BACKSIDE (バックサイド)

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MOVIE

ダニー・デイビスが創造した夢の舞台 PEACE PARKが面白い。片山來夢も躍動

2019.11.08

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X GAMESやオリンピックなどのビッグコンテストでしのぎを削るトップコンペティターたちは頂点を目指し、己のトリックに磨きをかけ続けている。その結果として、スピンやジブトリックは一般スノーボーダーの立場からすれば異次元のレベルへと突入。
しかし、高難度化が叫ばれるコンテストシーンにおいて、独創性のあるトリックを引っさげて勝てる唯一無二の男、それがダニー・デイビスだ。高回転スピンが連発するハーフパイプ競技において、バックサイド360やスイッチメソッド、スイッチエア・トゥ・レギュラーでメソッドを放ちオーディエンスを魅了するだけでなく、表彰台を射止める。
そんな彼が、未来のパークシーンを想像しながら創造するPEACE PARKは2012年から始まり、休止のシーズンもありながら昨シーズンで7回目を数えた。クリエイティブすぎるパークを舞台に開催されることは大前提として、今回は5日間に渡り5つのセクションが用意されてコンテスト形式へと昇華し、さらにガールズライダーが加わった。大会とはいえ、未来を描くダニーが考えるコンテストは通常のそれとは大きく一線を画する。
米カリフォルニア州ボレアルマウンテンに用意された5大セクションとは、とにかく高さとスタイルを競い合う「ハイエアヒップ」、ハーフパイプとスロープスタイルを融合させた「ハーフパーク」、その名のとおり「トリプルジャンプ」、誰がもっとも高いところに手をつけるかを争う「ハイエストハンドプラント」、そして説明不要だろう「バンクドスラローム」。ジャッジ陣はMCとしても活躍しているお馴染みのジャック・ミトラーニ、フリースタイルスノーボーディングのゴッドファーザーと称されるテリー・キッドウェル、長野五輪ハーフパイプに出場したレジェンドでありコメンテーターとしても活動しているトッド・リチャーズといった面々だ。現代にまで受け継がれてきたスタイルやカルチャーを重んじるダニーだけに、高難度トリックだけでなく、創造性あふれるライディングを繰り出すことができる舞台を用意し、それらを先人たちに審査してもらおうという狙いだ。
そして、技術力と創造力を兼ね備えた招待ライダーたちを紹介していこう。まず男子は、クレイグ&マークのマクモリス兄弟(カナダ)、スコッティ・ジェームス(オーストラリア)、レネ・リンネカンガス(フィンランド)、我が日本から片山來夢、レッド・ジェラード(アメリカ)、ステール・サンドベック(ノルウェー)、セッべ・デ・バック(ベルギー)、アレック・オーストレング(ノルウェー)、ニック・バーデン(アメリカ)、アマチュアのショーン・ニアリー(アメリカ)、ベン&ゲイブのファーガソン兄弟(アメリカ)、ルーク・ウィンケルマン(アメリカ)、スコッティ・ラゴ(アメリカ)、ブロック・クラウチ(アメリカ)、女子はジェイミー・アンダーソン(アメリカ)、リュウ・ジャユ(中国)、クラウディア・メドロバ(スロバキア)、エレナ・ハイト(アメリカ)、マディ・マストロ(アメリカ)といった名だたるライダーたちが一堂に会した。
前置きが長くなってしまったが、約23分に渡る本ムービーにはフリースタイルスノーボーディングの夢や未来が詰まっている。「パークなんてスピンの回転数を競う場所でしょ」と決めつけてしまった往年のスノーボーダーのみなさん、フラットバーンでボードフレックスを活かすばかりで「パークなんて面白くない」と食わず嫌いの若手スノーボーダーたちも、きっと価値観が変わるからこの週末を利用してゆっくりと観てほしい。

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