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創造性と文化との融合。北京五輪スロープスタイルのコース全貌が明らかに
2022.01.28
2月4日(金)、いよいよ北京五輪が開幕する。翌5日(土)にはスノーボード競技の先陣を切って女子スロープスタイルの予選が始まるわけだが、ついにコースの全貌が明らかになった。
平昌五輪スロープスタイルのコースを造成したドイツのSchneestern GmbH & Coクルーが今回も手掛けている。ジャンプとジブセクションを交互に配置して難易度を上げることも予想できたが、前半に3つのジブセクション、後半に3つのジャンプセクションが連なるスタンダードなタイプだ。
最大の特徴としては、偏西風の影響を受けてしまうコース上部において強い西風からライダーたちを守るため、城壁の遺跡である万里の長城を模した壁がライダーズレフトに設置されていること。さらに風の影響を少しでも軽減させるべく、ライダーズライト側へいくほどアイテムの位置が低くなる。
セクション1にはライダーズレフトから順に、レインボー・トゥ・ダウンレール、タンク、フラットレール、ダウン・フラット・ダウンレール、トランスファー・メールボックスの5アイテムが並ぶ。
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ロシアで開催されたソチ五輪ではマトリョーシカがアイテムとして設置されたように、開催国の文化と融合させることがオリンピックの特徴だ。セクション2には万里の長城のなかでも有名な八達嶺長城のレプリカが用意されている。屋根はスライド可能。トランジションもあり、セクション2の攻略方法がコンテストの明暗を分けるかもしれない。
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3つ目のジブセクションは、キャノンレール、フラットレール、ローラーのいずれかを利用してエアが楽しめる。後半のジャンプセクションに向けて創造性を発揮しながら、加速させたいポイントだ。
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そして、セクション4からは3連ジャンプが続く。現在、鋭意造成中だが、まずは平昌五輪でもお目にかかったウイングキッカーが待ち構える。傾いたキックはラインどりが決められているため順方向(イージーウェイ)には回しやすいが、高得点を狙うのであればラインどりに逆らった回転方向(ハードウェイ)へのスピンを繰り出したい。19mのテーブルトップを越えてセクション5につなげるためにもスイートスポットに着地して、いかに減速させないかが鍵を握る。
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セクション5の使い方も勝敗の行方を左右しそうだ。ローラーからナックル、トランスファーキッカー、クォーターパイプがすべて同じランディングに向かって設計されている。キッカーの高さは5m、ローラーのトップは9mの高さとなっており、キックからランディングにかけては21m。コース設計者の想像を超えるトリックが飛び出すことを期待したい。
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ラストを飾るセクションは、もっともシンプルなストレートジャンプだ。ここまでミスなくスピードを維持させることができたライダーたちは、ビッグエアのように高難度かつ高回転スピンを操ることだろう。
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Schneestern GmbH & Coのヘッドシェイパーを務めているジャニス・ヤンソンス氏は、「チームを代表して、2022年北京大会のスロープスタイルコースと雪質が最高品質であり、アスリートが楽しむこととパフォーマンスに集中できるものであることを保証します」と力強く語っている。
スロープスタイルが初めて採用された2014年のソチ五輪では、公式練習中にメダル候補だったトースタイン・ホーグモがケガをしてしまい欠場。ショーン・ホワイトが棄権するなど、コース設計に対して懐疑的な見方があった。
平昌五輪から現在のディガークルーが手掛けるようになり、各アイテムはもちろん、コース全体のクオリティは高まっている。北京五輪の大舞台で、ライダーたちが最高のパフォーマンスを発揮できることを期待したい。
images: FIS SNOWBOARDING