BACKSIDE (バックサイド)

BACKSIDE (バックサイド)

https://backside.jp/news-931/
21972

NEWS

ハーフパイプ世界王者・戸塚優斗がトリプルコークに成功。平野歩夢の状態は?

2021.10.25

  • facebook
  • twitter
  • google

今年7月、「トリプルコークをハーフパイプのルーティンに組み込むことは可能なのか」というコラムを書いたのだが、あれから3ヶ月が経過し、動画を世に発信したという前提で史上2人目の成功者が誕生した。スイス・サースフェーでトレーニングを行っている昨シーズンのハーフパイプ世界王者、戸塚優斗だ。
トリプルコークへの挑戦は明言していたのだが、北京五輪の開幕まで4ヶ月を切ったタイミングで公表。4方向ダブルコーク1260、FS/CABダブルコーク1440を操るうえに、FSトリプルコーク1440まで加わるとなると、鬼に金棒状態と言えるのではないか。
戸塚のトリプルコークを見てみると、十分なエアの高さを生み出しているため、スピンに強引さは一切感じない。むしろスムースであり、フロントサイドグラブで完璧に回転をコントロールしている。しかし、最終的にこの回転力を抑えるとなると、どうしてもヒールエッジで耐えなければならない。ここで大きく減速するのだ。
ややヒールサイド、もしくはフラットで雪面を捉えてパンピングしながらトウサイドへ切り替えて次の壁に向かうことが理想ではあるが、トリプルコークのレベルになるとそのやり方で回転力を抑えるのは至難の業。ひと筋縄ではいかないだろう。着地後の映像がカットされているので定かではないが、次のヒットでハイエアを繰り出すことは現時点では難しいのかもしれない。先述のコラムで綴っているようにラストヒットで繰り出すとなると、トリプルコークを仕掛けるための十分なアプローチスピードを生み出すパーフェクトランが求められるということだ。
もうひとつ気になるニュースがある。この戸塚のトリプルコークはMONSTER ENERGYのInstagramで日本時間の10月23日にポストされているのだが、その5日前の18日に公開されたオーストラリアの専門メディア「TRANSFER」の記事に、平野歩夢がFSトリプルコークを繰り出したと書かれているのだ。
世界レベルで頭ひとつ抜きん出ている戸塚を平野が追うという、4年前とは形勢がまったく異なるわけだが、北京五輪の金メダル争いの鍵を握るのは、トリプルコークをルーティンのどこに組み込むのか、ということになりそうだ。
 

RECOMMENDED POSTS