BACKSIDE (バックサイド)

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X GAMESの人気種目・ナックルハックでマーカス・クリーブランドが悲願の初優勝

2020.03.08

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X GAMESの人気種目・ナックルハックの生みの親であるマーカス・クリーブランドが、同種目の地元開催で悲願の初優勝を飾った。
リレハンメル・ハーフィエルに造成されたビッグキッカーのナックル部(テーブルとランディングのつなぎ目。日本ではデコや角と呼ぶ)を利用して行われる本イベント。ジャンプの巨大化に伴ってランディングに急斜面が求められるようになり、その急激な斜度変化を利用して遊び始めたのが何を隠そうマーカスだった。
そこに目をつけたX GAMESサイドが2019年1月開催のアスペン大会で初導入。しかし、2018年12月に負傷したマーカスは出場叶わず、同じくノルウェーのフリチョフ・ティッシェンドルフが出場して栄えある初代王者に輝いたのだった。
今年1月に開催されたアスペン大会の同種目に初出場となったマーカスは、アメリカのゼブ・パウエルが創造した超絶クリエイティブな滑りの前に屈し、今大会にすべてをかけていたに違いない。5人のライダーによる16分間のジャムセッションで争われた本イベントは、オーバーオール・インプレッション(全体の印象)で勝敗を決する。
マーカスは創造性以上に高難度なトリックを連発した。BS180ノーズバター・トゥ・CAB540タックニー・インディ、ノーリーBS1080インディ、CAB720ノーズバター・トゥ・CAB540タックニー・インディ、CAB360・トゥ・CAB900インディの4ランをすべて成功。最終出走だったマーカスはラストとなる5本目を迎えた時点で優勝が決まっており、ウイニングランを飾った。ケガの影響からかアスペン大会ではスロープスタイルとビッグエアへの出場は見送っており、今大会もビッグエアには出場せず。X GAMESでは2018年のアスペン大会スロープスタイル以来の金メダル獲得となった。

ナックルハックの醍醐味と言えば、高難度トリック以上に創造性豊かなパフォーマンスに尽きるだろう。初代チャンピオンであるフリチョフは4本目、彼のトレードマークであるバックパックを背中ではなくお腹側に抱えながら、ハーフキャブ・トゥ・ノーズタップのキッカケを利用して間髪入れずにレイバックの体勢に持っていき、そこからバックフリップというユニークな技を披露。
さらにラストとなる5本目には、そもそもキッカーを飛んではいけないルールなのにそれを無視してジャンプしたかと思えば、一番落ちてはいけないナックル部を狙ったのだろう。そう、アスペン大会のスロープスタイル中に繰り出した、ナックルに着地した反動を利用してバックフリップするというケガのリスクを伴った妙技を繰り出そうとしたのかもしれない。しかし、若干飛びすぎてしまったのか、そのままランディングバーンでテールマニュアルをしながら駆け抜けるというパフォーマンスに終わった。そんなフリチョフのクリエイティブな滑りもお見逃しなく。

今回はノルウェーの5名のみが参戦となったナックルハック。国や地域における文化の違い、はたまたライダーの個性により繰り出されるトリックが無限大にあるからこそ面白いだけに、さらに幅広いライダーたちによるバトルが観たいものだ。今後、この種目がどう進化していくのか。楽しみでならない。
 
ナックルハック結果
1位 マーカス・クリーブランド(ノルウェー)
2位 スティアン・クレイヴダール(ノルウェー)
3位 フリチョフ・ティッシェンドルフ(ノルウェー)
4位 マティアス・エックホフ(ノルウェー)
5位 ウルリク・バダーシャー(ノルウェー)

photo: X GAMES

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