FEATURE
相澤亮らライダーとファンとブランドがひとつになった「OAKLEY COMMUNITY DAYS」
2024.03.15
ゲストライダーには相澤亮、そして、フリースタイルスキーヤーの川村あんりを招聘。この2日間、弊ウェブマガジンは本イベントに密着した。ストリートを中心に活動している亮はライディングだけでなくそのキャラクターもクールなことで知られているが、八方尾根には笑顔あふれる彼の姿があった。
白馬を代表するビッグマウンテンで存在感を放つOAKLEY
「楽しかったですね。普段はフィルマーと一緒に(ライディングの)限界を突破することだけが自分のスノーボードだったので、この2日間で新しい感覚を得ることができました」
北海道での撮影中に足首を痛めてしまい、まだ完全復帰できていない状態での参加となった亮の言葉だ。これまでも、いわゆる“滑ろう会”のようなイベントは経験してきたものの、ここまでファンとの距離を縮めて行われたイベントは初めてだったそう。亮がこのように振り返った、OAKLEY COMMUNITY DAYSの初日は、爆風の中で始まった。
今シーズンより、標高1,400mに位置する八方尾根うさぎ平のテラスラウンジをOAKLEYがジャック。ゴンドラ山頂駅から徒歩30秒の場所に「OAKLEY TERRACE」として大きな存在感を放っている。ゴンドラリフトに乗車しているとOAKLEY TERRACEが見えてくるのだが、象徴的な楕円のエリプスロゴが目に飛び込んでくる。北アルプスの雪景色が一望できる天空のラウンジエリアは、それ故に、風の影響をモロに受けてしまう。本来、こちらがイベント会場として機能するはずだったのだが、会場をゴンドラ山頂駅に隣接するうさぎ平テラスに移しての開催となった。
亮以外にも、オリンピアンでありX GAMESメダリストの松本遥奈、そして、奈良県に出自を持つ白馬ローカルの柿本優空も参加。その優空いわく、「八方でここまで強風が吹くのは稀ですね」とのことだった。10時半から予定されていた亮&あんりらライダーたちとセッションできる「RIDE WITH THE PROS」の初日は、悪天候も影響してたった1本で強制終了。OAKLEY TERRACEにて参加賞のゴーグルカバーがファンたちに手渡されていたのだが、コミュニケーションを図ることが困難なほど風はどんどん強まっていた。
その後予定されていた、誰でも参加可能なライドイベント「COMMUNITY RUN」が中止になってしまったのもうなずける。なんと、八方尾根のほとんどのリフトが運行を停止してしまったのだ。ゴンドラリフトも運休となっため、ゲレンデの麓からは誰もイベント会場にたどり着くことができない状態に。
そうした暴風もなんのその、DJブースからは軽快なサウンドが響き渡り、雪玉で9枚の的を狙うスノーボール・ストラックアウトは、元プロ野球選手の杉谷拳士氏とともに行われていた。イベント中、杉谷氏は遥奈から直々にスノーボードの手ほどきを受けることになった。プロスノーボーダーと元プロ野球選手とのセッションが実現するのも、OAKLEYならではの光景だ。杉谷氏のSNSを見ればわかるのだが、強風に負けることなく、雪山デビューを本イベントとともに心の底から楽しんでいた様子が伝わってくる。
“OAKLEY愛”が深まった2日間
初日よりも強風&豪雪予報が出ていたため心配していたのだが、2日目は朝から穏やかな天候だった。空が真っ青に抜けることはなかったものの、視界良好で雪質は上々。ゴンドラ山頂駅もにぎわいをみせており、ゴーグル&ヘルメットのトライアルコーナーも朝から活況を呈していた。僕たち撮影クルーもしっかりとロケハンを済ませた状態で、10時半からのRIDE WITH THE PROSのスタートを待っていた。
「気軽に話しかけてください。みんなで一緒に楽しみましょう」と、亮が挨拶の結びで語りかけて始まったRIDE WITH THE PROS。マウンテンバイクと山岳スキーのレーサーである、白馬出身の平林安里も参加した。亮の言葉が功を奏したのか、終始なごやかな雰囲気でセッションが行われていたように感じた。八方尾根が誇る標高差800m、全長3,000mの「リーゼンスラロームコース」でのセッションは、滑りごたえ十分。序盤は亮とあんりを先頭にコミュニティが一丸となり、3月とは思えない上質なドライスノーを楽しんだ。
「レッスンで一般の方と滑ることはありますが、こうやってみなさんと自由に滑る機会は今までありませんでした。普段はスノーボードの方と滑ることもないので、いろいろとお話させてもらいながらセッションできたのは、とてもいい経験になりましたね。OAKLEYを使ってくださっているみなさんと一緒に過ごせて、すごく楽しかったです」
あんりはこのようにイベントを振り返ってくれた。亮も「僕がスノーボードで、あんりちゃんはプロスキーヤー、あと、元プロ野球選手がいたりと、これこそがOAKLEYの魅力ですよね。(同じ時間を共有できて)楽しかったし、やはりみんなプロだなと感じました」と語っているように、ファンはもちろんのこと、アスリートらとの限られたオンスノーでのコミュニケーションも大切にしていた。
RIDE WITH THE PROSの最後は、OAKLEY TERRACEに流れ込んで終了。ビブの返却や参加賞が手渡されるなか、参加者たちは亮やあんりと言葉を交わしながら記念撮影するなど、まさにコミュニティが醸成され始めている瞬間だった。
天候はもっていたので、前日に中止となってしまったCOMMUNITY RUNも実施できそう。当初はライダーたちの参加は予定されていなかったのだが、前日のキャンセルも踏まえて急遽ジョインすることに。13時半スタートということで少しだけ時間が空いていたので、ローカルの優空とシューティングを敢行することに。サイドヒットが楽しめるためスノーボーダーに人気のパノラマ林道コース、通称“パノリン”でわずかな時間だったが遊びまくった。
そして、前日のリベンジも兼ねて行われた誰でも参加可能なCOMMUNITY RUNには、一般参加者だけでなく、OAKLEYスタッフも加わりスタート。「これまでチームマネージャー以外のOAKLEYスタッフとは、ほとんど関わることがありませんでした。でも、それ以外の人たちとつながれてすごくよかったですね。OAKLEY愛が深まりました(笑)」と亮は語る。ゴーグルやフェイスマスクに覆われていても、参加者やスタッフたちの喜びが全身からにじみ出ているように感じられた。
こうして幕を下ろしたOAKLEY COMMUNITY DAYS。2日間を通して、本記事では紹介しきれないほどの写真や動画を撮影したので、@OAKLEYJAPANのInstagramをチェックしてほしい。本イベントは来シーズン以降も継続される予定だ。次回はぜひ、RIDE WITH THE PROSにご参加いただきたい。そして、OAKLEYをハブとしてスノーボードやスキー、性別やレベル差などすべての垣根を越えて、ウィンタースポーツを愛する者同士のコミュニティを構築しようではないか。
text: Daisuke Nogami(Chief Editor)
photos: ZIZO=KAZU, Yuto Nishimura(HANGOUT COMPANY)