BACKSIDE (バックサイド)

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日本のハーフパイプ文化を支えてきた場所を未来へ。カムイみさかが存続に向けクラウドファンディングを開始

2026.08.01

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山梨・笛吹市のカムイみさかが、日本でも希少な室内ハーフパイプの維持・運営を目的としたクラウドファンディングを開始した。利用者数の減少と電気料金の高騰が重なり、これまでの自助努力だけでは施設の維持が難しい状況にあるという。

目標金額は800万円。支援金は、人工雪設備と24時間稼働する冷房設備に必要な電気料金約660万円、雪面整備・安全管理費約80万円、施設維持費約60万円に充てられる。募集期限は2026年9月30日(水)23時で、目標金額の達成にかかわらず支援金を受け取るAll in方式となっている。

カムイみさかの室内ハーフパイプは、1996年に従業員の声から誕生した。オフシーズンでも雪上で練習でき、天候に左右されない安定した環境を提供する。一般利用できる室内ハーフパイプとしては世界的にも珍しく、初心者からトップライダーまでが列に並び、同じパイプを滑る光景が約30年にわたって受け継がれてきた。

しかし、かつて年間約38,000人が訪れていた来場者数は、現在では約8,500人まで減少。人工雪設備と冷房設備を維持する電気代は、この10年で約1.4倍に上昇した。施設側は設備の見直しやコスト削減を続けてきたものの、品質と安全性を保ちながら営業を継続するには、外部からの支援が必要な状況だと説明している。

この場所の価値は、数字だけでは測れない。クラウドファンディングページには、戸塚優斗、平野流佳、冨田せなが応援メッセージを寄せている。

優斗は、カムイみさかを「スノーボード人生の原点ともいえる場所」と表現。幼い頃から通い、悔しさも新しい技ができた喜びも、仲間や先輩、コーチとの出会いも、この場所で経験したと振り返っている。

流佳は「スノーボードの基礎をつくり、競技者として成長させてもらった大切な場所」と語る。季節を問わず練習できる環境だけでなく、同じ目標を持つ仲間や支えてくれる人々との出会いが、現在の自分につながっているという。

せなが初めて訪れたのは小学校低学年の頃だった。毎週末通い、夏休みには合宿を重ねながら技術を磨いた。彼女にとってカムイみさかは、技術だけでなく、人とのつながりや挑戦する楽しさを教えてくれた特別な場所である。

また、BURTON JAPANも公式SNSを通じて支援を呼びかけている。片山來夢、重野秀一郎、小野光希ら、多くのBURTONライダーがここでスキルを磨いてきたことに触れ、日本のハーフパイプシーンの高い競技力を支える土台として、カムイみさかの存在を位置づけた。

世界大会で日本人ライダーが結果を残すたび、その才能や技術に注目が集まる。しかし、その成長を支えてきた場所や人々の存在まで、同じように可視化される機会は多くない。

筆者自身も現役時代、この室内ハーフパイプで滑っていたひとりであり、現在も読者コミュニティ「BACKSIDE CREW」のセッションイベントで毎年協力をいただいている。世代が変わっても、多くの滑り手がここで基礎を築き、それぞれのスタイルを育んできた。

カムイみさかが守ろうとしているのは、施設だけではない。初めて挑戦する入口、仲間と出会う場所、できなかったことができるようになる喜び、そして、次の世代が夢を見つけるための環境である。

未来のスターを待つだけでは、日本のスノーボード文化は育たない。そのスターが育つ場所を守ることもまた、日本のカルチャーを次の世代へつないでいくことにつながるはずだ。

text: Daisuke Nogami(Editor in Chief)
photo: Yuto Nishimura

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