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US OPEN女子スロープで鬼塚雅が3位で表彰台に。日本人女子として大会史上初の快挙
2019.03.02
アメリカ・コロラド州ベイルで開催されているBURTON US OPENは大会4日目を迎え、女子スロープスタイルの決勝が行われた。日本人で唯一ファイナルに駒を進めていた鬼塚雅が3位となり、2003年からスロープスタイルが種目化されて以来、日本人女子として初の表彰台獲得となった。
ひとり3本のランを行い、ベストポイントで争われたファイナル。鬼塚は1本目、ジブセクションをクリーンに攻略し、ジャンプセクションでも十八番のCAB900ステイルフィッシュやBS720ミュートなどを確実に決めて4位につけた。2本目からは降雪の影響によりスピードが出しづらい状況下に置かれ、各ライダーともに苦戦を強いられミスが続出。順位に変動がないまま3本目を迎えた。
逆転の表彰台を狙い、意を決して挑んだ3本目。50-50・トゥ・FSボードスライド・トゥ・フェイキー→ハーフキャブ50-50・トゥ・BS360アウト→BSボードスライド・プレッツェルアウトと3フィーチャー目のトリックの難易度を上げたうえでしっかり決めると、降雪の影響でスピードが乗せられないことからノーチェックでCAB900ステイルフィッシュを繰り出し、トランジションではFS360インディ、ラストジャンプではさらに加速させてBS720を繰り出すも、逆に飛びすぎてしまいグラブはミスしてしまったが、飛距離、高さともにメンズなみのエアでストンプ。78.85ポイントを叩き出し、3位につけていたヘイリー・ラングランド(アメリカ)を逆転した。
そのヘイリーはトランジションで繰り出した巨大BS540の着地時に転倒こそなかったものの、衝撃により失速してしまい万事休す。この時点で、鬼塚の3位が決まった。
「これまではUS OPENという格式の高さにのまれている自分がいたんですけど、強い気持ちを持って臨むことができました。今シーズンはどんな大会でも、どんな状況でも表彰台に乗ることを目標に掲げてやってきたので、これまでのようにUS OPENだから特別ということはありません。(FIS)世界選手権だけはダメだったんですけど、それ以外はすべて表彰台に乗ることができたのでよかったですね。でも、自分の100%を全然出せていないので、もっと頑張りたいという気持ちのほうが強い。まだまだ自分は成長できると思っています。でも、本当はかなりうれしいんですけどね(笑)」
大会直後、鬼塚は興奮しながらも自分の気持ちを整理しながら、力強く語ってくれた。
優勝はセミファイナルでトップ通過を果たしていたゾーイ・サドウスキー・シノット(ニュージーランド)。ジブセクションではスイッチBSボードスライド270アウト→スイッチ50-50・トゥ・スイッチBS180メロンアウト→50-50・トゥ・BS180ステイルフィッシュアウト、ジャンプセクションではスイッチBS900ステイルフィッシュ→FS720ミュート→BS540ステイルフィッシュを1本目に決めて82.55ポイントを叩き出し、そのまま逃げ切った。
ジュリア・マリノ(アメリカ)は1本目で2位のスコアを叩き出し、逆転優勝を狙った3本目。50-50・トゥ・リップスライド→FSリップスライド270アウト→50-50・トゥ・BS180ステイルフィッシュアウト→CABダブルアンダーフリップ900ミュート→クリップラー・インディを1本目よりも難易度を上げて決めると、ラストジャンプでBS720メロンからBS900ミュートに変えて勝負に挑むもクラッシュ。優勝こそ逃してしまったが、2大会連続で表彰台に上がった。
女子ビッグエアはダブルコーク時代に突入しているが、言うまでもなくスロープスタイルで繰り出すことは難しい。しかし、先出の鬼塚は2本目のラストジャンプでBS900を決めることができれば3本目、BSダブルコーク1080を狙っていたと教えてくれた。2本目の失敗や降雪の影響により実現はならなかったが、彼女が言うようにさらなる高みを目指しているということだ。
残りのシーズンも鬼塚の挑戦は続く。
女子スロープスタイル・ファイナル結果
1位 ゾーイ・サドウスキー・シノット(ニュージーランド)
2位 ジュリア・マリノ(アメリカ)
3位 鬼塚 雅(日本)
4位 ヘイリー・ラングランド(アメリカ)
5位 アニカ・モーガン(ドイツ)
6位 エンニ・ルカヤルビ(フィンランド)