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山田琉聖が五輪金の戸塚優斗を打破して初優勝。清水さらも圧巻の滑り「THE SNOW LEAGUE」アスペン大会ルポ
2026.03.01
米コロラド州アスペンで開催されたショーン・ホワイト主宰のハーフパイププロリーグ「THE SNOW LEAGUE」第3戦。青空の下で行われたファイナルは、まさに現在のハーフパイプを象徴する一日となった。優勝は山田琉聖。そして女子は清水さら。ともに予選トップ通過からの完全勝利だった。
ファイナルは、予選を勝ち上がった8名によるヘッド・トゥ・ヘッド(トーナメント)方式。準々決勝、準決勝、決勝ともに2本先取したライダーが勝ち上がっていく。最大3本のうち、必ずフロントサイド(FS)とバックサイド(BS)の両サイドからドロップインしなければならない独自フォーマットだ。
女子ファイナルで主役となったのは16歳の清水さら。決勝で対峙したのはマディ・マストロ(アメリカ)だ。マディがダブルクリップラーやFSダブルコーク1080を織り交ぜた攻めの構成を見せると、さらはそれに真正面から応えた。

rider: Sara Shimizu
photo: The Snow League / Blotto
FSダブルコーク1080トラックドライバーを約13フィート(約4m)までエアの高さを引き上げ、CAB720ミュートへとつなぐ。さらにFS900テールからBS900ミュートを連続させ、最後はFS540インディで締める。スコアは94.5。この日の女子最高得点だった。SNOW LEAGUE初参戦での優勝という結果はもちろん、16歳とは思えない完成度の高さが強烈な印象的を残した。
ランキング首位の冨田せなは3位でフィニッシュし、総合首位をキープ。ランキング争いはスイス・ラークスで行われる最終戦へ持ち越される。
男子は準決勝戦からハイライトの連続だった。戸塚優斗はキャンベル・メルヴィス・アイヴス(ニュージーランド)との対戦で、CABダブルコーク1440ミュート→FSトリプルコーク1440トラックドライバー→スイッチBSアーリーウープ・ダブルロデオ900メロン→スイッチBSダブルコーク1080インディまでを完遂。92.5というこの日最高得点で決勝へ進出した。
いっぽうの山田琉聖もジェイク・ペイツ(アメリカ)との対戦で、スイッチマックツイスト・ジャパンからCABダブルコーク1080ドランクドライバー、FSダブルコーク1260ミュートへとつなぎ、さらに約17フィート(約5m)の高さまで伸ばすマックツイスト・ジャパンからFSダブルコーク1080メロンを決め、決勝へ駒を進めた。
迎えた決勝は、優斗と琉聖との直接対決。1本目は両者ともスイッチBSアーリーウープ・ダブルロデオ900という、いわゆる“一発飛び”での勝負に挑む。優斗は転倒しなかったものの着地でややズレてしまい、琉聖はクリーンに決めて先取する。
2本目は先行の琉聖が、スイッチマックツイスト・ジャパンからバック・トゥ・バックのダブルコーク1440を連ねたあと、スイッチBSアーリーウープ・ダブルロデオ900メロンで転倒。優斗が手堅くまとめて取り返し、勝負は最終3本目へ。

rider: Ryusei Yamada
photo: The Snow League / Blotto
運命の3本目。優斗はCABダブルコーク1440ミュートからFSトリプルコーク1440トラックドライバーを繰り出すも転倒。勝利の可能性が琉聖に大きく傾く。
安全にまとめる選択肢もあったが、琉聖は攻めた。スイッチマックツイスト・ジャパン→CABダブルコーク1440ミュート→FSダブルコーク1440インディへとつなぎ、続くスイッチBSアーリーウープ・ダブルロデオ900メロンの着地でリップに引っかかり大クラッシュ。一瞬ヒヤリとする場面だったが、すぐに立ち上がり大事には至らなかった。それでも総合評価で優斗を上回り、琉聖はSNOW LEAGUE初優勝を手繰り寄せた。
この勝利により、琉聖はランキング4位から2位へと浮上。首位は優斗で、3位には平野歩夢が続く。シーズンを締めくくる年間王者には、男女合わせて総額16万ドル(約2,480万円)という破格のボーナスプールが用意されている。各大会の優勝賞金は5万ドル(約775万円)で、出場手当の5,000ドル(約77万円)も支払われる。主宰者であるショーンは、ハーフパイプという競技を持続可能なプロスポーツへ押し上げようとしているのだ。
最終戦はスイス・ラークスで3月19日(木)〜21日(土)に開催。ここで初代ワールドチャンピオンが決まる。
ミラノ・コルティナ五輪で最高潮に達したハーフパイプの熱量。むしろ、本番はこれからだ。
女子結果

photo: The Snow League / Jenny Lang
1位 清水さら(日本)
2位 マディ・マストロ(アメリカ)
3位 冨田せな(日本)
男子結果

photo: The Snow League / Blotto
1位 山田琉聖(日本)
2位 戸塚優斗(日本)
3位 ジェイク・ペイツ(アメリカ)
text: Daisuke Nogami(Chief Editor)
photo: The Snow League / Blotto




