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オリンピックと不祥事のときだけ注目されるスノーボード。その裏側を描いた短編映画『Shred』が再びスクリーンへ

2026.10.11

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オリンピックで日本人ライダーが活躍すれば、大きなニュースになる。いっぽうで、選手の不祥事が起きたときにも、スノーボードは世間の注目を集める。しかし、その間にあるライダーたちの日常や葛藤、スノーボードカルチャーの本質が語られる機会は、どれほどあるだろうか。
 
そんな問題意識から生まれた短編映画『Shred』が、11月6日(金)、東京・新宿で上映される。
 
本作は2018年に制作された約20分間の短編映画。監督を務めたのは、長年にわたってスノーボード映像を手がけてきた松澤聡比古だ。2012年には田中幸がプロデュースしたスノーボードムービー『SNOW LAB』で監督・脚本・撮影・編集を担当するなど、スノーボードと映像表現に深く関わってきた人物である。
 
物語の主人公は、スノーボード日本代表のヒロト。未成年時の飲酒・喫煙写真をめぐる騒動によって謝罪会見に立たされ、本人の知らないところで代表から外されてしまう。その代わりに選ばれたのは、かつての友人であるシュウだった。
 
世間からの批判、競技団体の権力関係、ライダー同士の複雑な感情。そうした問題を、ラップミュージックとともに描いていく。
 
松澤監督は本作について、スノーボードが巨大なスポーツイベントに組み込まれることで、自由を大切にするライダーたちとの間に、さまざまな軋轢が生まれてきたと語っている。
 
また、世間からはスノーボーダーの見た目や振る舞いばかりが注目されがちだが、その裏側には巨大組織の権力争いや、勝利へのプレッシャーと自分らしさの間で葛藤するライダーたちの姿があるという。
 
松澤監督はかつて自身のInstagramに、「オリンピックと不祥事のときだけ注目を浴びるスノーボード」と綴っていた。そうした状況に疑問を投げかけ、スノーボードの本質を知らない人たちにも、その世界を伝えたいという思いが本作に込められている。
 
特徴的なのは、音楽が登場人物の心情を代弁するという表現手法だ。出演者にはラッパーのGOMESSを起用。雪山でも撮影が行われ、スノーボードと音楽を融合させた作品に仕上げられている。
 
2018年の完成後、本作は海外の映画祭で受賞・入選を重ね、2019年には国内の「4K・VR徳島映画祭」でケーブルキャスト賞を受賞。2020年には4K専門チャンネル「ケーブル4K」でも放送された。
 
そして「Short Shorts Film Festival & Asia 2026 Screening in Autumn」で、再びスクリーンに登場する。
 
本作は、将来的な長編映画化を見据えたパイロット版でもある。松澤監督は現在も長編化を目指しており、スノーボードカルチャーの本質をさらに掘り下げ、さまざまな音楽ジャンルと融合させる構想を持っている。
 
2018年から8年が経過し、オリンピックでの日本人スノーボーダーの活躍は、さらに大きな注目を集めるようになった。だからこそ、競技としての発展と、スノーボーダーが大切にしてきた自由や個性は、どのように共存していくべきなのか。
 
『Shred』が描く葛藤は、いま改めて考える価値のあるテーマなのかもしれない。

text: Daisuke Nogami(Editor in Chief)

 
「『Shred』劇場上映・オンライン配信」概要
▷日時: 2026年11月6日(金)
▷上映プログラム: 14:10〜15:30
▷会場: kino cinéma新宿
▷出演: 野島良太、GOMESS、川人悠生、阿部大将、大須賀王子
▷監督: 松澤聡比古
▷制作年: 2018年
▷作品時間: 19分58秒
▷オンライン配信: 2026年11月9日(月)〜22日(日)
▷映画祭公式サイト: https://www.shortshorts.org/2026autumn/program/shred/

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