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30年以上続くサマーキャンプ「HIGH CASCADE SNOWBOARD CAMP」が直面する、“雪がない”という現実
2026.04.19
米オレゴン州マウントフッドで1990年から続くサマーキャンプ「HIGH CASCADE SNOWBOARD CAMP(以下、HCSC)」に、変化の兆しが訪れている。
この冬の降雪不足の影響により、今季のサマーオペレーションは当初の予定より早く終了することが発表された。雪を維持するための判断であり、長期的な持続可能性を見据えた措置だという。
かつて、この場所は日本人スノーボーダーにとっても特別な意味を持っていた。夏でも雪の上で滑れる環境を求め、多くのスノーボーダーたちが海を渡る時代があった。だが現在、国内にはジャンプやジブに特化したオフトレ施設が整い、その役割は大きく変わっていた。
HCSCが今回打ち出したのも、そうした時代の流れと無縁ではない。オンスノーの期間短縮を補うカタチで、ドライスロープやエアバッグ、トランポリンなどを組み合わせた“ハイブリッド”なセッションが導入される。
ドライスロープといえば、日本では2000年代前半から普及が始まり、すでに20年以上にわたってオフトレ文化の一翼を担ってきた。その背景にあったのは、北米や欧州のように夏でも滑走可能な氷河帯を持たないという環境的制約である。だからこそ、日本では雪に依存しないトレーニング環境が模索され、ドライスロープやエアバッグといった発想が生まれた。
つまり、いまHCSCが直面している変化は、日本がすでに通過してきたプロセスでもある。スノーボードという遊びが、環境とどう向き合い、どのように進化していくのか。その普遍的な問いが、マウントフッドという象徴的な場所で浮き彫りになっている。
雪がなければ成り立たない場所だったからこそ、その転換が持つ意味は重い。HCSCは今、夏のあり方そのものを問い直している。
text: Daisuke Nogami(Chief Editor)
photos: HIGH CASCADE SNOWBOARD CAMP




