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高回転スピンではなく720に世界中が称賛したセイジ・コッツェンバーグの表現力
2020.07.14
コンテストの世界では1440以上の高回転スピンに大きな注目が集まるため、“回してナンボ”という空気が蔓延しているわけだが、ソチ五輪スロープスタイル金メダリストのセイジ・コッツェンバーグが目の覚めるような720スピンを披露した。
トウサイドで踏み切ることがセオリーのバックサイドスピンをヒールサイドで抜くことで、超絶スタイリッシュな回転軸を生み出しているのだ。さらに言えば、スピン後半にあえて遅らせてノーズボーンしている点も見逃せない。これを自身のInstagramに投稿すると、世界中のトップライダーや一般スノーボーダーたちから称賛のコメントが多数寄せられた。
我が日本では2000年代に、元祖スピンマスターの山口睦生がヒール抜きのバックサイドスピンを開発しており、それを“カマイタチ”と名づけていた。バックサイドロデオもヒールサイドで踏み切るため発想としては以前からあったものの、それをこれほどまでフラットに回しながら、かつレイト気味にポークを入れてロンググラブで表現するカッコよさは斬新すぎる。
さらに言えば、これを追い撮りしているジンバルゴッドこと、スペンサー・ホワイティングのカメラアングルが素晴らしい。これほどまでライダーに接近した画角だったからこそインスタ映えし、上述した反響を得たと言っても過言ではないはずだ。
僕たち一般スノーボーダーは360スピンが関の山かもしれないが、トウとヒールサイドでのテイクオフを使い分けることで、これまで以上に奥深くフリースタイルスノーボーディングに興じることができるかもしれない。