FEATURE
なぜこの一冊を「JAPOW PRIDE」と名づけたのか。【創刊10周年特別企画】ISSUE 11「JAPOW PRIDE ──ニッポンの雪と山と文化を知る──」
2026.10.07
2020年、BACKSIDEは「JAPOW PRIDE」と題した一冊を作った。
世界中のスノーボーダーが憧れる日本の雪を、僕たち自身はどれだけ知っているのか。そんな問いから、日本を12のスノーエリアに分け、それぞれの土地を代表するスノーボーダーたちに話を聞いた。
あれから6年。創刊10周年を迎えたBACKSIDEはこの11月、日本のスノーボード文化を世界へ届ける新たな英語ポータルサイト「JAPOW FROM___」を立ち上げる。
JAPOW PRIDEから、JAPOW FROM___へ。
その現在地から6年前の一冊を読み返してみると、今につながるものが、すでにそこにあった。
まずは、当時この特集の冒頭に綴ったINTRODUCTIONから振り返りたい。
※2020年に綴った言葉をそのまま掲載

はじめに
あのゴンドラに乗るために、早朝から並べられていたボードやスキー板の数は減るだろう。あのリフトに乗るために、これまでのように並ぶ必要はないのかもしれない。
この冬、一部スノーリゾートの風景は様変わりする。それは、新型コロナウイルスが引き起こしたパンデミックにより、外国人スノーボーダー&スキーヤーが来日できないから。
言うまでもないかもしれないが、北海道・ニセコや長野・白馬を中心に、この時期雪がない南半球のオーストラリアやニュージーランドからはもちろん、近年は自国に大型スノーリゾートを抱えている欧米諸国からも多くの外国人が日本のパウダースノー、いわゆる“JAPOW”を求めて大挙して押し寄せていた。白馬を中心に10のゲレンデから構成されているHAKUBA VALLEYのチケット販売データによると、2012-13から2018-19まで7シーズン連続して、年平均25%増の訪日外国人を記録したほどである。
そして、ニセコや白馬に限った話ではなく、感度の高い外国人たちはすでに、新潟・妙高や長野・野沢温泉など、日本のスノーエリアを開拓し始めているわけだ。それほどまでに、世界中のスノーバム(雪の放浪者)から日本が愛されている理由とは何か。
それは、ほかにも世界中に豪雪地域はあれど、ここまで多くの人々が日常生活しているエリアに雪が大量に降る国がないから。米アラスカの僻地やカナダBC州の山奥には、もちろん大量に極上パウダースノーが降り注ぐ。しかし、それとはワケが違う。街があり、その近くに多くのゲレンデが点在し、ハイクオリティなパウダースノーが堪能できる。しかも、食事も温泉も人も最高。さらに言えば、リフト券が格安だ。これらが日本が世界に誇るべき価値なのである。
これを言い換えれば、僕たちは世界中の雪を愛する人々が羨む環境に住んでいるということ。
灯台下暗しかもしれないので、改めておさらいしておきたい。日本は国土面積の約70%が山岳地帯であり、南北に伸びた列島だ。冬になるとシベリア高気圧からの冷たく乾いた北西季節風が強く吹き、日本海を流れる温暖な対馬海流から蒸発した水分を含み湿った風に変わることで雪雲が発生。それが山岳地帯にぶつかるため、日本海側は降雪が多くなる。
雪の降る地域を見ていくと、国の基準で豪雪地帯と特別豪雪地帯とに指定されているのだが、国土のおよそ50%の地域がそれらに該当する。特別豪雪地帯は国土のおよそ20%に及び、日本海側のほとんどが豪雪地帯に当たるのだ。
冒頭で述べたように、今シーズンは外国人が少ないからこそ、パウダースノー争奪戦の競争率は下がる。加えて、ラニーニャ現象が発生していることから降雪に恵まれる可能性が高く、コロナ禍だからこそゲレンデへ向かう一歩を後押ししたい、という想いはもちろんある。しかしそれ以上に、僕たちが住むニッポンの雪と山と文化を改めて知ってほしく、この一冊を編むことにした。
全国津々浦々のスノーエリアを12に区分し、それぞれを代表するプロスノーボーダー12名に話を訊いた。そのインタビュアーを、長きに渡りプロスノーボーダーとして活躍、今秋までアメリカ・カリフォルニア州マンモスマウンテンを拠点としていた上田ユキエが担当。筆者以上に全国の雪山に赴いた経験を持ち、さらに海外視点でも日本の雪山を切り取ってほしかったから。
それでは、世界一の豪雪大国に住むスノーボーダーの胸に、“JAPOW PRIDE”を刻みこんでもらいたい。
BACKSIDE SNOWBOARDING MAGAZINE
編集長 野上大介
CONTENTS
▶INTRODUCTION|はじめに
▷01|北海道 / 札幌 安藤健次インタビュー
▷02|北海道 / 道北 佐藤秀平インタビュー
▷03|北海道 / ニセコ 渡辺大介インタビュー
▷04|東北 / 北東北 杉本幸士インタビュー
▷05|東北 / 南東北 松浦広樹インタビュー
▷06|群馬 / 利根沼田 中山悠也インタビュー
▷07|新潟 / 魚沼 関口 敬インタビュー
▷08|新潟 / 妙高 小西隆文インタビュー
▷09|長野 / 白馬 美谷島 慎インタビュー
▷10|長野 / 北信 中山二郎インタビュー
▷11|岐阜 / 飛騨 太田宜孝インタビュー
▷12|西日本 / 近畿・中国 中尾正明インタビュー
▷OUTRO|JAPOW PRIDEからBEYOND JAPOW.へ。
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BACKSIDE SNOWBOARDING MAGAZINE
ISSUE 11 「JAPOW PRIDE ──ニッポンの雪と山と文化を知る──」
北海道・ニセコや長野・白馬を中心に大挙して押し寄せている外国人は、なぜ日本の雪山にこだわり続けているのか。それは、ここまで多くの人々が日常生活しているエリアに雪が大量に降る国がないから。米アラスカの僻地やカナダBC州の山奥には、もちろん大量に極上パウダースノーが降り注ぐ。しかし、それとはワケが違う。街があり、その近くに多くのゲレンデが点在し、ハイクオリティなパウダースノーが堪能できる。しかも、食事も温泉も人も最高。さらに言えば、リフト券が格安だ。これらが日本が世界に誇るべき価値なのである。これを言い換えれば、僕たちは世界中の雪を愛する人々が羨む環境に住んでいるということ。だからこそ、ニッポンの雪と山と文化を改めて知ってほしく、この一冊を編むことにした。世界一の豪雪大国に住むスノーボーダーの胸に、“JAPOW PRIDE”を刻みこんでもらいたい。

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