
FEATURE
原宿にスノーボーダーが大集結した『SHUTIME』&『GYPSY』上映会を振り返る
2022.11.02
秀平が幼き頃に描いた夢『SHUTIME』
「このような形で自分のフルパートを出すことが、子供の頃からの夢だった」
公開から数週間が過ぎ、読者諸君の中には何度も繰り返し視聴したという人も多いのではないだろうか。こちらの記事で紹介しているように、10月14日に米SIMSとSLUSH THE MAGAZINEより、佐藤秀平のフルパートムービー『SHUTIME』がドロップされた。
公開日当日には東京・原宿某所にて業界関係者向けの上映会が用意されており、快挙を成し遂げた秀平を祝うために日本中からたくさんの仲間たちが集結。会場は秀平のこれまでの足跡を辿ることができる空間と化していた。

エントランスには『SHUTIME』撮影時に使用していたギアのセットアップが

フォトグラファー・小野塚章が撮影してきた数々の写真たち
上映前には秀平と本作のディレクターを務めた川崎清正、弊ウェブマガジン編集長・野上大介の3人が登壇し、米メディアからサポートを受けてフルパートをリリースする価値や、撮影の舞台裏などについてトークセッションが行われた。日本人が手掛けるムービーとしてグローバルスタンダードとなるべく制作されており、この作品を観た若手ライダーやクリエイターたちにこのステージを目指してほしい、という願いが込められていることも明かしてくれた。

ひとつの夢を叶えた秀平の想いがあふれるトークセッションだった
写真や映像、音楽といった表現がSNSなどのプラットフォーム上で大量に、一瞬で消費されていく時代。だからこそ、こうした場が設けられた。会場を訪れた多くの人々にとって、ひとつの作品をディープに楽しめる有意義な時間となったことだろう。
NOMADIK初となるチームムービー『GYPSY』
その翌週、10月22日には工藤洸平率いるNOMADIKクルーが原宿に集い、同ブランド初のチームムービー『GIPSY』の上映会が行われた。併せて、新作商品を取り揃えたポップアップストアが展開されていたこともあり、全国のNOMADIKファンが原宿に大集合。カズこと國母和宏らチームライダーたちも参加し、ファンらとともにNOMADIKの世界観へとダイブした。

スノーボードに心奪われている者たちが一堂に会し、映像を楽しみ、交流する。最高の空間
上映会は2部制で行われたのだが、第1部は入場できない者が続出するほどの大盛況ぶり。第2部の上映が終わった直後、洸平とカズがマイクをとって舞台挨拶を行った。その最後にカズが語ったのは、30年近くの付き合いであるファミリーへの、感謝の言葉だった。
「洸平がオレに滑る場所を与えてくれた。スノーボード界で『社長と言えば洸平』って言われるようにしたい」
このカズの言葉に感極まっていた洸平の姿が印象的だった。

友情を超えた強い絆で結ばれているカズと洸平
『GIPSY』は11月4日(金)〜6日(日)の3日間、神奈川・イオンシネマ茅ヶ崎で開催される「第10回横乗日本映画祭」にて、5日(土)に再度上映される。ネタバレ防止のため多くは語らないが、思わず息を呑んでしまうストリートパートから、スノーボードの新たな可能性を感じさせるワイルドなバックカントリーフリースタイルに至るまで、一枚の板で雪上を縦横無尽に遊び尽くす、フリースタイルスノーボーディングのすべてが詰め込まれていると言っても過言ではない内容だ。見逃した方はもちろん、再度映画館の巨大スクリーンであの映像美を味わいたい人も、要チェックだ。
秀平のアツい想いに迫った「BACKSIDE TV」
さらに、『GIPSY』上映会の翌日、10月23日には弊ウェブマガジンが抱えるスノーボードコミュニティ「BACKSIDE CREW」限定コンテンツ「BACKSIDE TV」のライブ配信を行った。今回のゲストは、前述の『SHUTIME』試写会では仲間たちから盛大に祝いの言葉を受け、『GIPSY』上映会では心友へ祝いの言葉を向けた秀平と、『SHUTIME』にはディレクターとして、『GIPSY』にはカラリストとして携わったフィルマー・川崎清正のふたり。上映会で業界関係者へ語られた内容よりもさらに詳しい『SHUTIME』の撮影の裏側や、秀平の新たな挑戦など、限定配信の場だからこそ語ることができるディープな話を聞くことができた。

原宿某所からライブ配信。BACKSIDE CREWのFRESHFISH(有料会員)メンバーは配信会場で観覧できる
CREWの方はアーカイブ視聴も可能なので、ぜひご覧いただきたい。その上でもう一度、『SHUTIME』を観てみてはどうだろうか。彼のアツい想いが、スノーボード欲を爆発させることだろう。
シーズン前にコンクリートジャングルから発信されたふたつのムービー。日本のフリースタイルシーンを牽引するライダーたちが魂を込めて制作した作品に火をつけられたというスノーボーダーは、きっと多いはずだ。今シーズンも全力でスノーボーディングを楽しんでほしい。
edit + text: Daisuke Nogami(Chief Editor)
text + photos: Yuto Nishimura(HANGOUT COMPANY)
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