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COLUMN

「16歳で泣くの終わりにします」世界一を目指す女子高生 村瀬心椛が流した涙のワケ

2021.03.28

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12歳で日本人女子として初めてBSダブルコーク1080を成功させ、13歳でマスターしたBSダブルコーク1260を引っさげてノルウェーに乗り込み、2018年5月に開催されたX GAMESビッグエアで世界の頂点に立った村瀬心椛。シンデレラストーリーとはまさにこうしたことを言い、当時中学2年生になったばかりの彼女は、突如世界中から追われる立場になった。
以降、彼女は優勝できなかった大会では、たとえ表彰台に上がっても必ずこう言う。「悔しい」と。この負けん気の強さが彼女を世界のトップライダーにまで押し上げたのだろうが、その分、プレッシャーも計り知れないのかもしれない。中学生から高校生にかけては精神的にも大きく成長するわけだが、それが世界トップクラスのアスリートであればなおさらだ。
そんな村瀬の心理状態を描いた動画を、SAJ(全日本スキー連盟)スロープスタイル&ビッグエアのコーチを務める西田崇が制作・公開しているのでご覧いただきたい。この映像は今年1月にスイス・ラークスで行われたワールドカップ(LAAX OPEN)時に撮影されたものだ。
先日、米コロラド州アスペンで開催されたワールドカップ(記事はこちら)をJ SPORTSが生放送しており、そこで解説を務めさせていただいていたため、大会直後の村瀬と筆者は言葉を交わすことができた。スロープスタイルで4位という結果でカメラの前に現れた彼女はサングラスをかけており、一瞬、年頃だからオシャレに気を遣ってのことかと解釈した。しかし、確実に涙を隠すためのものだとすぐに確信。声を震わせながらも、大会の反省点とこれからの豊富を力強く述べていた。
本ムービーにもあるとおり「16歳で泣くの終わりにします」と西田コーチに宣言した村瀬。涙を流す必要がなくなったそのとき、彼女は真の女王に輝いているのかもしれない。17歳で迎える北京五輪でヒロインになれることを期待したい。
そんな彼女を含めた日本チームは本日、スイス・シルヴァプラーナの地でワールドカップ・スロープスタイル今季最終戦に挑む。こちらもJ SPORTSで20:50~生放送(番組の詳細はこちら)となっているので、ぜひとも、応援していただきたい。

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