BACKSIDE (バックサイド)

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奇想天外なトリックが連発したX GAMESのナックルハックが面白すぎる

2020.01.27

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米コロラド州アスペンが舞台のX GAMESで採用されている、いわゆる競技であるスーパーパイプ、スロープスタイル、ビッグエアは4日目にすべて幕を下ろした。しかし、語弊を恐れずに言えばそれ以上に“面白いエンターテインメント”が最終日に残っていた。前回大会より採用されたナックルハックだ。
 
ナックルハックを知らない人や、このイベントが生み出された背景や意義について興味のある方は、昨年大会のときに綴ったコラム(記事はこちら)を参照してほしい。日本ではデコや角と言われることが多いが、キッカーのプラットホームとランディングが切り替わる部分を英語ではナックルと呼ぶ。高難度スピントリックの舞台として巨大化したキッカーのランディングは斜度を強めることが余儀なくされ、ダウン系のジャンプとしては十分すぎるナックルからの落差を利用した遊びが誕生し、こうして日の目を浴びるようになったわけだ。
 
昨年大会では、その生みの親であるマーカス・クリーブランド(ノルウェー)がケガのため出場が叶わなかったのだが、今大会ではまだケガの影響があるからか、スロープスタイルとビッグエアへの参戦は見送ったものの、念願のナックルハックにはエントリー。昨年度覇者であるフリチョフ・ティッシェンドルフ(ノルウェー)やアメリカ東海岸が生んだトリックマスター、ゼブ・パウエル(アメリカ)、ミスタークリエイティブと言えばこの人、ハルドル・ヘルガソン(アイスランド)らとのトリック合戦は見応えがありすぎる。
 
回転数や回転方向、回転軸の複雑さといった難易度だけで争われるのではなく、”誰も思いつかなかい奇想天外なトリックをやったもん勝ち”だから面白いのだ。本記事のアイキャッチ画像は優勝したゼブなのだが、いきなり1本目からナックル部にお尻から滑らせるように突っ込んだかと思いきや、そこから起き上がるように身体をひねりながらメソッドエアを繰り出すという妙技を披露。意外性がありすぎて、思わず声をあげてしまうだろう。

ほかにも言い出したらキリがないほどクリエイティブすぎるトリックが連発した本イベント。上に埋め込んでいる優勝したゼブのムービーだけを観るのも悪くないが、下段のフルブロードキャストをオススメしたい。オリンピックスポーツとして周知されるようになりスポーツとしての側面が強くなったスノーボードだけに、個性が重視される遊びとしての価値を絶やさないためにこうした世界的なムーブメントが巻き起こっているということを、ぜひとも知ってもらいたい。
 
終盤に飛び出したレネ・リンネカンガス(フィンランド)と我らが相澤亮のコラボトリックも会場を大いに沸かせていたので、お見逃しのないように。

ナックルハック結果
1位 ゼブ・パウエル(アメリカ)
2位 マーカス・クリーブランド(ノルウェー)
3位 フリチョフ・ティッシェンドルフ(ノルウェー)
4位 ハルドル・ヘルガソン(アイスランド)
5位 レネ・リンネカンガス(フィンランド)
6位 ジェイク・キャンター(アメリカ)
7位 フランク・ブルジョア(カナダ)
8位 相澤 亮(日本)

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