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DEW TOURスーパーパイプ決勝で平野歩夢は4位。ジャッジングに違和感
2017.12.16
米コロラド州ブリッケンリッジで行われていたDEW TOURスーパーパイプ男子決勝が先ほど幕を下ろし、男子はジェイク・ペイツ(アメリカ)が優勝。平野歩夢は4位に終わった。
筆者はライブ配信で観ていたため物言いできる立場にはないことを承知のうえで綴らせてもらう。今大会のジャッジングには違和感を覚えた。
ひとり3本のランを行い、ベストポイントで争われる。歩夢は2本目、先週開催されたUS GRAND PRIX(ワールドカップ)で優勝したルーティンとファーストヒットのグラブ以外は同様に、BSインディ→FSダブルコーク1440→CABダブルコーク1080→FSダブルコーク1260→BS900を高さを出しながらクリーンに決めてきた。トップ画像はFSダブルコーク1440のヒトコマなのだが、エアの高さが申し分なかったことは十分に理解できるはずだ。このランは91ポイントと、この時点ではスコッティ・ジェームス(オーストラリア)に一歩譲る格好だった。
.@AyumuB put down a massive second run! Currently sitting in second place with at 91.00. #DewTour #Olympics #PyeongChang2018 pic.twitter.com/IpDxHyooun
— Dew Tour (@DewTour) 2017年12月15日
そのスコッティは、高さのあるFS900→BSダブルコーク1260→FSダブルコーク1260→BS360→スイッチBS900というルーティンを3本すべてで繰り出し、2本目のランで96ポイントを獲得。1本目で95ポイントを記録しており、この時点でポイントが高すぎると感じたが、3本目はもっとも完成度が高いランのように映ったものの反対に94.33ポイントともっとも低かった。
歩夢は2本目のファーストヒットのグラブが空中で暴れてしまっていたため、そこを修正しようと試みたのだろう。3本目ではグラブ時間は足りなかったものの安定したBSエアを披露し、その後は2本目と同ルーティンを高さを生み出しながら完璧に決めるも、86.33ポイントとジャッジに嫌われた。
優勝したジェイクは、1本目に放ったダブルチャックフリップ→FSダブルコーク1080→CABダブルコーク1080→FS900→BS900で80ポイントを獲得しており、3本目は4ヒット目までは同ルーティンでラストヒットをBSダブルコーク1260のテールグラブに変更。グラブ位置を考慮すると確かに技の難易度は高いが、エアの高さもそれほど変わらなかったにも関わらず97.33ポイントと、17.33ポイントも上積みされての逆転優勝。
予選をトップ通過していたため最終出走だったベン・ファーガソン(アメリカ)は、3本とも同ルーティンで挑んだ。FSトゥフェイキー→CABダブルコーク1080→ダブルクリップラー→BS360→スイッチマックツイスト→スイッチダブルバックフリップをすべて成功。確かに3本目のランがもっとも完成度が高かったが、1本目は82.33で3本目が92ポイントと、同ルーティンながら10ポイント近く差が出てしまったのだ。これは、直前に出走していたジェイクのポイントに引っ張られた感も否めないが、結果として歩夢はベンに表彰台から押し出される格好に。
冒頭で述べたようにジャッジに対して物言いできる立場にはないが、歩夢が繰り出したFSダブルコーク1440はスイッチ着地であることと、回転軸が縦→横→斜めと複雑に移行することを鑑みると、現時点で世界最高難度のトリックだと言える。エアの高さも十分だった。しかも、ジェイクのようにリスクを回避して大技をラストヒットに繰り出すのではなく、CABダブルコーク1080→FSダブルコーク1260に繋いでいることもポイントだ。
しかし、BSダブルコーク1260に対する評価が高かったということなのだろうか。ワールドカップを運営するFISとはジャッジシステムが異なることは百も承知だが、少なからずジャッジングに対する違和感を覚える幕引きとなった。
男子スーパーパイプ結果
1位 ジェイク・ペイツ(アメリカ)
2位 スコッティ・ジェームス(オーストラリア)
3位 ベン・ファーガソン(アメリカ)
4位 平野歩夢(日本)
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rider: Ayumu Hirano photo: GAKU