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13歳の重野秀一郎が1440に成功などハーフパイプ3部門で日本の若手が世界一に
2019.04.02
WSF(世界スノーボード連盟)が主催する18歳以下のライダーたちで争われる国際大会・WORLD ROOKIE TOURの最終戦に位置づけられているWORLD ROOKIE FINALS 2019が、オーストリア・カプルーンで開催。WSFに加盟している各国のスノーボード協会からの推薦や、本ツアーのランキング上位者が一堂に会し、ハーフパイプとスロープスタイルの両種目でルーキー世界一をかけた熱きライディングバトルが展開された。
もう少し詳しく見ていくと、ルーキー枠(2001~2003年生まれ)とグロム枠(2004年以降生まれ)が用意されているため、ハーフパイプとスロープスタイル男女各2部門ずつの計8部門で争われる。そしてハーフパイプでは4部門中、なんと3部門で世界一の称号を日本人ライダーがつかみとったのだ。
グロム男子では13歳の重野秀一郎が大躍進を遂げる結果に。BURTON US OPENジュニアジャムを制した、同じく2005年生まれのヴァレンティノ・ギュゼリ(オーストラリア)を従えて優勝を飾った。FS1080テール→CAB1080ミュート→FS1260テール→BS900テールと、大人顔負けのルーティンを高さを叩き出して披露。96.33ポイントを獲得しての圧勝だった。
さらに特筆すべきは、動画内のインタビューでも語っているようにFS1440をテールグラブを決めながら見事に初成功。これはグロムやルーキークラスではなく、オープンクラスでも十二分に戦えることを意味する。
グロム女子はBURTON US OPENジュニアジャムで2連覇を果たし、昨年の本大会同部門でも頂点に立った15歳になったばかりの小野光希が連覇を達成。今シーズンはUS OPENでもジュニアではなくオープンクラスに挑むなど成長著しい彼女は、高さのあるFS720インディやCAB720ステイルフィッシュなどを決めて頂点に立った。
ルーキー女子では17歳の冨田るきが素晴らしいライディングを繰り出して優勝。X GAMESやBURTON US OPENといったプロ大会、オリンピックを頂点としたFIS大会ともに日本人女子を牽引する立場にある冨田せなを姉に持つ彼女は、スタンスこそ違えど高さと安定感のある滑りは姉譲りと言えるのかもしれない。BS540ミュートやFS720メロンなどを確実に決め、姉に続いてルーキー女王の座を射止めた。
ルーキー男子に出場した17歳の口寸保頼央は、わずか0.67ポイント差でイ・ジュンシク(韓国)に優勝は譲ってしまったが健闘。ハーフパイプ種目では全4部門でアジア人が頂点に君臨したことになる。
ハーフパイプ強国として知られる日本。今大会では、その層の厚さまでを世界中に知らしめる結果となった。
近年における競技レベルの加速化を踏まえると、この世代が2022年の北京五輪の中心選手を担っている可能性が高い。彼らの今後の活躍をお見逃しなく。
グロム男子ハーフパイプ結果
1位 重野秀一郎(日本)
2位 ヴァレンティノ・ギュゼリ(オーストラリア)
3位 ヨナス・ハスラー(スイス)
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グロム女子ハーフパイプ結果
1位 小野光希(日本)
2位 イザベル・ロッシャー(スイス)
3位 テルマ・サーキパユ(フィンランド)
5位 川原凛珠(日本)
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ルーキー男子ハーフパイプ結果
1位 ジュンシク・リー(韓国)
2位 口寸保頼央(日本)
3位 エリアス・アレンスパヒ(スイス)
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ルーキー女子ハーフパイプ結果
1位 冨田るき(日本)
2位 ライラニ・エッテル(ドイツ)
3位 ベレニス・ウィキ(スイス)
6位 覚張美咲(日本)
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photos: WORLD ROOKIE TOUR