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19歳の二刀流ヴァレンティノが11.5mの超巨大ジャンプでヒップのハイエストエア世界記録樹立
2024.04.15
北京五輪ハーフパイプで平野海祝がハイエストエア世界記録を樹立したことは、日本人スノーボーダーにとって周知の事実だ。しかし、その1年ほど前にあたる2021年3月にオーストラリアの若き天才、ヴァレンティノ・ギュゼリが7.3mのハイエストエアを同じくハーフパイプで叩き出しており、その記録を海祝が抜いたというストーリーを知る者は少ない。
その海祝も参加していた超巨大アイテムを有する「SWATCH NINES」がスイス・シルトホルンで幕を下ろしたのだが、イベント終盤の4月12日、前出のヴァレンティノがヒップでハイエストエア世界記録を更新した。2016年にクリスチャン・ハラー(スイス)が11.3mのハイエアを記録しており、それを0.2m上回る11.5mでの樹立だった。
偉業を成し遂げたヴァレンティノは、「できるかぎり大きく飛べるように滑りました。今までで一番大きなヒップだったと思います。このヒップに初めてトライしたとき、これはもう巨大に飛ばざるをえないと感じたんです」とコメントしている。ヴァレンティノはハーフパイプだけでなく、スロープスタイル&ビッグエアでも表彰台に上がる実力を持つ。この多才な男の活躍から目が離せない。
また、女子でも同じくハイエストエア世界記録が飛び出した。FIS(国際スキー・スノーボード連盟)ワールドカップ・ハーフパイプのファイナリストの常連であるブルック・ドント(カナダ)が、7.3mのハイエアで公式記録を樹立したのだ。「ずっとこのイベントに参加したかったんです。ヒップで大きく飛べたことは、自分の強みを発揮できたと思っています。あの舞台に立つことは簡単ではありません。特にその日の最初の1本目は、初めてトライしたときと同じくらい恐怖心を抱いていました。でも、それを乗り越えたときの感覚は何にも代えがたいものです」とブルックは語っている。彼女もヴァレンティノと同じく19歳。これからの躍進に期待したい。
本イベントはスキーとの併催で行われており、スキーヤーのキム・グブサー(スイス)も記録を樹立したので、計3名がヒップでのハイエストエア世界記録保持者となった。先日お届けした記事で紹介しているように、正真正銘の“パーフェクトヒップ”だったということだ。
text: Daisuke Nogami(Chief Editor)
riding photos: Theo Acworth / Red Bull Content Pool
portrait photos: Henrieke Ibing / Red Bull Content Pool