BACKSIDE (バックサイド)

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COLUMN

回転数を凌ぐ超高難度トリックを完璧に操る大塚健の“着地力”

2018.09.07

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先日、ニュージーランド・カードローナで行われたFISジュニア世界選手権ビッグエア男子で金メダルを獲得した大塚健、銀メダリストのルーク・ウィンケルマン(アメリカ)、銅メダリストのウィリアム・バフィー(カナダ)ら3人のジャッジングに採用された各2ランの映像が公開されているので紹介したい。
ここで特筆したいのは、優勝した大塚が操るキャブ・トリプルコーク1440の着地について。彼のインタビュー記事「17歳でビッグエア世界王者に上り詰めた強さの秘密」で触れているのだが、5月に行われたX GAMESノルウェー大会ビッグエアで同トリックを決めて大塚が優勝した際、大会後にコーチとして同行していた佐藤康弘氏がジャッジと交わした会話について語られている。
「大会が終わったあとにジャッジとも話をしたんですが、キャブの1620は立てるライダーがいるかもしれないけど、1440の着地は圧倒的に難しいって彼らも言ってたんですよ。スイッチのブラインド着地になるわけですから」
4方向あるトリプルコーク1440を比較した場合、一般的にはテイクオフ時に回転力を生みやすいこと、そしてランディング面に対して身体を正対させた状態で着地できることから、バックサイドスピンで同トリックを繰り出すライダーが多い。さらに、これだけの回転力を抑えて着地しなければならないため、個人差はあれどノーマルスタンスのほうが確実だ。
これらのことを前提として、同インタビュー内で佐藤氏が語ってくれている次の言葉にも耳を傾ければ、大塚の“着地力”の高さが自ずと理解できるはずだ。
「昔で言えば、キャブ900が得意なライダーは多かったけど、キャブ720は苦手なのと同じ」

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