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X GAMESでヤマトナデシコが躍動。パイプ冨田優勝、松本3位、ビッグエア鬼塚3位
2022.01.23
米コロラド州アスペンで開催されているX GAMESは2日目を迎え、女子ビッグエア&スーパーパイプが行われた。先に行われたビッグエアでは日本人2名が参戦しており、鬼塚雅が3位と表彰台を射止めた。村瀬心椛は惜しくも4位という結果に。
20分のジャムセッションは結果的にひとり5本のランが許された。鬼塚は1本目からFS1080ウェドルをしっかりと決めて順調な滑り出し。2本目にCABダブルアンダーフリップ900ウェドルをはさんで3本目、昨シーズン女性ライダーとして初めて成功させたCABダブルコーク1260に挑むも着地に嫌われた。
そして4本目、スタート前に左手を胸にそえながら天を仰ぎ、いざドロップイン。3本目でのミスをしっかりと調整し、CABダブルコーク1260インディを見事成功。3位に躍り出た。5本目は表彰台を確実にしていたが、1本目に決めたFS1080ウェドルに再度トライしてポイントを塗り替えるなど、随所に試合巧者であることが感じられる戦いだった。
心椛は1、2本目にFS1080の着地が合わずに苦戦を強いられ、3本目になんとか決めるもメロングラブが少し甘かった。4、5本目にはBS1260を成功させたが、こちらもグラブを上手くすることができずにポイントを伸ばせずフィニッシュ。
優勝はスロープスタイルに引き続き、ゾーイ・サドウスキー(ニュージーランド)が飾った。1本目にFSダブルコーク1080メロン、3本目にBSダブルコーク1260ウェドルを完璧に決め、3ラン目を終えた時点ですべてを出し切ったということで、4、5本目はスイッチBS180インディやFS360インディとクールな滑りを表現していた。
2位にはジェイミー・アンダーソン(アメリカ)。ラストジャンプで逆転を狙いCABダブルコーク1260インディを繰り出すも転倒。この瞬間にゾーイの2冠が決定した。
スーパーパイプでは冨田せなが圧勝。クロエ・キム(アメリカ)やツァイ・シュートン(中国)は出場していなかったものの、北京五輪でのメダル獲得を期待させる内容だった。
25分間のジャムセッションでひとり4本のランを行い、せなは1本目に激しく転倒してしまったものの大事には至らず、2本目以降はトップを死守。3本目にはアグレッシブなランを披露し、FS900→BS540→FS720→CAB720→FS1080という高難度なルーティンを平均的に高さのあるエアで決めてきた。特筆すべきはFS1080の完成度が一段と上がっていること。テールの先端までしっかりと使い切った素晴らしいテイクオフから繰り出される1080は申し分ない高さで宙を舞い、テールグラブをしっかり入れながら着地もクリーン。2位に入ったケラルト・カステリェト(スペイン)はせなの直後に出走という順だったのだが、4本目のランはポイントを伸ばすことを諦めて高さで魅せる演技に変更。それほどまで、せなのランが圧倒的だったということを示した瞬間だった。
3本目までFS1080を決めることができずに最下位だった松本遥奈が、4本目で魅せた。1ヒット目のグラブは毎回変えており、4本目はFSメロンから入ると、BS540→FS1080→CAB720→FS540→BSメロン→FS900とほかのライダーと比べると1〜2ヒット多く組み込んだルーティンを披露し、一気に3位にジャンプアップ。ヒット数が多いということは、山側に切れ上がるようにしてリップラインに対し垂直に近い縦方向へのラインどりになるため、絶妙なエッジコントロールなどハーフパイプ内での高い滑走技術が求められる。失速させることなくラストのFS900につなげたライディング技術は高い。北京五輪代表の座は惜しくも逃してしまったが、遥奈のライディングは多くのオーディエンスの脳裏に焼きついたことだろう。
今井胡桃はFS1080を成功させるもポイントを伸ばすことができずに4位に。FSダブルコーク1080やダブルクリップラーにこだわったマディ・マストロ(アメリカ)は表彰台に届かなかった。
女子ビッグエア結果
1位 ゾーイ・サドウスキー・シノット(ニュージーランド)
2位 ジェイミー・アンダーソン(アメリカ)
3位 鬼塚 雅(日本)
4位 村瀬心椛(日本)
5位 ローリー・ブルーイン(カナダ)
女子スーパーパイプ結果
1位 冨田せな(日本)
2位 ケラルト・カステリェト(スペイン)
3位 松本遥奈(日本)
4位 今井胡桃(日本)
5位 マディ・マストロ(アメリカ)
6位 サマー・フェントン(アメリカ)
7位 エリザベス・ホスキング(カナダ)