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世界最高峰のスノーリゾート会社CEOがWithコロナ時代の運営計画を公式発表
2020.08.28
アメリカ時間の8月27日、ベイルリゾートのロブ・カッツ最高経営責任者(CEO)はきたるウィンターシーズンの運営計画を発表した。ベイルリゾートといえばBURTON US OPENの開催地であるコロラド州ベイルを筆頭に、コンペティターたちが練習先として利用するほど充実したパークを完備する同州ブリッケンリッジやキーストーン、2002年ソルトレイクシティ五輪の舞台であるユタ州パークシティ、故ジェイク・バートンが愛したバーモント州ストウ、世界最大級を誇る巨大リゾートとして知られるカナダBC州ウィスラー・ブラッコム、南半球を代表するオーストラリアのペリッシャーなど、世界各地に点在する15の大型スノーリゾート、そして3つの都市型スノーリゾートを運営している。
こうした北半球を代表するスノーリゾートに適用されることになる運営計画は、我が日本の各ゲレンデの営業方針にも大きな影響を与えることだろう。ユーザー向けにリリースされたレターを要約したので、早速チェックしていきたい。
誰もがこうした運営計画に同意するわけではなく、人によっては新型コロナウイルスの感染対策に積極的になりすぎていると感じていることを承知のうえで、ユーザーの安全を守ることを最優先した内容になっている。
フェイスカバーについて
フェイスカバー(マスクなど)の着用を義務化。着用なしにリゾート内に立ち入ることができなくなる。そのうえで、リフトやゴンドラ乗車、リゾート内のすべての屋内外の公共スペースでは、フェイスカバーの着用が強く推奨される。スノーボードやスキーのレッスン中も同様。
リゾート内におけるソーシャルディスタンスについて
混雑を最小限に抑えるため、予約システムを導入することで入場制限が敷かれる。特定のリゾートでは導入しないケースもあると言及されているので、人気の有無が左右するのだろう。どのような日に訪れても安全で物理的な距離を感じられるスペースを確保して安心感を提供するためなのだが、事前に天候はもちろん、弊サイトの読者のように熱狂的なファンにとってはパウダーデイを予想することが求められるなど、コンディションを当てるハードルが高くなる。
リフトとゴンドラ乗車について
家族や友人など同じグループであればで同乗が可能。そうでない場合、4人乗りのリフトの両端に1人ずつ、6人乗りのリフトの両端に1人、または2人ずつ、大きなゴンドラキャビンであれば両サイドに2人ずつの乗車に限定される。海外ではフェイスカバーをするうえに物理的距離を保つ必要性に対して多くの質問がリゾート側に寄せられているようだが、これに関して日本ではさほど問題にならないだろう。
リゾート内のレストランについて
すべてのレストランをオープンさせると約束したうえで、エントランスで人の出入りを監視する旨を伝えている。公衆衛生の観点から人数管理を行い、着席型のレストランであれば席数を減らし、大規模なクイックサービス(ビュッフェ形式)をとっていたレストランはカフェテリアスタイルに変更して運営される。屋外の席を可能なかぎり多く設定し、混雑が予想されるランチタイムを避けるようにとのアナウンスも。クイックサービスのレストランではメニューが限定され、ほとんどの店でビールとワインは販売するが、山頂であろうが麓であろうともフルサービスのバーは営業しないとのこと。また、地域の規制がない限りすべての取引がキャッシュレスとなる。さらに、レストランを利用できる人が限られることから、飲食物の持ち込みを推奨するという異例のアナウンスも。
レンタルについて
アイテムの消毒を徹底するのは当然だが、今後はデリバリーサービスを拡充していくとのこと。レンタルショップ以外の場所で借りられる仕組みを構築していく予定だ。
スクールにおける健康管理について
全従業員には出勤前に健康管理のチェックが義務づけられる。そのうえで、参加者は事前に予約するとともにオンラインで自身の健康状態について申請する必要がある。グループ・プライベートレッスンともに最大6名まで受講可能。小規模の専門的なプログラムについては中止する予定となっている。
今後について
各リゾートはそれぞれの自治体や地域の各コミュニティとの緊密なパートナーシップを結んでおり、既知のすべての適用法を遵守したうえで安全なウィンターシーズンの運営計画を立てているわけだが、現地の規制に従って変更されることが前提となっている。その変更に伴って、各リゾートにどのような影響が及ぼされるのかについては、早急にアナウンスするよう努めるとしている。各リゾートのウェブサイトには専用ページが設けられ、COVID-19に関する最新情報を提供していく。
location: Vail, Colorado, USA text + photos: Daisuke Nogami(Editor in Chief)