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ショーン・ホワイトがハーフパイプ人生に別れを告げる。感謝の意をSNSで表明
2022.02.20
北京五輪を最後に競技からの引退を表明していたショーン・ホワイトが、自身のSNSを通じてコメントを発表した。これまでのスノーボード人生を支えてくれたすべての人々へ、感謝の意を表している。以下に全文の翻訳を記すので、ご一読いただきたい。
「最後となるオリンピックのハーフパイプを滑り下りました。
この文章を書いていると、先週の金曜日に感じたときと同じような感覚を覚えます。喜びで涙があふれます。ジェットコースターのような感情で、感謝の気持ちでいっぱいです。人生におけるこの章を閉じることで、僕はプロスノーボーダーとして歩んできたこの22年間を感謝の気持ちで振り返ることになりました。
まず、長年に渡り僕をサポートしてくれたジェイク・バートンとカーペンター一家のみなさんに感謝の意を表したい。ジェイクはこのスポーツに革命を起こしてくれました。彼は7歳だった僕に最初のスノーボードと最初のスポンサーシップを与えてくれました……。北京オリンピックのハーフパイプの下に彼がいてくれればよかったのにと思います。友よ、とても寂しい。ありがとうございました。
チームのみんなに感謝します。コーチのJJトーマス、理学療法士のエスター・リー、ボードテクニシャンのケニー・クナート、トレーナーのジェイソン・ウォルシュ、以外にもたくさんの人たちに対してです。あなたたち一人ひとりのおかげで、僕は成し遂げることができました。長い時間をかけて精神的や肉体的な準備を整えてサポートしてくれたからこそ、今の僕があるのだと思います。35歳になってもオリンピックに出場できた。長年に渡って素晴らしい才能を持った人たちに支えられて、僕は本当に幸運でした。
母のキャシーと父のロジャー、姉のカーリ、そして兄のジェシーに感謝します。僕たちはみんな、このスポーツに対する愛を共有しながら、数え切れないほどの貴重な思い出を得ることができました。それらのことは一生の宝です。5人でバンに乗り込んで朝早くから山に向かったこと、ゲレンデでいつも切磋琢磨していたこと。家族の指導や忍耐、愛(とくだらない話)こそが、僕が僕である理由であり、僕の今がある理由なのです。僕はあなたたちを愛しています。
トニー・ホーク、ありがとう。幼い頃から僕のお手本であり、それから何年も経ってからあなたを親友と呼べるようになったことに、本当に感謝しています。あなたが僕の人生にどれだけ素晴らしい影響を与えてくれたかについてはわからないでしょう。トニーは僕に道を示してくれたんだ……(8歳の赤毛の子供を連れ回すなんて、当時はまだクールではない時代でした)
ハーフパイプカッター、パークビルダー、イベント主催者、ビデオグラファー、フォトグラファー、ボードチューナー、リフト乗り場のスタッフ、チェックインカウンターのスタッフのみなさん、ありがとうございました。このスポーツができる環境を支えてくれているすべての人々に感謝します。
長年に渡って存在してくれたライバルのみんなに感謝します。彼らはこのスポーツを革新するために挑戦し、僕を押し上げてくれました。限界に挑戦するように僕のことをプッシュしてくれ、だからこそより強くなれました。
そしてもちろん、僕のことを応援してくれたファンのみなさんにも感謝の気持ちを伝えたい。僕はみなさんの情熱をサポートを感じてきました。そのエネルギーこそが僕の燃料でした。
スノーボードは僕にとっての初恋でした。新しい恋愛と同じように夢中になれるもの。スノーボードは興奮を与えてくれ、無敵だと感じさせてくれ、僕の人生を冒険で満たしてくれました。スノーボードが僕に目的を与えてくれ、クリエイティブでいることができました。僕はいつも情熱的でハードな競技者でした。プロとしてライディングできなくなるのはもちろん寂しいですが、山を駆け下りる姿を見るのがこれが最後になるわけではありません。
この扉を締めることで、次の扉が開きます。スノーボードへの愛と情熱を新会社である「WHITESPACE」に注ぎ込むことができる。これほどうれしいことはありません。僕のすべての時間とエネルギーは、次世代の有望な若い才能のために、可能なかぎり最高品質のプロダクトを作ることに集中するつもりです。僕は聖火を渡すことになりますが、それがこれからどこまで高く舞い上がるのか、楽しみでなりません。
この20年間、勝ち負けや浮き沈み、血と汗と涙、そして、その間にあるすべてのものが、今の僕を作ってくれました。そう思うと、とても誇らしく感じます。この美しい旅に、身の引き締まる思いと感謝の気持ちでいっぱいです。光栄なことであり、特権でもありました。これは僕の人生の旅でした。“引退”という言葉は終わりのように聞こえますが、僕にとっては始まりにすぎません。
未来は明るい……」
ここには記されていないが平野歩夢という存在があってこそ、ショーンはハーフパイプの舞台から心置きなく身を引くことができた。これまで20年近くに渡り王者としてコンペティションシーンを牽引してきたショーンが握り続けてきたバトンを、歩夢に手渡すことができたのだから──。
ショーンのこれまでの競技人生に心から喝采を贈りたい。
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