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世界が認めた佐藤秀平の足もとを幼少期から支えるSIMSの万能ボードたち
2022.11.09
幼き頃から搭乗してきたSIMS SNOWBOARDS(シムス スノーボード)にまたがり、現在はグローバルチームの一員として世界を股にかけて活動中。その秀平の足もとを支えるのが「DISTORTION」と「NUB」だ。
パークからパウダーまで楽しめるオールマウンテンボード
パークからパウダーまで楽しめるオールマウンテンボード
今年10月、米SIMSより公開された秀平のシグネチャー映像作品『SHUTIME』をご覧になったという方も多いことだろう。そこに映し出される彼のライディングスタイルを観ていると、手つかずのバックカントリーから人工的にシェイプされたパークに至るまで、秀平のオリジナリティが最大限に表現されており、無性に滑りたくなる。近年稀にみる傑作だ。
冒頭で述べたようにハーフパイプを主戦場としていた秀平だが、現在はバックカントリーフリースタイルに重きを置き活動している。それに伴って、ボードチョイスも変わってきた。
「ずっとフリースタイル系のボードに乗っていて、乗り味が変わるのが怖いから、ノーズが長めのパウダー向きのボードに乗るのをためらっていたんですよ。でもNUBに乗るようになって、かなり価値観が変わりました。これでも全然フリースタイルいけるな、って。もともとはDISTORTIONをメインに乗っていました」
これまでのライディングスタイルを支えてきたDISTORTIONは、現在でも秀平が愛用する一本である。キャンバーのトップ部分をフラットにすることで、キャンバー本来のエッジホールドを保持しながらも、フラットならではのルーズ感と柔軟性を兼ね備えたアクションを実現するトランスフォームキャンバーが採用されている。
よって、パークやパイプ、パウダーなど、DISTORTIONは滑るフィールドを選ばない。
「あまりにも深いパウダーだとNUBのほうが浮力があるからいいんですけど、ゲレンデを滑るんだったら断然DISTORTION。サイドカントリーでパウダーを滑って、ゲレンデに戻ってきてグルーミングバーンを繰り返し滑るような状況だと最高な一本ですね」
『SHUTIME』を観ればわかるのだが、パークの聖地として知られる米カリフォルニア州マンモスマウンテンでのフッテージも収録されている。そこで秀平がまたがっているボードがDISTORTION。2本のカーボンストリングを埋め込んだダブルアイカーボンの効果により、ビッグキッカーやクォーターパイプで繰り出されるビッグエアが生み出されているのだ。
さらに、トライテックスファイバーグラスを組み合わせることで、ターン時の反発力も高めている。
「細かいエッジの切り替えしでも瞬時に反応してくれるし、パークやパイプを滑っているときの着地時にエッジングがしやすい。もちろん、スイッチでの抜けもスイッチ着地もやりやすいから、フリースタイルな滑りにマッチします」
そのうえで、ミドルフレックスで取り扱いやすいDISTORTION。地形遊びやパウダーライディングをこよなく愛する、弊ウェブマガジンの多くの読者にハマるボードなのかもしれない。
トッププロから一般スノーボーダーまでが遊べるボード
トッププロから一般スノーボーダーまでが遊べるボード
「昨シーズン公開されたSIMSのチームムービー『QUASIMODO』の撮影のとき、数年ぶりに22フィート(約6.7m)のスーパーパイプに入ったんです。ドロップインまではスピードが速すぎて焦ってたんですけど、実際にはスピードが足りなすぎて壁をしっかり上れなくて(笑)。でも、何本か滑っているうちに、けっこう感覚が戻ってきました。
すると、現役のときはバックサイドが苦手だったのに、昔よりもスムースなラインどりができるようになっていて、エアもいい感じだったんですよね。これって、バックカントリーを滑るようになったことで、カービングとかターンを意識するようになったからなんじゃないかな、って。NUBに乗るようになってから、滑りの幅が広がったのは間違いないから」
NUBには、ロングノーズツインシェイプが採用されている。雪面とのコンタクトポイントはツインチップ同様に対称なのだが、大きく長いノーズが採用されているのでパウダーでの浮力は抜群。だからこそ、パウダースノーを切り裂きながら切れ上がるようなラインどりが可能になる。
そうした効果により、秀平のバックサイドターンに磨きがかかったのかもしれない。バックカントリーではトラバースすることも多く、障害物を避けてアプローチしなければならない状況など、ボードコントロールのスキルがものをいう。そうした環境下でNUBにまたがり滑り込んだことで、もともと主戦場としていた得意なフィールドであるハーフパイプから離れていたにもかかわらず、スキルアップを実感できたという話につながるのだ。
「NUBに乗るようになったキッカケは、パウダーの緩斜面を滑っているときに(吉田)啓介の滑りを後ろから見ていたら、ノーズがしっかり浮いた状態でターンしてたんですよね。オレはDISTORTIONに乗っていたんですけど、ノーズがパウダーに刺さっていくような感じで。啓介はパウダーボードみたいな板に乗っていたので、そのときにNUBのほうがいいんじゃないかと思って乗るようになりました。実際に乗ってみたら、緩斜面でもしっかりノーズが浮いてくれて、ゆっくりなターンなのに伸びるような感覚が得られたんです」
ウイング状に浮き上がったテール付近にエクステンションライドを施すことで、テールのキック部分までランニングレングスが延長されている。よって、粘りのあるターンが実現できるのだが、グルーミングバーンではもちろん、秀平が言うようにパウダーライディング時にも感じることができるということだ。
このNUBは秀平以外に、ジョン・ジャクソンやスコット・ブラム、キーガン・バライカといった錚々たるライダーたちが愛用している。そうだよね、やはりエキスパート用だよね……と落胆したそこのあなた、最後まで秀平の言葉をお見逃しなく。
「NUBはクセがない板だから、これからバックカントリーに入りたい人や、パウダーでもっと気持ちよく滑りたいと感じている人にはすごくいいんじゃないかなと思います。一般の人がいきなりスワローテールの板に乗るのって、けっこう難しいと思うんですよね。NUBだったらフリースタイルにも全然滑れるし、むしろ、フリースタイルボードとの違いがほとんどない。そのうえで浮力がしっかりあるからオススメですね」