
FEATURE
新雪ゼロからたったの5時間で“整った”「BACKSIDE SESSION #4」@富良野ルポ
2022.04.07
さる3月12日早朝。北海道のへそに位置するスノーリゾート・富良野の富良野ZONEロープウェー乗り場に到着してゲレンデ広報の方に挨拶をすると、どうやら最近はほとんど雪が降っていないという話を耳にした。もちろん北海道には何度も訪れたことがあるのだが、たしかに気温も高い。旭川に拠点を置くフォトグラファーいわく、前日まで会っていた業界関係者からは「なんで富良野なの?」という声が漏れていたそうだ。
本来は2月に北海道で「BACKSIDE SESSION」を開催したかったのだが、北京五輪の競技解説やコメンテーターとしての仕事があったために僕が動くことができず、結果的にここまでズレこんでしまった。これまで開催した3回のセッションがパウダースノーに恵まれていただけに、不安の色を隠せないままBACKSIDE CREWと合流した。
今回のセッションは急なスケジュールだったことと、CREWの多くが内地スノーボーダーであることに加えて、もしかするとコンディションが期待できなかったからか、もともと参加人数が少なかった。北海道在住のFRESHFISH(有料会員)である木島真(マコト)さんと長谷川達也(タツヤ)さんに加えて、5名のSTALEFISH(無料会員)が加わる予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響などにより直前のキャンセルが相次いでしまい、少数でのセッションがスタートした。
晴天に恵まれていた序盤。ローカルに言わせればカチカチなのかもしれないが、本州スノーボーダーの僕にとっては問題なし。足慣らしがてら、グルーミングバーンを気持ちよく滑った。富良野ZONEとは別に北の峰ZONEもありゲレンデが広大だからか、土曜日なのに混雑はまったくない。マコトは早速、グラブターンで魅せてくれた。


すると天気予報どおり、徐々に雲がかかってきて雪が舞い落ちてきた。今回はCREWの人数が少なかったこともあり、STALEFISHの末森剛さんは奥様同伴でのご参加。この方、以前弊サイトで記事にしたのだが、オープン前の札幌国際でパウダースノーを満喫できる権利をふるさと納税の返礼品として考案した、札幌市役所に務める国際ローカルのスノーボーダーだ。
夜勤明けのタツヤが到着したということでロープウェー乗り場で合流すると、どうやらオレンジマン(山内一志)ら車団地クルーがいたとの情報が舞い込んできた。その後も何度か遠目に見かけたのだが、彼らがいることでセッション開始前の不安感が少し和らいでいくのだから不思議だ(笑)。そして、降雪はどんどん強まっていく。
標高1,074mのピークに向けて架かっている、ダウンヒル第3ロマンスリフトを利用して非圧雪エリアを流したかったのだが、ホワイトアウト状態。さあ、なんか地形でも探すかと考えていたとき、BACKSIDE SESSION #3@栂池高原に参加してくれたノブは北海道から合流していたのだが、その前にタツヤとセッションしていたことを思い出した。FRESHFISHメンバーはLINEのオープンチャットでつながっており、そこで連絡を取り合ってセッションが実現していたのだが、ノブからタツヤが上手かったとの情報を得ていたのでムチャぶりしてみた。「若い(20代)んだから、なんかフリースタイルっぽいアクションをやってくれ」というパワハラまがいなリクエストに、即座にレイバックで応えてくれた。

20以上離れた年齢のタツヤの滑りに刺激され、筆者も同じ地形で遊んでみる。うーん、イメージどおりに身体が動かない年頃(48歳)なのね……。

変わらずピーク付近はホワイトアウト状態だったので、次はタツヤがダウン系の地形を飛びたいとリクエストしてきた。本当は勉強中という写真も撮りたかったようで一眼レフが入ったバックパックを背負っていたのだが、いーぞ、飛べ飛べ!と僕が預かることに。進入ラインなどフォトグラファーと打ち合わせると、ステイルフィッシュをクリーンに決めてくれた。


「自分もちょこちょこ撮影をしてるんですが、まさかここまでやるとは思ってなかったので、すごく楽しかったです。あと、カメラマンとしてやっていくにあたっていろいろな話を聞くことができたので、すごくよかったです」──タツヤ
それを見ていたマコトは本セッション前にキッカーで飛びすぎてしまい左足首を痛めていたのだが、我慢できなかったみたい。僕より年下ながらも40代の彼は、テールグラブを繰り出した。


「できれば万全の状態で滑りたかったんですけど(笑)すごく楽しかったので、次は本州のセッションにも参加したいと思います」──マコト
新雪ゼロで最初はどうなることかと思った少数精鋭のセッションだったが、FRESHFISHのふたりが盛り上げてくれた。ジャンプの撮影が終わると、ドロップインのタイミングを伝えるために上部にいた僕にフォトグラファーが「野上さん、そこ!」と、指示されるがままに当て込みにいくと……セッション開始からおよそ5時間が経過した13時半頃、コース脇は整っていた。

終わりよければすべてよし。トップライダーたちがシーズン序盤にここを訪れる理由が理解できたと同時に、改めて北海道のポテンシャルの高さを痛感させられた。次回は3月下旬に開催した「BACKSIDE SESSION #5」@川場を、現在連載中の「FREESTYLE PARADISE」の最終回としてお届けする。
text: Daisuke Nogami(Chief Editor)
photos: Kazumaru
special thanks: Furano Ski Resort
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