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スノーボードの前身である“スナーファー”生みの親 シャーマン・ポッペン氏が逝去
2019.08.03
スノーボードの起源は諸説ある。
2018年11月に発売した弊誌ISSUE 7「BURTON, SIMS AND CRAIG KELLY ──フリースタイル温故知新──」で綴っているが、1963年にSIMSの創設者であるトム・シムス氏が当時13歳のとき、アメリカ・ニュージャージー州にて木工製作の授業で単板の底に滑走材となるブリキを貼りつけてオリジナルのボードを作ったという説が、まずひとつ。
そして、より一般的であり有力とされている説が、1965年のクリスマスの日、シャーマン・ポッペン氏が生み出したボードである。ミシガン州マスキーゴンにあった自宅周辺の丘に降り積もった雪でサーフィンのように遊べたらとポッペン氏は着想し、娘にスキーを2本のボルトで留めて作ったボードをプレゼントした。このアイデアをもとに翌年、ボウリングを事業としていたBRUNSWICK社から子供用の遊具としてスナーファー(SNURFER: SNOWとSURFERの複合語)というボードが販売されたのだ。これにより、雪上での横乗りが世に発信されたわけである。
こうした偉大なる功績を残してきたポッペン氏だがアメリカ時間の8月1日、ジョージア州グリフィンで逝去。享年89歳だった。
14歳の頃、スナーファーから多大なるインスピレーションを受けて1977年にJAKE BURTON BOARD(現BURTON)を創設することになるジェイク・バートン氏は、「私にとっては、シャーマン・ポッペンさんがスノーボードを生み出した男。彼がサーフィンのように雪上で遊べるという概念を教えてくれたことで、間違いなく私の人生は変わりました」とInstagramにポストしている。
ポッペン氏がいたからこそ、僕たちはスノーボードという素晴らしい遊びでありスポーツ、そしてカルチャーに巡り合うことができたと言っても過言ではない。心から哀悼の意を表します。