X GAMESの名物イベントとなったナックルハックでおなじみの、背中で滑りながら起き上がると同時にメソッドトゥイークを仕掛ける男といえばおわかりだろう。ゼブ・パウエルである。彼の仲間であるライダーと音楽プロデューサーを率いて、3月4〜13日にかけてアメリカ東海岸にある7つのスノーリゾートをジャック。毎年恒例となった「RED BULL SLIDE-IN TOUR」が今シーズンも行われた。
先述したとおり超絶クリエイティブなゼブやその仲間たちの滑りを観ているだけでも楽しめる本イベントだが、それだけでなく素晴らしい機会まで提供していた。6日に訪れたマウンテンクリークでは、アウトドアスポーツの認知を高めることを目的とした非営利団体「HOODS TO WOOD」とのコラボイベントを開催。ニューヨークを中心とした都心に住む子供たちにスノーボードの魅力や楽しさを存分に伝えたのだ。
また、13日の最終日にはボルトンバレーで特定非営利活動法人「CHILL」とのイベントを実施。恵まれない家庭で育った子供たちなどにスノーボードを体験してもらうことを目的としているわけだが、この日はCHILLを立ち上げたBURTON創始者である故ジェイク・バートンのレガシーを称える日「A DAY FOR JAKE」だった。「RIDE ON JAKE」と掲げられたフラッグを手にしながら、みなでライディングを楽しんだ。
ゼブらは自分たちがもっとも大切にしている、仲間たちとともにライディングを楽しむというフリースタイルスノーボーディングの本質を、自身が育ってきたアメリカ東海岸で今シーズンも伝えることができた。こうして米北東部に住むスノーボーダーたちは、自分たちが育ってきたエリアに根づくスノーボード文化に触れ、よりライディングにのめり込んでいくのだろう。

photo: Brian Nevins / Red Bull Content Pool