BACKSIDE (バックサイド)

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INTERVIEW

「BACKSIDE CREW」の一員として過ごした1年【FRESHFISHインタビュー Vol.2】三熊直樹さん(秋田・自営業)

2022.10.07

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昨シーズン、弊誌編集長・野上大介の「フリースタイルが足りない」という言葉とともに立ち上げたスノーボードコミュニティ「BACKSIDE CREW(紹介記事はこちら)」。実態がわからなかったであろうそのコミュニティに、現在では500名以上のスノーボーダーが参加してくれている。
その中でも、月額1,800円をお支払いいただいているFRESHFISH(有料会員)メンバーは20名近くいるわけだが、彼らとの活動を続けていく中で、運営側も「シーンを共創する」と掲げたスローガンの一端が垣間見えてきたような気がしている。それほどまでに充実したコミュニケーションを図ることができているのだ。
そこで、本連載では彼らへのインタビューを通して、1シーズンの活動を終えてオフシーズンも動き続けているFRESHFISHの内側をお届けしようと思う。Vol.2では、一度はスノーボードから距離を置いたものの、CREWに参加したことによってかつてのスノーボード熱が再燃したと語る、三熊直樹(クマ)さんにインタビューを行った。

「ケガと仕事でスノーボードから離れちゃいました」

──CREWの活動をもっと外に発信し、このコミュニティを広げていきたいと考えています。クマさんのBACKSIDE CREWに対する想いについてうかがっていきたいのですが、まずは自己紹介をお願いします。
 
三熊直樹、厄年すぎた44歳です(笑)。出身は秋田県で、現在も秋田に住んでいます。クルマ屋さんの会社を経営していて、趣味としてもクルマやバイクが好きです。最近は登山や魚釣りなんかも楽しんでいます。
 
──東北出身とのことですが、スノーボードとはどのように出会ったのでしょうか?
 
もともと小さい頃からスキーをやっていて、17、8歳くらいのときに先輩がスノーボードを始めたので「とりあえずやってみよう」と思い、スキーと並行して始めました。その頃はスキーの延長線上で楽しんでいたので、カービング用のボードに乗っていましたね。もちろんスタンスは前振り、フォワードリーン角度も最大でした。
 
──フリースタイルにハマったキッカケを教えてください。
 
FORUM(フォーラム)の『THE RESISTANCE』を観たときですね。JP(ウォーカー)のパートが衝撃的すぎて、人生が狂いました(笑)。たしか、冒頭でストリートのハンドレールに270オンしているのを観たとき、「スノーボードって雪の上を滑る以外もあるんだ!」って思いました。もうその日からダックスタンスになるわ、柔らかい板を使うわで、ジブにがっつりハマっていったのを覚えています。当時ジブに力を入れていたゲレンデが安比高原だったので、よく通って遊んでましたね。
 

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1990年代のゲレンデ。この雰囲気を覚えているという読者諸君も多いのではないだろうか

 
──当時はどのような仲間と滑っていましたか?
 
地元の友達と一緒に滑ることが多かったです。もともとみんなでワイワイっていうタイプでもないので、けっこうひとりで黙々とやるのが好きでしたね。
 
──クマさんは仕事などで一度スノーボードから離れ、また雪上に戻ってきたいわゆる「復活組」だと伺っています。
 
そうですね。転機は25歳のときで、ヒップで飛ぶ方向を間違えて前十字靭帯を切ってしまって……。1シーズン棒に振ってしまい、ちょうどその頃、仕事が忙しくなってきたりといろいろ重なって、なんかこう、熱が少し冷めちゃったんだろうと思います。
 
ただ、なんとなく頭のどこかに「滑りたいな」っていうのはずっとあって。離れてからも年に1、2回は時間を見つけて滑りに行ってたし、そんな頻度なのになぜか板を買ったり(笑)。4、5年くらい前に仕事など落ち着いてきたんですけど、そのタイミングで出会った友達がスノーボードをやっていたのをキッカケにまた戻ってきた、という感じです。
 
その友達はゴリゴリのカービングの人だったんですよ。ゲレンデを改めて見渡してみると、話には聞いていたけどグラトリしかやっていない層がいたり。あと、上手い子たちはトリプルコークとかスーパーな技をバンバン決めて点をとるわけじゃないですか。それがいいとか悪いとかではなく、スノーボードが健全な「スポーツ」になっちゃったな、って感じました。オレがやりたいのはスポーツじゃない、って(笑)
 

Naeba

同じくFRESHFISHの山口卓哉さん(左)とは初対面にもかかわらず、ディープパウダーで息の合ったコンビネーションを披露
BACKSIDE SESSION #1 @Naeba, Niigata
photo: Yuto Nishimura(HANGOUT COMPANY)

 

「一緒にいて楽しい! 昔を思い出す感じです」

──FRESHFISHへの参加を決めた理由について教えてください。
 
雪上に戻ってから印象的だった出来事があって。復帰後に知り合ったスノーボーダーたちと世間話をしているときによく聞かれるのが、「滑りは何系なんですか?」って質問で……。昔からジブは好きですけど、結局好きなのはスポーツとしてのスノーボードじゃないから、なんでも滑るじゃないですか。「何系」かと聞かれても答えられないんですよね(笑)。自分のスタイルを崩すつもりはないけど、「何系でもないオレのこういうスタイルはもう古いんだなぁ」とか、「オレみたいに化石のようなスノーボーダーはもういないのかな」と思っていました。
 
そういうカテゴライズされたスノーボードに違和感や寂しさを覚えている矢先に見つけたのが、BACKSIDE CREW募集のときの「フリースタイルが足りない」って言葉でした。この言葉を信じて、飛び込んでみたんです。同じ文言に惹かれて集まったであろうCREWたちとセッションした昨シーズンは、復帰してから一番楽しいシーズンでした! コケてもみんなで笑いながら楽しむ、昔ながらの化石みたいな(笑)。そんなスノーボードがBACKSIDE CREWにはありますね。
 
──FRESHFISHに入ったことによって、スノーボードライフは変化しましたか?
 
昨シーズン足首をケガしたんですが、CREWのみんなと滑る機会を逃したくなかったので、そこに合わせて身体の調子や予定を合わせにいくようになりました。前もってしっかり身体を休めたり、自分の会社なので、無理やり出張の日程をBACKSIDE SESSIONに合わせたりとか(笑)。そうするくらい、やっぱり楽しいんです。初対面の人同士でもゲラゲラ笑いながら滑って、もうめちゃくちゃ楽しい。
 

KamuiMisaka

真夏のパイプセッション中にCREWとハイファイブを交わすクマ(右)
BACKSIDE SESSION #7 @Kamui Misaka, Yamanashi
photo: Yuto Nishimura(HANGOUT COMPANY)

 
──長野・栂池高原で行ったBACKSIDE SESSION #3のとき、滑ることができない状態だったのに集合時間に顔を見せに来てくれたことが印象的でした。
 
秋田からクルマを走らせて前日入りしてたんですが、足首の調子が悪すぎて……。滑れるんだったらなんとしても滑りたかったですが、それができないほどの状態だったので顔だけでも合わせておこうと思って、とりあえず集合場所に行きましたね(笑)。バックグラウンドは違うけど、みんなスノーボーダーとして目指しているところは同じはずなので、一緒に滑ったら楽しいのはわかり切ってるじゃないですか。集まろう!ってなったときは極力集まりたい、と思っています。
 
──CREWの活動の中で印象的だったものはありますか?
 
まず「UZUMAKI」が楽しすぎましたね。イベントそのものはもちろん、メンツも最高で! 復帰してから一番楽しいイベントでした。
 
そのときは足首がまだ治っていなかったんですが、完全にテンション上がり切っちゃって(笑)。例えば、山口(本企画Vol.1で紹介した山口卓哉さん)くんや冨内(FRESHFISH所属の40代・冨内俊卓さん)さんと滑っていると高回転スピンやバックサイドロデオなどヤバい技を見せられるので、やっぱりプッシュされます。
 
さっき話しましたが25歳で靱帯を切ったその日、楽しすぎちゃって、痛みを我慢して滑り続けていたんですよね。それを思い出した。「オレらのやってたスノーボードってこうだったよな」っていう感じで、楽しいですね。
 
あと、「BACKSIDE TALK SESSION(FRESHFISH限定で月に1回開催されるオンライン座談会)」には基本毎月参加させてもらってます。せっかくシーズン中に仲良くなったのに、「次のシーズンまでさようなら!」だと寂しいじゃないですか。真面目な話もくだらない話もしながら、酔っ払って気分が乗ってきて「次いつリアルで集まろうか」なんて話ができるあの場は、必要だと思います。
 

BacksideTalkSession

月イチの「BACKSIDE TALK SESSION」の様子。お酒を片手に、オフシーズンでもスノーボードの話題が尽きない

 
──CREWとしての活動が与えたライディングスタイルへの影響について教えてください。
 
いい意味で、スタイルは変わっていないと思います。昔好きだった「楽しむスノーボード」がBACKSIDE CREWにあるので。
 
ただ、CREW一人ひとりのバックグラウンドは違うじゃないですか。パーク好きだったり、バックカントリー好きだったり。そういう人たちと滑っていると、いろいろな部分がプッシュされますね。自分のスタイルは変わっていないんだけど、総合滑走力みたいなところが上がるな、っていうのは感じています。
 
──今後、CREWとしてどういう活動をしていきたいですか?
 
カテゴライズされたスノーボードって、もったいないと思うんです。ひとつのジャンルだけやって、それでやめちゃう人がいて。そういう人たちに、フリースタイルを伝えたいです。一緒に滑ることによって「フリースタイルって楽しい!」と思ってもらえるような、そんなコミュニティにしたいですね。
 
 

おわりに

ケガや仕事の都合でスノーボードから遠ざかってしまい、その後、復帰するタイミングを見つけられないものの、それでも“熱”をうちに秘め続けている。同じような境遇に立たされているという人も少なくないのかもしれない。その熱が、同じ熱量を持ったFRESHFISHメンバーたちと交わることで爆発する。生涯スノーボーダーでありたいと思う仲間が集い、さまざまな交流を通して、それぞれがスノーボードを楽しむ。BACKSIDE CREWとは、そんなコミュニティなのだ。

photo: ZIZO=KAZU

BACKSDIE CREW 概要

▷募集期間: 随時募集中
▷活動期間: 通年
 

BACKSIDE CREW “STALEFISH”

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BACKSIDE CREW “FRESHFISH”

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