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予選1位通過の村瀬心椛は惜しくも4位。W杯スロープスタイルは欧州勢が完勝
2021.03.21
米コロラド州アスペンにてFIS世界選手権に引き続き、ワールドカップとの共催となるUS GRAND PRIXが開催中。ハーフパイプが先行して予選を行っていたのだが、スロープスタイルの予選と決勝を連日に渡って行うという強行スケジュールを組んできた。
スロープスタイル決勝当日は気温10℃超、強風が吹き荒れる厳しいコンディション。ひとり3本のランからベストポイントが採用されるおなじみのルールで行われた。
女子予選を1位通過し期待されていた村瀬心椛は、西田崇コーチによると連戦による疲労が重なり右脚に相当なる負担がかかっていたようだ。もちろん言い訳になる話ではないが、ファイナルでは4位と惜しくも表彰台を逃す結果に。

大会直前にマッサージを受ける村瀬 photo: Takashi Nishida
大会直後、J SPORTSの生放送で解説を務めていた筆者は村瀬と言葉を交わすことができたのだが、課題にあげていたファーストジャンプでのCAB900に果敢に挑んだことを自身で評価していた。セカンドジャンプをFS720でつなぎ、先日の世界選手権でスロープスタイル競技中に初成功させたBSダブルコーク1260で締めくくることを目標に掲げており、このルーティンが成功すれば表彰台の中央が現実味を帯びてくる。それに向けて大きく前進したというわけだ。
スロープスタイルのワールドカップは残すところ1戦。コースレイアウトによるが、女子スロープスタイルでは前人未到の高難度ルーティンを決めて、オリンピックイヤーへ弾みをつけてほしい。
なお、世界選手権ビッグエアで銅メダルを獲得した鬼塚雅は無念の予選敗退。芳家里菜も予選通過ならず。岩渕麗楽は出場していなかった。
日本人男子で唯一ファイナル進出を果たしていた國武大晃は、1本目からバック・トゥ・バックの1620に挑んでいたものの、クリーンに決めることができず。3本目では一発逆転を狙い、ラストヒットでBSトリプルコーク1620からのつなぎでCAB1800を繰り出すも、着地に嫌われてしまった。
同番組でのリモートインタビューでは、ジビングの調子が上がらなかったため、バック・トゥ・バック1620が仮に成功しても表彰台に届かないという判断のもと、3本目に攻めのルーティンを披露したことを教えてくれた。また、コンスタントにファイナルに進出できていることを自身でも評価。安定感が増し、確実に仕上がってきていることに手応えを感じているようだった。今後に期待したい。

気温がとても高く、國武は大会直前にこの表情 photo: Takashi Nishida
世界選手権では決勝までコマを進めた濱田海人と飛田流輝は予選敗退。ケガから復帰を遂げた大塚健はスロープスタイルでは苦しめられており、今大会も予選で涙をのんだ。
男子優勝はマーカス・クリーブランド(ノルウェー)。ジブセクションではハードウェイCAB270オン、FSボードスライド450オフなどを決め、後半の3連ジャンプではスイッチBS1260ステイルフィッシュ→BS1620メロン→CAB1620インディを1本目に決め、そのまま逃げ切った。
みるみる気温が上昇し、それに伴ってコースは荒れていく。当然ながら前半戦が勝敗のカギを握っていたわけだ。2位のレッド・ジェラード(アメリカ)、3位のマーク・マクモリス(カナダ)もともに、1本目のランのスコアが採用されての表彰台となった。
女子はビッグエア女王のアンナ・ガッサー(オーストリア)が優勝を飾った。3連ジャンプでは、FSダブルアンダーフリップ900インディ→CAB900ノーズ→BSダブルコーク1080メロンに成功。圧巻の滑りだった。
2位には難易度よりもスタイルで表現するヘイリー・ラングランド(アメリカ)が、3位はベテランのエンニ・ルカヤルビ(フィンランド)が入った。
スロープスタイル女王、ジェイミー・アンダーソン(アメリカ)は3本ともジブセクションでリズムを崩してしまい6位。アメリカ代表選考レースであるUS GRAND PRIXであるが、欧州勢が勝利を収める結果となった。
男子結果
1位 マーカス・クリーブランド(ノルウェー)
2位 レッド・ジェラード(アメリカ)
3位 マーク・マクモリス(カナダ)
10位 國武大晃(日本)
15位 大塚 健(日本)
47位 濱田海人(日本)
52位 飛田流輝(日本)
全結果はこちら
女子結果
1位 アンナ・ガッサー(オーストリア)
2位 ヘイリー・ラングランド(アメリカ)
3位 エンニ・ルカヤルビ(フィンランド)
4位 村瀬心椛(日本)
10位 鬼塚 雅(日本)
13位 芳家里菜(日本)
全結果はこちら
photos: FIS SNOWBOARDING
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