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戸塚優斗がW杯パイプで貫禄の圧勝。平野流佳3位。女子は小野光希2位 冨田せな3位
2021.01.24
昨年3月のBURTON US OPENに引き続き、戸塚優斗が常勝スコッティ・ジェームス(オーストラリア)を撃破。大逆転劇だった。
スイス・ラークスで開催されたLAAX OPEN。本大会の前身はBURTON EUROPEAN OPENであり、古くからプロスノーボーダーにとって登竜門とされる伝統の一戦だ。現在はW杯との併催となっており、今季開幕戦となったハーフパイプ大会において日本人ライダーが大活躍。戸塚を筆頭に、男子3位には平野流佳、女子は2位に小野光希、3位に冨田せなと、4名が表彰台に上ったのだ。
ひとり2本のランを行いベストポイントで争われた。まずは平野が魅せる。1本目からスイッチBSダブルコーク1080→BSダブルコーク1260→FSダブルコーク1080→CABダブルコーク1080→FSダブルコーク1260で88.25ポイントをマークし3位につけると、2本目はさらなる高ポイントを狙うも、2ヒット目のBSダブルコーク1260でミスしてしまい順位を上げることはできず。
平昌五輪以降、王者として君臨してきたスコッティは1本目、スイッチBSダブルコーク1260→CABダブルコーク1080→FS540→BSダブルコーク1260→FSダブルコーク1260というルーティンを、エア・完成度ともに高く決めて93.75ポイントで暫定トップに立った。2本目は同ルーティンを決めるも、2ヒット目のCABダブルコーク1080の着地が若干足りずに減点となり、この時点で2位につけていた戸塚の結果を待つことになった。
その戸塚は1本目から全開で超高難度なルーティンで勝負に挑むも、思っていた以上にポイントが伸びなかった。しかし、勝てる自信があったのだろう。同ルーティンで最後の大勝負に出ることに。
1本目よりも確実に攻めていて、その気迫がライディングスタイルに表れているように感じた。FSダブルコーク1440→CABダブルコーク1260→スイッチBSダブルコーク1080→BSダブルコーク1260を決め、ラストヒットのFSダブルコーク1260はハーフパイプのフィニッシュラインを越えて、最後にギリギリ残っているトランジションにパーフェクトストンプ。少しでもテイクオフのタイミングがずれていたらプラットホーム側に乗り上げてしまい大惨事になりかねないリスクを鑑みずに決めた大技により、会場は興奮の坩堝と化した。
北京五輪に向け、ハーフパイプの新王者として進化を続けている戸塚。オリンピックで3つの金メダルを獲得しているショーン・ホワイト(アメリカ)は今大会にエントリーしていたのだが、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、今月末に行われるX GAMESに集中するためキャンセル。直接対決はX GAMESに持ち越されたわけだが、今大会での勢いそのままに米コロラド州アスペンに乗り込み、事実上の頂点を極めてほしい。
女子はファイナルに駒を進めていた3名の日本人ライダー全員が1本目から安定した滑りを披露し、2本目の最終出走者を残した時点で1〜3位を独占していた。1位につけていた小野光希は、FS720→CAB720→FS540→BS540→FS900を決めて76.5ポイント。2位の冨田せなは、FS900→BS540→FS720→CAB720→FS540を成功させて75.75ポイント。3位だった松本遥奈は、FSクレイル→BS540→FS1080→CAB720→FS540→BSテールで54ポイントだった。
その最終出走ライダーとは、平昌五輪で金メダルを獲得した後、学業に専念するためにライダー活動を休止していた女王クロエ・キム(アメリカ)だ。1本目はFS1080で転倒してしまい後がなくなった2本目、メソッド→FS1080→CAB720→FS900→マックツイストを決め、2位に押しやった小野に10ポイント以上の差をつける89.75ポイントを記録。ブランクを一切感じさせない圧倒的な強さを魅せつける結果となった。
SNOW JAPANは有終の美を飾り、ハーフパイプ強国・ニッポンの実力を世界中に知らしめた。彼らに加えて、本大会では調子が上がらなかったがBURTON US OPEN表彰台の常連、片山來夢もいれば、今シーズンから雪上復帰を遂げた言わずと知れたオリンピック2大会連続銀メダリスト、平野歩夢もいる。
新型コロナウイルスが猛威をふるう中、今大会の開催に尽力した関係各位に敬意を表したい。北京五輪に向け、日本人ライダーたちのさらなる躍進が楽しみだ。
男子結果
1位 戸塚優斗(日本)
2位 スコッティ・ジェームス(オーストラリア)
3位 平野流佳(日本)
10位 片山來夢(日本)
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女子結果
1位 クロエ・キム(アメリカ)
2位 小野光希(日本)
3位 冨田せな(日本)
4位 松本遥奈(日本)
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