BACKSIDE (バックサイド)

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ジェイク・バートンの功績を称える「A DAY FOR JAKE」から「BURTON MYSTERY SERIES」をハシゴした最高の週末

2025.03.25

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さる3月15日は「A DAY FOR JAKE」だった。なんの日かというと、2019年11月に帰らぬ人となってしまったBURTON(バートン)創業者のジェイク・バートンが残した数々の功績を讃えるべく、毎年この時期に行われているイベント。世界中に点在する45のスノーリゾートで行われており、翌日に「BURTON MYSTERY SERIES」が開催される長野・エイブル白馬五竜でもやっていたのだが、ジェイクとともにBURTONをトップブランドへ押し上げる原動力となった伝説のスノーボーダー、クレイグ・ケリーも愛した雪山として知られる新潟・関温泉が毎年もっとも盛り上がるという噂なので、そちらへ足を運ぶことにした。
 

イベント終了後、参加者たちの多くがジェイクとともに記念撮影していた

 
今回は家族連れで参加したのだが、準備に手間どって出遅れたことと事故が重なり、しっかり関越自動車道の大渋滞にハマり(笑)、関温泉に到着したのは10時半すぎ。すでに参加者たちはビールやBBQを楽しみながらライディングに興じていた。
 

A DAY FOR JAKEの特設ブース

 

BURTONチームライダーの竹内悠貴(右)と、OBでHEAVEN STOREのライダーである阿部祐麻も駆けつけた

 
僕は滑らずに子供たちとソリセッションをしていると、時計の針は12時に。ここからが本番だ。リフト乗り場付近に設置されたブースに一堂に会し、BURTONスタッフから本イベントの趣旨について改めて説明があったため、みなが耳を傾ける。そして、ジェイクが愛したお酒、ウンダーベルクで乾杯を終えると、参加者全員がリフトに乗り込んだ。「RIDE ON JAKE」のフラッグを掲げながら、みなでパーティーランを行うのだ。
 

マイクを握りたがるタイプではないがジェイクのためにと、BURTONのブランドマーケティングマネージャー・石原公司氏が場を盛り上げる

 
ジェイクがこの世に存在しなくてもスノーボードという遊びは生み出されただろうが、その遊びがここまで大きな産業にまで成長したかどうかはわからない。そう言って過言ではないほど、ジェイクが果たした功績は大きい。この業界に生きるいち編集者でありジャーナリストとして、数回だがジェイクとお会いしたことがあるいちスノーボーダーとして、彼に想いを馳せながらコーンスノーにカービングターンを刻んだ。素敵な時間だった。
 

悠貴を先頭にパーティーランがスタート

 

祐麻はフラッグを掲げながらもサイドヒットを楽しみながらライディングに興じていた

 
そして、翌日のMYSTERY SERIESに参加するため白馬ステイしたのだが、朝起きると木々にも雪が降り積もっており、3月中旬とは思えないほどの銀世界。エンジンをかけるとオートワイパーが作動するも、まったく動かないほどの湿雪がクルマのフロントガラスにも積もっていた。
 

3月中旬とは思えない降りっぷり

 
週末の白馬五竜は大賑わいをみせており、ゲレンデ最寄りの駐車場は満車。小さい子供連れだったので家族を降ろしてから駐車しようとセンターハウス「エスカルプラザ」のエントランスにクルマを停めていると、後ろから「野上さん」と声をかけてきたのはBURTONチームライダーの片山來夢だった。ちょうど同時刻に到着したようだ。すると、高橋龍正、悠貴、イベントMCを務める中山悠也、そして、SIMSライダーだが悠也とともにMCを務めている平田巧らとも合流。軽く挨拶を済ませ、ほんの少し距離のある駐車場へと急いだ。
 

国内外問わずライディングに明け暮れるグローバルな男、片山來夢が登場

 

前日の関温泉からやってきた悠貴(左)と、撮影の合間を縫って高橋龍正も参加

 

BURTONチームライダーの中山悠也(右)と平田巧が会場を盛り上げる

 
春雪がしんしんと降り続いていたが、白馬五竜では2年ぶりの開催となった本イベントには、3歳から57歳までの総勢158名の参加者が集結。開会式の時点では視界も悪く、MYSTERY SERIESのメインイベントであるバンクドスラロームはしっかりできるのか?という不安がつきまとっていたが、少しずつ天候も回復。バンクドスラロームに参戦していた白馬のガイドカンパニー「番亭」を営んでいる竹尾雄宇に話を聞くと、しっかり排雪作業が行われていたため問題なく進行していたようだ。
 

春雪が降りしきる最中に行われたバンクドスラロームだったが、運営スタッフの努力によって参加者たちも楽しめたようだ

 
MYSTERY SERIESは、各エリアのリゾートや地域コミュニティと連携し、その場に集うすべてのスノーボーダーたちが一体となって盛り上がることを目指しているイベント。北米、ヨーロッパ、アジア、オセアニアの各地で開催されており、ここ日本では2月15日に福井・スキージャム勝山で今シーズンの第1弾が開催されていた。ライディングレベルを問わずにみんなで楽しむことが最大の目的のため、バンクドスラロームが採用されている。
 

湿雪に濡れながらもMYSTERY SERIESを楽しむ参加者たち

 
また、プロやエキスパートだけでなくパークビギナーでもトライできるスパインなどが用意され、参加者たちはそれぞれのレベルに応じたライディングスタイルを披露。前出のBURTONチームライダーたちがスタイリッシュなエアで会場を沸かせていたことは言うまでもないが、パークを全開で楽しんでいる参加者にはチームライダーたちからBURTONグッズがプレゼントされるなど、会場全体がお祭りのような雰囲気に包まれていた。
 

本イベントはバンクドだけじゃない。フリースタイルにも楽しめるのがBURTON流

 

いいライディングをした参加者たちには、悠貴や龍正たちからグッズが手渡されていた

 
筆者は子供たちを両脚の間に立たせて滑りながら、MYSTERY SERIESを楽しんだ。我が娘たちはまだ滑った経験はないが、前述したスパインのもっとも最下部を軽くオーリーすると大喜び。これもMYSTERY SERIESならではの楽しみ方だろう。先ほどから私事ばかりで大変恐縮だが、4歳の娘たちにとって、同世代のキッズたちがバンクドスラロームに参加している姿を見て、いろいろな刺激を受けたことだろう。和やかな雰囲気のMYSTERY SERIESではあるが、子供に限らず大人も、スノーボーダーとしてプッシュされるイベントなのだ。
 

仕事と家族サービスを兼ねる(笑)

 
 

本イベントでは子供たちの姿が目立った

 
前日には白馬五竜でもA DAY FOR JAKEが開催されていたこともあり、そこで配布されたRIDE ON JAKEのオリジナルパッチをウエアにつけて参加しているスノーボーダーも多かった。2日間を通して、ジェイクに感謝の意を表しながらライディングに明け暮れたことだろう。
 

こうしたイベントを通じて、ジェイクの想いをみんなで後世に受け継いでいきたい

 
ジェイクが創造したスノーボードという遊びであり、スポーツであり、文化を通じて、多くの人々の笑顔があふれていた。関係者も含めて300名近くのスノーボーダーたちが、全力でフリースタイルスノーボーディングを楽しんだ最高の週末。
 

参加者たちの表情がすべてを物語っている

 
ありがとう、ジェイク。

text: Daisuke Nogami(Chief Editor)
photos: Kentaro Fuchimoto

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