BACKSIDE (バックサイド)

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バックカントリーフリースタイル頂上決戦「NATURAL SELECTION」で五輪金のゾーイが優勝

2022.03.18

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地球最強スノーボーダー決定戦と弊サイトでは謳っているが、語弊はないはずだ。バックカントリーに点在するナチュラルヒットでトリックを仕掛けやすいようにあえて手を加えた、バックカントリースロープスタイル大会「NATURAL SELECTION」。この大会の前身にあたる、2012年に開催された「SUPERNATURAL」、2013年開催の「ULTRA NATURAL」の舞台である、カナダ・ブリティッシュコロンビア州ボールドフェイスのスケアリーシェリーと呼ばれるスティープな斜面で第2戦が行われた。
選りすぐられた男子9名、女子5名の錚々たるライダーが顔を揃え、ひとり2本のランを行いベストポイントで争われる予選から始まった。男子は上位4名がセミファイナルに進出、女子は上位2名がファイナルに進出し、ここからはひとり2本のランのベストポイントが採用される恒例のノックダウン方式で行われる。
男子はベン・ファーガソン(アメリカ)、ダスティン・クレイブン(カナダ)、トラビス・ライス(アメリカ)、ミッケル・バング(ノルウェー)の順でセミファイナル進出を果たした。40°以上ある斜面にパウダースノーが敷き詰められ、巨大なナチュラルドロップやウッドドロップ、キッカーなどが80ほど用意された舞台は、予選で14名のライダーが2本滑っているので荒れた状態。ボコボコのパウダーエリアが滑りづらいことは読者諸兄姉であれば十二分に理解できるだろうが、そうした急斜面でのフリーライディング×トリックの戦いが繰り広げられた。

男子優勝は、セミファイナルで今大会の発起人であるトラビスを破り、決勝ではセミファイナルで巨大なBS540などをスタイリッシュに決めるなど素晴らしい滑りを披露していたミッケルに勝利したダスティン。全体の印象としてはミッケルに分がある内容だったが、ファイナル2本目のランでFS720ノーズを完璧に決めるも、フロントサイド側に位置するナチュラルヒットにアプローチしている際にノーズをとられてしまい転倒。バックカントリーフリースタイルの難しさを垣間見た瞬間だった。1本目ではミッケルがリードしていたものの、ダスティンはCAB540やノーグラブながら超巨大エアをルーティンに組み込んだランを完走して逆転勝利。初優勝を飾った。
女子は予選1位のゾーイ・サドウスキー・シノット(ニュージーランド)、同2位のエレナ・ハイト(アメリカ)がファイナルで相対することに。北京五輪スロープスタイルで金、同ビッグエアで銀メダルを獲得したゾーイは、バックカントリーでも強かった。荒れたパウダーバーンでも安定したボードコントロール力を発揮し、バックフリップやステイルフィシュなどのトリックを美しく放って完璧に成功。昨シーズンの初戦に行われたジャクソンホール戦に続いて2勝目となった。
続く3戦目はアラスカで行われ、ツアー総合チャンピオンが決定する。1位は1ポイント、2位は2ポイント、3位は3ポイントで換算し、3戦の合算がもっとも低いスコアを出したライダーがツアー王者に輝く大会フォーマットだ。仮に同ポイントになった場合は、最終決戦となるアラスカ戦での上位ライダーに栄冠が贈られる。
ツアー最終戦の詳細については近日中に発表される予定だ。

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