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もはや敵なし。戸塚優斗が強すぎる。FIS世界選手権ハーフパイプで圧勝の金メダル
2021.03.14
スノーボード以外の競技も含め、現時点でここまで日本人アスリートが秀でいている種目はないのではないか。それほどまでに強い。
米コロラド州アスペンで開催されている2年に一度の大舞台、FIS世界選手権のハーフパイプで戸塚優斗が圧勝。昨年3月のBURTON US OPEN、今年1月のLAAX OPENとX GAMES、そして今大会と世界最高峰の4大大会で4連勝を飾った。
ひとり3本のランで争われ、戸塚は1本目こそ超大技のCABダブルコーク1260の着地でミスするも、2本目でFSダブルコーク1440→CABダブルコーク1260→スイッチBSダブルコーク1080→BS900→FSダブルコーク1260というルーティンを高さあるエアで完璧にまとめ93ポイントを獲得。昨シーズンまで絶対王者として君臨していたスコッティ・ジェームス(オーストラリア)の1本目のポイントを塗り替えてトップに。結果論として、以降このポイントを上回る者は現れなかった。
戸塚は3本目、自身のルーティンをさらにブラッシュアップし、4ヒット目のBS900をBSダブルコーク1260に変更。しかも、常人であればリップに引っかかって転倒してしまうほど完璧すぎるリップ・トゥ・リップで着地し、次のヒットで繰り出したFSダブルコーク1260は超高難度ルーティンを組んだうえでのラストヒットとは思えないほどの高さで宙を舞った。
96.25ポイントを叩き出し、スノーボードのパイオニアでありBURTON創始者、故ジェイク・バートンを偲ぶ「A DAY FOR JAKE」当日だったことから、ブランドの垣根を越えてジェイクのステッカーをカメラにかざした。
FISの動画がブロックされている(※現在は解除)ためYouTubeサイトに飛ばないと観れないのだが、戸塚の優勝ランは絶対にお見逃しなく。
まだ19歳の戸塚だけに、さらなる伸びしろがあるわけだ。しかも、今シーズンはバックカントリーでのフィルミングにもチャレンジしたうえでの結果だということを付け加えておこう。
もうひとりの日本人ファイナリスト、片山來夢は1本目ではBSダブルコーク1260で、2本目はFSダブルコーク1260で転倒。あとがなくなった3本目は攻めに転じ、ファーストヒットのFS1080からこれまで繰り出していなかったCABダブルコーク1440をメイク。FS900とつなぎ、4ヒット目のBSダブルコーク1260で回転が若干足りずに激しくクラッシュ。なんとか自力で這い上がって滑り下りたのでほっと胸をなでおろしたが、7mほどの高さのあるハーフパイプから3〜4回転しながら、戸塚や片山といったエアの高さが武器のライダーたちは5m前後のエアを生み出すわけだ。そうした状況で踏み切りのタイミングが0コンマ何秒かズレてしまえば、硫安で固められた雪とは思えないほどの硬さのボトムに10m近く落下して叩きつけられてしまう。いつ大ケガを負ってしまってもおかしくない、ハイリスクの中で戦っているということを改めて知らしめられた。ライダーたちに敬意を表したい。
女子は女王クロエ・キム(アメリカ)が金メダル獲得。日本勢は見事全員がファイナルにコマを進めていたので、ファイナリスト8名中4名が日の丸を背負って滑ったものの、表彰台には一歩届かず。冨田せなが4位、松本遥奈が5位、小野光希が6位、今井胡桃が8位で幕を下ろした。
男子結果
1位 戸塚優斗(日本)
2位 スコッティ・ジェームス(オーストラリア)
3位 ヤン・シェラー(スイス)
9位 片山來夢(日本)
12位 平野流佳(日本)
13位 平野海祝(日本)
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女子結果
1位 クロエ・キム(アメリカ)
2位 マディ・マストロ(アメリカ)
3位 ケラルト・カステリェト(スペイン)
4位 冨田せな(日本)
5位 松本遥奈(日本)
6位 小野光希(日本)
8位 今井胡桃(日本)
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