BACKSIDE (バックサイド)

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NEWS

“全スノーボーダーが楽しめる”という噂の「BURTON MYSTERY SERIES」に出てみた

2023.04.10

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降り続く湿った雪にも負けず、さまざまなスタイルのスノーボーダーが同じコースを楽しみ尽くした一日だった。
 
さる3月18日、長野・エイブル白馬五竜にて今シーズン2回目の開催を迎えたグラスルーツ・スノーボードイベント「BURTON MYSTERY SERIES」。その正体は1982年から2020年(2021年はパンデミックの影響で中止)まで38年間続いた伝統の一戦「BURTON US OPEN」が、一般スノーボーダーが主役となってスノーボードの楽しみを共有する場として生まれ変わったイベントである。今シーズン、日本では1月に福島・星野リゾート アルツ磐梯で開催されており、その詳細についてはこちらの記事をご覧いただきたいのだが、「すべてのスノーボーダーが参加できるイベントを作る」という目標を達成するためにBURTON(バートン)が用意したのは、“バンクドスラローム×パークセッション”だった。このイベントのために白馬五竜のゲレンデ下部、とおみエリアにバンクドスラロームコースと、ジブ、キッカー、スパインから構成されるパークが特設されていた。

 

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とおみエリアは平均斜度14°と、初心者でも楽しむことができるコース。ゆえに、バンクドに入ったことがない人でもトライできる難易度となっていた

 

アルツ磐梯の取材をしていると、主役である一般スノーボーダーたちの弾ける笑顔がとても印象的だった。“すべてのスノーボーダーが参加できるイベント”なんて言われたら、それを証明しないと! というわけで、新人編集部員の筆者が参戦。年齢やレベルを越えて同じコースで楽しむことができる、大規模な滑ろう会のような雰囲気を味わったのだった。

当日8時ごろ五竜に到着したときには、気温は0℃前後、前日の夜から降り続いていた湿った雪が積もったコンディションだった。受付前に足慣らしでゲレンデを1本滑ったのだが、ストップスノーであることは明らかだったため、これはボードのチューンナップ次第か……?と不安になりながら受付を済ませる。今回は参加者の募集開始から2日半ほどでバンクド出場の定員となったそうだが、前回開催時同様、当日キャンセル狙いで五竜を訪れ、バンクドにエントリーする者もいたとか。その盛況ぶりがうかがえる。

 

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一般的なビブスではなく腕章タイプのものを受付時にゲット。センサーが内蔵されており、滑走者のタイムは自動計測される

 

各々が作戦を練ったりボードのメンテナンスに勤しむ中、BURTONの中山悠也とSIMSの平田巧によるMCのもと、開会式が執り行われた。ゲストライダーの藤森由香、竹内悠貴、宮澤悠太朗、第一子とともに五竜を訪れていた降旗由紀らの紹介から、イベントはスタートした。

 

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開会式そっちのけ(笑)でスクレーパーをかける宮澤悠太朗。ライダー陣ももちろん全力だ

 

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来季モデルの試乗も可能。この日一番走っていたのは、フルチューンされた試乗ボードだったかも?

 

開会式が終わると、参加者たちはまずバンクドスラロームのコースインスペクションへ繰り出した。先述のとおり、湿った雪が降り続くコンディションだったため視界は悪く、コースアウトする者もちらほら。とはいえ、緩斜面に造設されたコースではスピードに乗りすぎることはなく、高タイムへ繋がったのは高速域でバンクへインすることへの慣れよりも、シンプルな加重抜重のテクニックとバンクのアウト側を狙うラインどり、チューンナップによる湿雪対策の有無だった。今シーズン日本で開催された2回のMYSTERY SERIES両方のメンズオープンクラス(19~29歳)で優勝を果たした柴田理人は、「どんな人でも楽しめる難易度でしたが、技術差がタイムに直結するコースだったと思います。バンクに入るときのパンピングや抜けるときのエッジの抜き具合などで加速させていく必要があるので……。そういう意味で、滑ること自体は簡単だけど、タイム差が出て面白いコースでした。自分のタイミングで自由に滑っていい、というシステムのおかげでイベント中の雰囲気もラフな感じで、みんなでスノーボードを楽しめるイベントだったと思います!」と語ってくれた。

アルツ磐梯で同イベントが開催されたときは、一日を通して好きなタイミングで2本滑走し、そのベストタイムで競う方式だったのだが、午前と午後の間にコースメンテナンスが行われたことも影響し、午後に滑ったほうが5秒ほどタイムが縮められる結果だった。それを踏まえ、今回は午前に1本、午後に1本の滑走が許されることに。タイムの自動計測システムによって滑るタイミングは参加者に委ねられていたうえ、降雪により刻一刻と変わるコンディションもあって、滑る順番にも戦略性が生まれていたように思う。

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4大会連続でオリンピックに出場した藤森の滑りを間近で見られ、しかも同じコースを滑ることができる。バンクドスラロームはレベルを問わず誰でも同じフィールドで楽しめるため、ライダーたちの上手さを等身大で感じることができるのだ

 

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BACKSIDE編集部に昨年度からジョインした筆者も出場。スノーボード歴の短い一般スノーボーダーでも楽しめるコースだと、身をもって実感した

 

午前中の滑走を終えたあとは、ライダーセッションとミニコンテストが開催されていたこともありパークに移動。本イベントに参加していた弊誌の読者によるスノーボードコミュニティ「BACKSIDE CREW」の面々と合流し、トレインでキッカーに入ったり、スパインでのコンビネーションジャンプにトライしたりと、“フリースタイルが足りない”の言葉のもとに集まったCREWたちとともに、思い思いに空中遊泳を楽しんだのだった。

 

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ライダーセッション時に悠貴がスパイン全越えで魅せたストレートエアを、MCを務めていた悠也がさらに引き立てる。スタイルの出たバックサイドシフティにインスピレーションを受け、参加者たちも遊び方に思考を巡らせる

 

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一般参加者たちがクリエイティビティ溢れるコンビネーションジャンプを披露

 

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キッズライダーの姿も目立っていた。年齢に関係なく、みなでスノーボードを楽しめるプラットフォームが用意されていた証だ

 

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ミニコンテストでライダーの目にとまった者にはBURTONグッズのプレゼントも

 

予報どおり午後にかけて降雪が強まり、一日中滑っていた参加者のウエアはびしょ濡れに。しかし、閉会式を迎える時間になっても彼らの顔から笑顔が消えることはなく、入賞者の発表を心待ちしていた。リザルトを確認するまでは自分のタイムがわからないため、「もしかしたら入賞しているかも?」という期待が最後まで持てることも、本イベントの楽しいポイント。入賞者の発表のあとには雪板をかけたジャンケン大会まで用意されており、最後までスノーボードを通して楽しみを共有できる一日だった。

 

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藤森を相手にジャンケン大会。見事勝ち残った者には雪板がプレゼントされた

 

その土地に根ざしたスノーボードのコミュニティを作り出すために、世界各地で開催されているグラスルーツ・スノーボードイベント、MYSTERY SERIES。そこにはプロライダーからキッズまで、年齢や性別はもちろん、ライディングスキルさえも問わずに参加者全員が楽しみを共有し、コミュニティの一員であると感じられる空間が用意されていた。将来的にはさらに開催地を増やし、例えば障がい者アスリートも参加できるような形で進化していくという。本イベントは、どんなスノーボーダーでも参加することができ、コミュニティの一員となり、みなで作り上げるものなのだ。誰かと一緒に滑るスノーボードや仲間たちとのセッションは楽しい、という多くのスノーボーダーが共感し得る想いを最大限に具現化したMYSTERY SERIESは来シーズン、どのようなパワーアップを遂げて帰ってくるのか。22-23シーズンはもう間もなく終了となってしまうが、すでに来シーズンの開催を待ち遠しく思っている。

 

バンクドスラローム結果

 
スーパーグロム
 

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ボーイズ 
1位 イダチ セイタロウ
2位 タケダ リキ
3位 ヤマダ リュウ
 
ガールズ
1位 ヤマダ ジュナ
2位 カトウ コヨミ
3位 テラウチ ミレイ
 
ヤングスター
 

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メンズ
1位 カトウ タイガ
2位 タケオ ヒロ
 
ウィメンズ
1位 ハッタ コハル
2位 サイトウ リノ
3位 スギウラ ルカ
 
オープン
 

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メンズ
1位 シバタ リヒト
2位 カワムラ コウスケ
3位 タジリ セナ
 
ウィメンズ
1位 マエダ カナエ
2位 イナゲ ココネ
3位 ハヤシ エナ
 
マスター
 

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メンズ
1位 スギウラ エイスケ
2位 ヒロモト ラド
3位 ナガイ ヒロシ
 
ウィメンズ
1位 タカムラ ヒカリ
2位 タナカ ユウナ
3位 コイズミ ユタカ

text: Yuto Nishimura(HANGOUT COMPANY)
photos: Akira Onozuka

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