BACKSIDE (バックサイド)

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【速報】2022年北京五輪ビッグエア会場で行われたAIR+STYLEで鬼塚雅が優勝

2019.12.15

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中国・北京の大気汚染の原因のひとつとして閉鎖された製鉄所の跡地に、2022年の北京五輪に向け異例の常設施設となるビッグエア会場がお披露目となった。2017年からFIS大会として併催されるようになったビッグエアの頂上決戦、AIR + STYLE Beijing 2019が同会場で行われ、鬼塚雅が見事優勝を飾った。2017、18年と同イベントで2大会連続して2位だっただけに、念願の初優勝ということになる。岩渕麗楽は4位、村瀬心椛は5位、男子では木俣椋真が4位、飛田流輝が5位と善戦するも、惜しくも表彰台を逃す結果に。
平昌五輪スロープスタイル金メダリストでありビッグエア銀メダリストのジェイミー・アンダーソン(アメリカ)や、同五輪ビッグエア金メダリストのアンナ・ガッサー(オーストリア)、同銅メダリストであるゾーイ・サドウスキー・シノット(ニュージーランド)など、女子は大半のトップランカーが名を連ねていた。よって、事実上の世界一決定戦となった今大会での鬼塚の優勝は大きな価値を持つ。
3本のジャンプから回転方向の異なるベスト2本の合計得点で争われ、1本目から必勝トリックのひとつであるBSダブルコーク1080ミュートを決めると、2本目はなんとFS1080ミュートに成功。女子はフロントサイド方向への高回転スピンを苦手とするライダーが多いだけに、このトリックを成功させての勝利に彼女も自信を深めたことだろう。

銀メダルに輝いたのは、先述したようにこの種目の女王として君臨するアンナ。BSダブルコーク1080メロンを1本目に、伝家の宝刀であるCABアンダーフリップ900ミュートを2本目にともに成功させるも、トータルで7ポイント鬼塚に及ばなかった。

3位にはカナダのローリー・ブルーインが食い込んだ。

男子優勝は、ガンを克服してX GAMESノルウェー大会で優勝し完全復活をアピールしたマックス・パロットが今季2勝目。1本目から大技・CABトリプルコーク1620インディを完璧にストンプすると、2本目にはさらなる大技・FSトリプルコーク1620ミュートをこちらもパーフェクトに決めた。要するに同じ回転のトリックをノーマル/スイッチの両スタンスから放ったわけだが、バックサイドよりもフロントサイド方向への高回転3Dスピンのほうが難易度が高いとされる傾向が強いため、両ジャンプともに90ポイント超のハイスコアを叩き出した。

銀メダリストには、こちらもX GAMESノルウェー大会で2位だったスヴェン・ソーグレン(スウェーデン)が。高回転のフラットスピンをスタイリッシュに操ることに定評のあるスヴェンは1本目、BS1620にグラブはステイルフィッシュという玄人を唸らせるフラットスピンを披露。2本目はFSトリプルコーク1440ミュートを繰り出し、ともに成功させて会場を大いに沸かせるも、マックスにわずか1ポイント届かなかった。

銅メダルに輝いたのは、今季のW杯イタリア大会で3位だったクリス・コーニング(アメリカ)。2本目にBSクワッドコーク1800メロンを完璧に決め、着地した瞬間にこぶしを高々と突き上げた。97.75ポイントという今大会で最高得点を記録するも、3本目に決めたFS1440メロンはスピン後半にポークを入れるというオシャレなスピンだったものの、そのスタイルに対する評価は思いのほか低く、上位2名を逆転することはできなかった。

男女ともにハイレベルな激戦となり、テクニックばかりでなく個性に磨きがかけられて進化している印象を強く受けた。ジャンプの大きさや高回転のフラットスピン、回転方向に逆らったグラブなど、これまで以上に技の難易度に加えて、スタイルという味つけがなされているように感じた今大会。
ビッグエア競技は2022年の同会場で行われるオリンピックに向けて、さらに面白くなっていくのだろう。日本勢の活躍も含め、大いに楽しみだ。
 
女子結果
1位 鬼塚 雅(日本)
2位 アンナ・ガッサー(オーストリア)
3位 ローリー・ブルーイン(カナダ)
4位 岩渕麗楽(日本)
5位 村瀬心椛(日本)
全結果はこちら
 
男子結果
1位 マックス・パロット(カナダ)
2位 スヴェン・ソーグレン(スウェーデン)
3位 クリス・コーニング(アメリカ)
4位 木俣椋真(日本)
5位 飛田流輝(日本)
24位 濱田海人(日本)
25位 鈴木淳宏(日本)
41位 國武大晃(日本)
全結果はこちら

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