BACKSIDE (バックサイド)

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COLUMN

W杯スロープスタイルで2位に輝いた鬼塚雅らトップランカーの滑りを解説

2017.09.05

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ニュージーランド・カードローナで行われているFISワールドカップの開幕戦となったスロープスタイル種目の結果はすでにお伝えしたとおり(記事はこちら)だが、男女トップ3のポイントが採用されたベストランの映像が公開されているので、映像とともに解説していきたい。

女子2位となった鬼塚雅は、BSノーズスライド→トゥフェイキー→ハーフCABオン50-50→FSボードスライドto 270アウトと、難易度はさほど高くないが安定したジビングを披露し、続く3連ジャンプではBS720→FS540→CAB900をクリーンにメイク。優勝したジェイミー・アンダーソン(アメリカ)はオーリーの高さや着地の精度、ジブのスキルなど、彼女の強みであるラン全体を通した安定感に加えて、昨シーズンまでは繰り出すことがなかった高回転3DスピンとしてCABアンダーフリップ900を用意しており、見事に成功。
とは言え、鬼塚はBSダブルコーク1080をマスターしたことを自身のSNSを通じて公表しており、ジャンプの難易度では分がある。あとは、トリックが連続する流れの中で繰り出せるかどうか。ラン全体の迫力や表現力、ジビングに関してはジェイミーが一步先んずるだけに、鬼塚にとってはルーティン全体の完成度を上げることが今後の課題と言えるだろう。

男子は上位3名のポイントが拮抗していた。3位には当サイトでも紹介しているアップアマー、地元ニュージーランドのカルロス・ガルシア・ナイトが食い込み、ジブは上位2名に比べると劣っていたが、ジャンプではFSダブルコーク1080から、BS1260→スイッチBS1260をバック・トゥ・バックでスムースにメイク。ジャンプでのポイントが大きく反映された結果だったのだろう。
2位のダーシー・シャープ(カナダ)は、ハードウェイ270オンやリップスライド、450アウトなどジビングでは高難度トリックが連発。3連ジャンプでは、スイッチBSダブルコーク1260→BSダブルコーク1080→FS1080と難易度は若干下がる格好だった。
優勝のマーカス・クリーブランド(ノルウェー)は、FS/BSリップスライドやコークアウトなど、難易度ではダーシーに一步譲るルーティンに見えたが、ジャンプではスイッチBSダブルコーク1080→CAB1260→BS1440と圧巻の滑り。X GAMESアスペン大会で同種目を制した実力は本物である。
今大会への出場は見送られたが、バックカントリーでの大事故から雪上復帰を果たしたマーク・マクモリス(カナダ)はオーストラリア・ペリッシャーにて調整中。そして、ナショナルチーム入りはしていないが米大手メディアにメダル候補として取り沙汰されている角野友基は、当サイトでもお伝えしたように全方向トリプルコークをマスター(記事はこちら)するなど、大会会場のカードローナでトレーニングに励んでいる。今後の動向からも目が離せない。

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