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【連載Vol.1】雪山の冒険を「つがいけマウンテンリゾート」で始めよう
2023.02.21
特筆すべきは、リゾート内で安全に、その上質なパウダースノーを楽しむための仕組みが整っているということ。それは、レクチャー動画を視聴し、腕章を着用したスノーボーダーのみがツリーエリアを楽しめるように開放している「TSUGA POW DBD」だ。
栂池の魅力を紐解いていく連載の第1回目では、白馬村まで30分の大町市に出自を持つ若手ローカルフォトグラファー“HOLY”こと堀内雅敏と、冬の間は白馬にコモる生活を始めて2年目の高校生ライダー・柿本優空がTSUGA POWを楽しみ尽くした一日をお届けする。
「TSUGA POW DBD」とは?
ハイシーズンの平均積雪量は3~4m、栂池が誇るドライで豊富なパウダースノーの愛称が「TSUGA POW」であり、その雪を余すことなく楽しむため提供されているのが、非圧雪パウダーエリア「TSUGA POW DBD」。周囲を山に囲まれた地形であるため、強風が吹く白馬エリアの中でも雪が飛びにくいのが特徴。
このエリアで滑走するために視聴するレクチャー動画(本記事の下部にて視聴可能、事前視聴しておけば当日の受付がスムースになるぞ)では、整備されたコースとは違う、非圧雪エリアに潜む危険や転倒した場合の対処法などの専門知識を学ぶことができる。魅力的ではあるが相応のリスクが伴う非圧雪エリアでのライディングを、事故なく楽しむための仕組みなのだ。
腕章を受け取り気を引き締めたら、いざ、パウダーハントへ。ここからは優空のパワフルなライディング写真とともに、TSUGA POW DBDの魅力に迫る。
DBDでパウダーハントを一日中楽しもう
「けっこう滑走距離がある中にパウダーターンを気持ちよく流せる沢地形が点在していて、ゲートが5つあるくらい幅も広いから、冒険しがいのあるエリアです。エリアの幅があって腕章を着けていないと入れないから、競争率が低いなっていうのも感じますね。一般コース内のパウダーだと午前中で終わっちゃうけど、DBDではトラバースしていけば午後でも全然パウダーが残っているときがあって。一日中冒険できるのが、DBDの魅力のひとつだと思います」
最近はバックカントリーでの撮影にも精を出す優空が語るとおり、TSUGA POW DBD内には無数のヒットポイントが存在し、冒険のしがいがある。沢地形はもちろん、比較的開けた斜面、フリースタイルアクションが繰り出しやすいマッシュなどが目の肥えたスノーボーダーたちを待っているのだ。そのバラエティに富んだエリアでのライディングは、楽しいことはもちろん、上達への近道となることだろう。
「自分はナチュラル(地形)でのジャンプの練習をしにDBDに行ったりもします。例えば、(白馬)八方尾根のバックカントリーでいきなり720やれって言われても難しくて……。というのも、その720を繰り出すヒットポイントまでのラインどりが、山奥に入れば入るほど、見えなくなるんです。一点集中で地形を見ちゃうと見えてこないラインを見つけるために、『目を慣らす』っていう感覚でDBDを楽しんでいます」
ゲレンデの端パウで満足できなくなってくると、バックカントリーライディングが視野に入ってくるのがスノーボーダーの性。しかし言わずもがな、初めての山でバックカントリーに赴く際は、ガイドツアーを利用したりその山に精通している人とともに入山することがマストになってくる。
対してTSUGA POW DBDのエリアは毎日、専門の管理担当者によるコンディションチェックが行われており、一般コースに囲まれていることもあって仲間同士で気軽にパウダーハントを楽しむことができる。重ね重ね言わせていただくが、もちろん非圧雪エリアならではの危険が潜んでいるため、レクチャー動画の視聴は入念に。それさえ気をつければ、ゲレンデ内とは思えないほど、フリースタイルにパウダースノーを味わうことができるのだ。
【次回予告】
レジェンドが家族とともに来日。オールラウンド・スノーリゾートのポテンシャルに迫る
パウダーフリークやフリースタイラーにとってはよだれモノのTSUGA POW DBD。しかし、栂池の魅力はそれだけではない。最初にお伝えしたとおり、このゲレンデは来る者を拒まないオールラウンド・スノーリゾート。その噂を聞きつけたレジェンドライダー、ブライアン・イグチがなんとファミリートリップで栂池を訪れたのだ。ファンとの滑ろう会の様子も交えながら、次回は「つがいけマウンテンリゾート」が誇る、コースバリエーションの豊かさに迫っていく。
text: Yuto Nishimura(HANGOUT COMPANY)
photos: HOLY