPANY)

 
インタビューの最後に、CREWに参加してからスノーボードライフがどう変わったか?とたずねると、こんな答えが返ってきた。
 
「話の合う仲間もできるし撮影もしてもらえるので、ひとりで滑っているときより楽しくなりましたね。居心地のいいセッションが開催されるから滑りに行くというか、楽しませてもらっています! 仕事ばっかりだった人生が潤いました。この先(FRESHFISHに所属する)人が増えれば増えるほど、いろいろな企画や案が出てきて、さらに楽しくなるのかなと思います」
 
スノーボードを「ライフスタイル」「生涯スポーツ」などと答えるリアルスノーボーダーが大半を占めている、弊メディアの読者たち。そうした“生きがい”であるスノーボードをさらに楽しむためのコンテンツが、BACKSIDE CREWには用意されている。
 
 

「このCREWの人たちは絶対にスノーボード好きだなって」──コバさん

長野・栂池高原で開催したBACKSIDE SESSION #3にSTALEFISHとして参加し、その後、FRESHFISHに加入してくれたコバさん。長野・安曇野市の出身ということもあり、小さい頃から兄について白馬エリアで滑っていたそうだ。筋金入りの白馬ローカルであり、「冬スポ!! WINTER SPORTS FESTA」のアンバサダーとして活躍している30代の彼は、BACKSIDE CREWの募集が始まった昨シーズン、ケガに悩まされていたという。
 
「ずっとBACKSIDEは読んでいたので、BACKSIDE CREW募集の告知を見た瞬間から、本当はガッツリ参加したかったんです。ただ先シーズンのはじめはやっと足のケガから復帰できる、というタイミングでした。参加したい気持ちはあるものの、『上手い人たちばっかりなのかな』『キッカーばんばん飛ぶのかな』『レベルが高いとついていけず迷惑をかけてしまうな』などと思っていたんです。だから一旦、様子見でSTALEFISHに参加しました」
 
今回で3回目を数え、4人目となるFRESHFISHのインタビュー連載。その中でよく語られ、読者からの質問でも多数いただくのが、BACKSIDE SESSIONのレベルについてだ。例に漏れず、レベルについての不安を抱えていたコバさんだが、セッションに参加した後、その不安は払拭されたと語ってくれた。
 
「ケガの具合が少しずつよくなってきたタイミングで白馬での開催があったので応募してみると、うれしいことに当選して。参加して感じたのは、すごく“スノーボードしたな”ってことでした。参加していたCREWのみなさん、全然レベルもスタイルも違うじゃないですか。パウダーが好きな人もいれば、キッカーで1080回せるよって人もいるし、40代の方も20代の方もいる。でも、BACKSIDE SESSIONではそんなの全然関係なくて、いろいろな垣根を越えてCREWたちが一緒に滑ることができる環境があるというのが、とても印象的でした。それぞれが思い思いのラインで好きなようにスタイルを出しながら滑っていても、それらがまとまっていい感じのセッションになっていたんですよね。兄の後ろについて、冒険しながら滑っていたときのことを思い出しました。様子見でSTALEFISHとしてCREWに参加したけど、最初からFRESHFISHでもよかったな、と思いましたね」
 

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春の陽気から気温が一気に急降下して降雪に恵まれたBACKSDIE SESSION #3は、底を拾ってしまう難しいコンディション。しかし、ケガのブランクなど微塵も感じさせない軽快な滑りを披露してくれたコバさん

 
BACKSIDE CREWを立ち上げた際に掲げた「フリースタイルが足りない」という言葉。これには、CREWのみなから多くの賛同の声をいただいている。
 
年齢層の幅が広がり、レベルの格差が生じていく中で、スノーボードのライディングカテゴリーは必要以上に細分化されてしまった。そんな今だからこそ、“みなで楽しむ”という精神が根幹に宿っている「フリースタイルスノーボーディング」を、弊メディアではもっとも大切にしているのだ。プロショップなどで出会った仲間と滑りに行き、そのスタイルに影響を受けて新しいことに挑戦してみる。そんな経験がある方も多いのではないだろうか。だからこそ、シーズン中は毎月のようにBACKSDIE SESSIONを開催している。
 
「みなさん、本当に好きなようにスタイル出して滑っていてカッコいいから、またいろいろやりたいなって思うようになりました。技術を競い合う感じじゃなくて、いろいろなスタイルの人がゲレンデを隅から隅まで楽しもうとしていることもあって、セッションでは同じコースをほとんど滑らなかったんですよね。最近はカービングに熱を入れていることもあって、硬いバーンばっかり滑っていたんですが、CREWのみなさんと滑っているとそういうことにとらわれず、いろいろなことをやりたくなっちゃいますね」
 
最後に、同じ不安を抱えている多数の人たちに向けて、コバさんはこう付け加えてくれた。
 
「レベルやジャンルは関係なくて、“スノーボードを楽しみたい”という気持ちさえあれば、参加したら間違いなく楽しいと思うんです。これから仲間も増えていくし、どんどん楽しくなっていくと思います! 僕はケガもあってそんなにCREWのみなさんと滑ることはできなかったんですけど、オンラインで話したりして、『この人たち絶対にスノーボード好きだな』ってわかったんです。だから直接会ったら、きっと話が止まらないんじゃないかって(笑)」
 
 

おわりに

フリースタイルシーンの“共創”を目的とし、昨シーズンからスタートしたBACKSIDE CREW。その目的を達成するためには、まずはCREWみなでスノーボードを心から楽しむことが不可欠である。一枚の板にまたがって雪山全体を駆け巡るスノーボードは、そもそもが自由な遊びだ。BACKSIDE SESSIONは、そんな自由なスノーボーディングをCREWでシェアする場だと考えている。どんなスタイルでも構わない。ともに楽しもう。

photos: ZIZO=KAZU

BACKSDIE CREW 概要

▷募集期間: 随時募集中
▷活動期間: 通年
 

BACKSIDE CREW “STALEFISH”

(無料会員)
 
・ライディングセッション会「BACKSIDE SESSION」参加権利(12~4月に毎月開催/抽選)
・オンライン配信「BACKSIDE TV」視聴権利(5~11月に不定期配信/全員)
・メールマガジン「BACKSIDE MAIL MAGAZINE」受信(毎週1通/全員)
 

 

BACKSIDE CREW “FRESHFISH”

(有料会員: 月額1,800円/年間契約クレジットカード一括払いのみ)
 
・ライディングセッション会「BACKSIDE SESSION」参加権利(12~4月に毎月開催/全員)
・オンライン配信「BACKSIDE TV」視聴権利(5~11月に不定期配信/全員)
・オンライン交流会「BACKSIDE TALK SESSION」参加権利(毎月1回/全員)
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※オンラインコンテンツはZoomを利用いたします
 

 

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