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角野友基がX GAMESビッグエアで銅メダル。大会史上初のBSクワッド1980炸裂
2018.01.27
米コロラド州アスペンで行われているX GAMESの男子ビッグエアが終演し、角野友基が復活をアピール。バックサイド・トリプルコーク1620とスイッチバックサイド・トリプルコーク1620を決めて銅メダルを獲得した。
優勝はマックス・パロット(カナダ)、2位はマーカス・クリーブランド(ノルウェー)となり、トップ2は昨年大会と同様の結果に終わった。
25分間のジャムセッションにより、ベスト2トリックの合計ポイントで争われるというルールは毎年恒例なのだが、今大会よりスピンの回転方向に規制が敷かれることになった。その中身を詳しく見ていくと、身体に対して右回り/左回りのトリックを同一の回転方向と見なし、それぞれのスピントリックのベストポイントを合算する。
わかりやすく説明すると、レギュラースタンスのフロントサイドスピンとスイッチバックサイドスピンは身体に対して左回りになるため同一の回転、レギュラースタンスのキャブとバックサイドは身体に対して右回りになるため同一方向の回転ということだ。なので、キャブとバックサイドで高難度なトリックを決めたとしても、ポイントに採用されるのはどちらかのトリックということ。
そのような状況下で、マーカスはキャブとバックサイドを得意としているのだが同一回転となるため、まずはスイッチバックサイド・トリプルコーク1620を狙うも転倒が続き、3本目にいきなりバックサイド・クワッドコーク1800に切り替えると一発でメイク。会場は沸いた。今大会最高ポイントとなる47ポイント(50点満点)を叩き出し、もうひとつのトリックはスイッチバックサイド・トリプルコーク1440で26ポイントを記録して合計73ポイント。
マックスは得意のキャブ・トリプルコーク1800で44ポイント、フロントサイド・トリプルコーク1440で31ポイントをマークし、トータル75ポイントでの優勝だった。しかし、フロントサイド・トリプルコーク1440を成功していたのだが、さらに得点アップを狙い2回繰り出していたことから、グーフィースタンスのマックスにとって右回りの持ち技には限りがあったようだ。
友基は冒頭で述べた2トリックで3位だったのだが、ジャムセッションの残り時間が2分あまりのタイミングで、上位2名に一矢を報いるべく切り札を出してきた。コンテスト史上初となるバックサイド・クワッドコーク1980を放ったのだ。縦に4回転、横に5回転半の超大技。転倒はなかったものの両手をついてしまいクリーンに決めることはできなかったが、マイナス10℃を超える凍てつく寒さの会場が熱気に包まれた瞬間だった。
こうして友基は、平昌五輪の金メダル候補であるマーク・マクモリス(カナダ)と同トリックを揃えたうえで上回る結果を残しての3位となった。
「やっと自分の滑りが戻ってきました。今回結果が出なかったら自分は終わりだと思ってたから、ここまで戻ってこれて本当にうれしいです。クワッドを決めてたら優勝も見えていたけど決められなかったから、またイチから頑張っていきたいですね。今回の結果が自信になったし試合勘が戻ってきたから、明日のスロープ(スタイル)の決勝は緊張せずに滑れると思います」
絶対王者の復活劇。明日行われるスロープスタイルのファイナルが見ものだ。
ビッグエア結果
1位 マックス・パロット(カナダ)
2位 マーカス・クリーブランド(ノルウェー)
3位 角野友基(日本)
4位 マーク・マクモリス(カナダ)
5位 クリス・コーニング(アメリカ)
6位 タイラー・ニコルソン(カナダ)
7位 モンス・ロイズランド(ノルウェー)
8位 セッベ・デ・バック(ベルギー)
公式結果はこちらから