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伝統の一戦「US OPEN」改め「BURTON MYSTERY SERIES」ってナンダ?
2021.10.13
10月13日深夜未明、米バーモント州バーリントンに位置するBURTON本社から一通のプレスリリースがメールで届き、その中身に驚かされた。昨シーズンはコロナ禍ということでキャンセルを余儀なくされた1982年から続く伝統の一戦「BURTON US OPEN」に代わり、これまでのスノーボードイベントとは一線を画する「BURTON MYSTERY SERIES」のローンチが“新しい未来の幕開け”という言葉とともに発表されたのだ。
今年8月、マーク・マクモリス、ダニー・デイビス、ケリー・クラーク、ゼブ・パウエル、ベン・ファーガソン、ブロック・クラウチ、レッド・ジェラード、キミー・ファサニら、現役コンペティターからコンテストシーンの一線からは退き撮影活動に注力するライダーなど、あらゆるスタンスで活動しているチームライダーたちにMYSTERY SERIESのコンセプトを提示し、彼らからのフィードバックを集めた。
「より多くの人々にスノーボードを楽しんでもらうことを目的とした、まったく新しいアプローチのスノーボードイベントに挑戦することに対して、全体としては前向きなエネルギーを感じることができました。MYSTERY SERIESの詳細についてはまだ完全に決定していませんが、それは100%意図されたものになります」
BURTONが描くビジョンとしては、このシリーズ戦をあらゆるレベルのライダーから喜ばれるグローバルシリーズに育て上げることだ。将来的には世界的なグラスルーツイベントの要素を取り入れ、ライダーをフィーチャーした世界最高峰のイベントにすることを目標として掲げている。これまでアメリカで開催されてきたUS OPENとは異なり、あらゆる国で開催され多くの国のライダーたちが参加できるようになることが理想だとしている。
「本シリーズの詳細については今冬の後半をお楽しみに」とプレスリリースが結ばれているので、すでに今シーズンの開催は決定しているということなのだろうか。トリックの難易度は年々上がり続け、スノーボードが持つ本来の魅力である個性やスタイルをコンテストに踏襲することが難しくなっている昨今。2020年に開催されたUS OPENのハーフパイプはミニパイプが追加されたモディファイド(改造)型で行われ、ハンドプラントやエア・トゥ・フェイキーなどのシンプルなトリックを促すコンテスト方式を採用していた。
来年2月に開催される北京五輪ではハーフパイプでのトリプルコークや、ビッグエアで1980以上の高回転スピンがお目見えするかもしれない。しかし、その直後にはスノーボードに対する同じ想いを抱いたライダーたちが一堂に会し、創造性や自己表現、そして何よりも楽しさを重視した新たなるイベントが誕生するのかもしれない。