BACKSIDE (バックサイド)

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REVIEW

BURTONが贈る“間違いない”傑作ボードを乗り比べてみた

2019.11.27

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ジャンプ、ジブ、パイプ、パウダー、地形遊び、カービング、バックカントリー、グラトリ……など、近年はライディングスタイルをカテゴライズするようになり、それぞれの特性に合わせてボード形状は多様化、ベンド構造は複雑化していく傾向にあった。よって、コンディションやフィールドに応じてボードを使い分けられる時代なのだが、そう何本も買い揃えられるほど安いものではない。さらに言えば、昔ながらに一本のボードでなんでもこなせるほうがカッコいいし、面白い。そこで、あらゆるレベルや滑り方に対応してくれるボードを、乗りやすさに定評のあるBURTONから厳選し、“間違いない”8本を用意。傑作とも言うべきそれぞれのボードを弊メディア編集長であるワタクシ、野上大介が試乗した。その昔、某ブランドのボードテストに従事していた経験もあることから、より一般目線で有益な情報が発信できるのではないかと考え誕生した本企画。あなたとともに冬を過ごす最高の相棒との出会いの一助になることを願い、自ら乗り、そして書いてみた。

ボードテスト概要

ボードテスト概要

NozawaOnsen

  • ▷ゲレンデ: 長野・野沢温泉
  • ▷実施日: 2019年1月17日
  • ▷天候: 晴れ時々くもり -7~2℃くらい(実施時間のゲレンデ麓付近の気温)
  • ▷雪質: 新雪

テスター

野上大介(BACKSIDE SNOWBOARDING MAGAZINE 編集長)

DaisukeNogami

スノーボード歴27年のベテラン。18歳でスノーボードを始め、全日本スノーボード選手権ハーフパイプ大会に2度出場。20代の頃は某国産ボードブランドの契約ライダーとして活動するなかで、同ブランドのボードテストにも数年間に渡り参加した経験を持つ。現在はゲレンデやサイドカントリーを中心に、若者に負けまいとサイドヒットを狙いながらフリーライディングに明け暮れる。趣味は加齢に抗うための筋トレ。

  • ▷身長: 166cm
  • ▷体重: 55kg
  • ▷スタンス: レギュラー F/21° R/-6° 各ボードの推奨スタンス幅で設定
  • ▷使用バインディング: BURTON STEP ON
  • ▷使用ブーツ: BURTON ION STEP ON

FOR FREERIDE

FOR FREERIDE

FAMILY TREE ONE HITTER 152

OneHitter

攻撃的フリースタイル×高速フリーライディング

152cmのレングスで25.5cmのウエスト幅は一般的に太めという印象を受けるが、想像を裏切るほど小回りが利き、キメの細かいボードコントロールが可能。降雪後だったのでパウダーエリアでも試したが、全長からイメージする以上に浮遊感を得ることができた。ノーズがテールよりも太いテイパードシェイプの効果によるところが大きいのだろうが、ターンの入りと抜けをスムースにする効能もあるからこそ、冒頭で述べたように小回りが利く印象を強く受けたに違いない。さらに、高速安定性も抜群。BURTONのホームページでこのモデルについて調べてみると、“ミサイルのようなライディング”と形容されているのだが、まさにそのとおり。やや短めの板で高速域でも自在にコントロールできることから、そのように感じた。とは言え、緩斜面や低速域でのボードコントロールも非常に滑らかだった。カナダのウィスラー・ブラッコムをベースに開発されているという背景を知れば、よりこのボードの特性を理解できるかもしれない。

OneHitter_Riding

FAMILY TREE ONE HITTER

FLIGHT ATTENDANT 156

FlightAttendant

広大なゲレンデやサイドカントリーで本領を発揮

自由度の高いソフトフレックスながらも、粘りのあるトーションの強さを感じた。これは、過去にも多くのボードに採用されてきたバランスフリーライド形状がもたらすフィーリングなのかもしれない。ポイントは、セットバックされたキャンバーとスタンスのセンター部に設けられたサイドカット。エッジングを抜いたフラットな状態でのライディング時にはフリースタイルフィールをもたらし、エッジに乗っているときは切れ味の鋭いターンをサポートするというものだ。特にフロントサイドターン時に、そのカービング性能の高さを感じることができた。また、長めのレングスだったこともあるだろうが、荒れたバーンでもバタつくことのない走破性を実現していた。高速時も含め、そのような安定性を誇りながらも、細かい動きにまで俊敏に反応してくれた印象が残っている。ディレクショナルキャンバーと太めのノーズにより、パウダーでの浮力も抜群。地形に富んだスケールの大きいゲレンデで乗ってみたいボードだ。

FLIGHT ATTENDANT

FAMILY TREE HOMETOWN HERO 152

HometownHero

BURTONの代名詞であるCUSTOMにライバル誕生

フリーライド志向が強いボードなのだが、第一印象ではフリースタイルに向いているように感じた。そのうえで、全体的にはソフトフレックスに感じながらもターン時の始動がスムースで、かつ、カービング性能も申し分ない。その理由は、ファイバーグラスの配置を調整することで、特にノーズとテールを硬めに設定しており、反対に両足間は柔軟なフレックスに設定されているからだろう。これらの効果により柔らかいのにレスポンスに優れ、ターン時のボードの返りが心地よく感じた。BURTON本社のあるアメリカ・バーモント州のゲレンデは、タイトなツリーランやスティープな斜面など、バラエティに富んでいるそうだ。こうしたホームマウンテンを滑るために開発されたボードだからか、いい意味でクセがまったくないボードに感じた。パウダーはもちろん、グルーミングバーンでカービングターンを刻みながら、ヒットポイントにも当て込みたい。フリースタイラーが求める数々のニーズに応えてくれる、究極のマシンである。

HometownHero_Riding

FAMILY TREE HOMETOWN HERO

DEEP THINKER 154

DeepThinker

3年連続で乗りたいと思わせる乗り味とグラフィック

2シーズン乗り続けているという前置きを挟んだうえで、第一印象は軽くなったと感じた。FREE THINKERがある分、フリーライド向きというイメージが強いかもしれないが、見た目以上にフリースタイルなアクションを得意とするボードである。カーボンハイライト45°を採用していることで、軽量化だけでなく素晴らしいレスポンス力を提供してくれるからだ。7mmと比較的小さめのテイパーがフリースタイルフィールを演出しながらも、ディレクショナルキャンバーとの相乗効果によりパウダーでは十分な浮力を発揮する。そうした浮遊感も重視したうえで、パークから自然地形までフリースタイルにも遊びたいという、やんちゃな大人のためのボードと言って語弊はないだろう。それでいてカービング性能も抜群。次に紹介するFREE THINKERと重複してしまうが、やはりキース・ヘリングのアートを載せたボードであるということは、金額以上に価値のあるものに感じてしまうのは筆者だけではないはずだ。2020年は没後30年という節目の年となるので注目したい。

DEEP THINKER


FOR FREESTYLE

FOR FREESTYLE

FREE THINKER 154

FreeThinker

攻略できた者だけに究極のフリースタイルフィールを提供

とにかく動く。そんな印象が強く残っている。CUSTOM TWINのようなポップな反発力というよりも粘り気のあるフレックスを有し、個人的な感想としては、パークよりもフリーライディング時にナチュラルヒットに当て込みながら滑るタイプのスノーボーダーに適していると感じた。その理由をひも解いていくと、60°の角度でファイバーグラスを配列することで操作性と自由度を向上させているため、冒頭で述べたようなフリースタイルフィールを強く感じたのだが、その反面、ある程度の滑走力がないとターン時に不安定さを感じるかもしれない。もちろん、ダニー・デイビスはこのボードにまたがりスーパーパイプでハイエアを繰り出しているわけだが、そのためにはボードに頼るのではなく操れるだけのライディングスキルが必要ということ。その分、扱えたときの見返りは大きいだろう。また、1980年代のアメリカ美術を代表するアーティスト、キース・ヘリングのアートをグラフィックに採用している点も見逃せない。

FreeThinker_Riding

FREE THINKER

CUSTOM 154

Custom

間違いない8本のなかでもさらに間違いない逸品

雪面に喰いついて離さないようなどっしり感がありながらも、細かいアクションにも対応。意のままに操れる、そんな表現が適しているのかもしれない。なぜそう感じたのか探ってみると、コアに採用されているデュアルゾーン™EGD™は、ノーズからテールにかけて縦方向に走っている木目に対してトウ&ヒールエッジ沿いだけ垂直になるよう横方向に走らせていることから、正確なエッジグリップを実現している。だから、どっしりとした安定感を得られたのだろう。また、SQUEEZEBOXと呼ばれるコアプロファイルはパワフルさを与える厚い部分とフレキシブルさを演出する薄い部分とをバランスよくテレコに配していることにより、ポップ感と全体的なパフォーマンスを向上させている。こうした効果により、意のままに操れる感覚を得ることができたのだ。1996年から継続されているロングセラーモデルであることからも信頼度はかなり高い。これ一本あればすべてのフィールドで楽しめる、裏切らないボードだ。

CUSTOM

CUSTOM TWIN 154

CustomTwin

パークライディングからゲレンデクルージングまで

CUSTOMという名を冠しているだけあり、ツインチップだからフリースタイル向きだろうという浅はかな固定観念を吹き飛ばすほどターンの性能が高かった。それでいて、高速安定性にも優れている。このボードに搭乗しているライダーたちの滑りが証明しているように、ビッグキッカーでのアプローチやスーパーパイプでも安心して突っ込めるのだろう。CUSTOMでも感じたどっしりとしたフィーリングはそのままに、センタースタンスでツインチップなわけだから、ジブやスピン、バターなど、よりフリースタイルな動きに適していることは間違いない。また、CUSTOMとの大きな違いとして、OFF-AXIS SQUEEZEBOXがコア材に設定されている。厚い部分と薄い部分を互い違いに配している点はSQUEEZEBOXと同じなのだが、ダックスタンスを前提として厚い部分のコアを15°ズラして配置しているのが特徴。少し短めでもいいような気がするので、僕の体型だと150cmにも乗ってみたかった。

CustomTwin_Riding

CUSTOM TWIN

SKELETON KEY 152

SkeltonKey

乗り手を選ぶが万能なオールラウンドボード

ウエスト幅がやや太めなのでターンのテンポが遅れるかと思いきや、絶妙なフレックスバランスのおかげか、そのように感じることはまったくなかった。ノーズ側にロッカー形状が採用されているディレクショナルキャンバーのため雪面からの返りが気持ちよくて、よりそう感じたのかもしれない。フレックスは柔らかめに設定されているので、グラウンドトリックなどバター系の動きはもちろん、あらゆるアクションがとてもやりやすかった。しかし、取り扱いやすい分、滑走スキルによっては急斜面でのボードコントロールが難しく感じる可能性も。加えて、ウエスト幅のわりには高速時にボードがややバタつく印象が残っている。ただし、ボードコントロールに長けた中上級者であれば、あらゆる地形にアジャストすることができる、オールラウンドな万能ボードと言えるだろう。フリースタイルにフリーライドしたい、そんなスノーボーダーにオススメしたい一本。

SKELETON KEY

photos: Akira Onozuka

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