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北京五輪の裏で16歳荻原がBSクワッド1980、12歳井口がCABトリプル1440に成功
2022.02.21
北京五輪ビッグエアでは村瀬心椛が銅メダルを獲得し、岩渕麗楽が繰り出した世界初の大技に世界中がどよめいた。いっぽう男子は國武大晃が惜しくもメダルを逃すも4位と大健闘、大塚健がファイナルでの最高得点を叩き出すなど、日本人の活躍が目立った大会だった。
ちょうどオリンピックの日程と重なるようにして日本では、4年後のミラノ・コルティナ五輪に向けて若手ライダーたちがジャンプに明け暮れていた。北京五輪日本代表の鬼塚雅の要望により福島・アルツ磐梯に造成された、通称「Miyabi Park」が舞台だ。
新型コロナウイルス感染拡大の影響などにより当の本人は参加できなかったが、北京五輪ビッグエア開幕直前に、今季からワールドカップを転戦し始めた16歳の荻原大翔がBSクワッドコーク1980をメロングラブで成功させたのだ。ジャンプ台の大きさや条件は異なるものの、北京五輪ビッグエアで1980は飛び出さなかった。今年1月に米コロラド州アスペンで行われたX GAMESでレネ・リンネカンガス(フィンランド)がBS1980メロンを決めて大きな話題を集めただけに、荻原が1980に成功した価値を理解できるはずだ。
さらに同地では、12歳の井口和友がCABトリプルコーク1440にウェドル(スイッチインディ)グラブを加えながらメイク。先に述べた北京五輪ビッグエア決勝での大塚のベストポイントはCABトリプルコーク1800だった。井口が決めたトリックの延長線上に世界最高峰の大技があるわけだ。公式記録は存在しないが、2013年に当時13歳のマーカス・クリーブランド(ノルウェー)がBSトリプルコーク1440に初成功して大きな話題を呼んだだけに、12歳でスイッチのフロントサイド方向へトリプルコーク1440を決めたことは大偉業である。
日本ビッグエア界の未来は明るい。