BACKSIDE (バックサイド)

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母なる大地が生み出した自然地形が舞台。世界最強フリースタイラー決定戦「NATURAL SELECTION TOUR」はニルス&ゾーイが制す

2026.03.15

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カナダ・ブリティッシュコロンビア州レベルストークで開催されている、地球最強フリースタイラー決定戦「NATURAL SELECTION TOUR(以下、NST)」。3日間のウェイティングを経てコンディションが整い、モンタナボウルを舞台に2日目となる本戦が行われた。
 
初日を勝ち上がった男子8名、女子4名が出場。トーナメント形式で争われ、各ライダーは2本のランを行い、その合算で勝敗が決まる。ジャッジには、往年のスノーボーダーにとって憧れの存在でもあったDCPことデビッド・キャリア・ポーシェロンや、ユシ・オクサネンらが名を連ねた。
 
男子は、ジャレッド・エルストン(アメリカ)とトースタイン・ホーグモ(ノルウェー)を破ったニルス・ミンドニッチ(アメリカ)、そしてNST史上初のBSダブルコーク1080を成功させたマーク・マクモリス(カナダ)を下し勝ち上がったブリン・アレクサンダー(カナダ)が決勝へ進出した。
 
なかでも、ニルスとトースタインのバトルは大会屈指の名勝負だった。ニルスは1本目から、FS180バター・トゥ・スイッチBS720インディ、さらにテイクオフのきっかけすらない落ち系ヒットでハーフCABバター・トゥ・BS360を繰り出すなど、超絶テクニカルなランを披露。95ポイントを叩き出す。いっぽうのトースタインも、特大のFS720メロンや連続するクリフドロップで90ポイントをマーク。NSTらしいクリエイティブなラインがぶつかり合うベストマッチだった。
 
ブリンもセミファイナル1本目から圧巻の滑りを魅せる。奇想天外なウォールライドからスタートすると、巨大なCAB900ノーズへとつなぎ、流れるようなラインどりのまま最後はクリフからのインディドロップ。岩の真横にピンポイントでランディングを決めたそのランは92ポイントを記録した。
 
決勝はブリン対ニルス。ブリンはファーストヒットのCABダブルコーク900や、断崖絶壁を攻める彼らしいアグレッシブなラインに2本ともトライ。対するニルスは、スイッチBS540ミュート、CAB720スイッチジャパン、巨大メソッドやワイルドキャットなど、スタイルとクリエイティビティを兼ね備えたランを展開した。
 
荒れた雪面に加え、連続したヒートによる疲労もあったのだろう。ブリンは2本ともクリーンなランとはならなかった。結果、1本目でクリエイティブかつアグレッシブな素晴らしいランを魅せたニルスが勝利。ニルスは今大会を通じて、ほぼ転倒のない安定したライディングを披露していた。スイッチライディングの巧みさも光った。
 
女子はシャールカ・パンチョホバ(チェコ)とゾーイ・サドウスキー・シノット(ニュージーランド)が決勝で対戦。シャールカは2本目にBS720メロンを決めるなど見せ場を作ったが、ゾーイはCAB540ミュートをクリーンに決め、特大のワイルドキャットからハイスピードのままツリーとツリーの間へドロップ。端正なルックスからは想像できないほどアグレッシブなライディングで圧勝した。
 
今シーズンはオリンピックイヤーだったこともあり、ハーフパイプやスロープスタイル、ビッグエアで日本人スノーボーダーたちの躍進が際立った。しかしNSTを観れば、フリースタイルスノーボーディングのもうひとつの魅力が見えてくる。
 
回転数こそ少ないものの、荒れたパウダーバーンへの着地の難しさ、手つかずの自然地形を攻略するスキル、そしてバックカントリーを駆け抜けるラインどりのクールさ。圧雪されたコースに整然と並ぶアイテムを攻略するコンテストとは異なる、フリースタイルスノーボーディングの原点とも言える醍醐味が、このNSTには凝縮されている。
 
男子結果
1位 ニルス・ミンドニッチ(アメリカ)
2位 ブリン・アレクサンダー(カナダ)
3位 トースタイン・ホーグモ(ノルウェー)
 
女子結果
1位 ゾーイ・サドウスキー・シノット(ニュージーランド)
2位 シャールカ・パンチョホバ(チェコ)
3位 ビリー・ペルシャ(カナダ)

text: Daisuke Nogami(Chief Editor)

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