BACKSIDE (バックサイド)

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長谷川帝勝、“完成度”と“創造性”でつかんだ五輪の銀。0.28ポイント差の激戦となった男子スロープスタイル決勝

2026.02.18

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ミラノ・コルティナ五輪スロープスタイル男子ファイナルが終了し、長谷川帝勝が堂々たる滑りで銀メダルを獲得した。ビッグエア銀メダリストの木俣椋真も決勝の舞台で果敢に攻めたが、最終順位は11位。ビッグエア金メダリストの木村葵来は予選で涙を呑んだ。荻原大翔は足首負傷のため棄権した。
 
コースは前半に3つのジブセクション、後半に3連ジャンプという構成。3本のランを行い、ベストポイントで争われた。
 
帝勝は1本目から高次元のランを披露する。ジブセクションでは、スイッチBS450オン→BS270オン→FS270オン270オフ→CAB270オン810テールオフと、正確性と流れを両立。続くジャンプではCAB1440テールからスイッチBS1620インディへとつなぎ、ラストヒットではBSダブルロデオ1260を選択。メロンからテールへと持ち替える2グラブという創造的なアクションを加えた。
 
難度、構成、そしてスタイル。すべてをバランスよく融合させたこのランに与えられたのは82.13ポイント。2、3本目でポイントの上書きとはならなかったものの、このスコアが結果的にメダル圏内を堅持する決定打となった。
 
椋真の1本目も印象的だった。CAB270オン270オフ、レインボーレールでのFSリップスライド270オフなどを織り交ぜ、ジャンプではスイッチBSダブルロデオ1260メロン→FSトリプルコーク1440ミュート→BS1620メロンという攻めの構成。72.8ポイントを記録する。しかし、ポイント更新を狙った2、3本目では着地が噛み合わず順位を上げることはできなかった。
 
金メダルを手にしたのは、中国のスー・イーミン。北京五輪銀メダリストは今大会でもその強さを証明した。1本目、BS450オン・フェイキーオフ→スイッチBSリップスライド270オフ→FS270オン270オフ→ハーフCABオンBSダブルロデオ900ステイルフィッシュ→CABスイッチノーズバター1440ミュート→スイッチBS1620メロン→BS1800ノーズという完成度の高いランをまとめ、82.41ポイントをマーク。22歳の誕生日を自ら最高の形で演出した。帝勝との差はわずか0.28ポイントだった。
 
銅メダルには、アメリカのジェイク・キャンターが滑り込んだ。3本目のラストヒットでBS1980メロンをストンプ。スタイリッシュなジブワークから高回転ジャンプへと流れる構成で、最終ランで彼らしい大きな存在感を放った。
 
今大会の男子スロープスタイルには、マーク・マクモリス(カナダ)、レッド・ジェラード(アメリカ)、モンス・ロイズランド(ノルウェー)ら、バックカントリーを舞台としたムービーシーンでその名を刻んできたライダーたちも顔をそろえていた。
 
ビッグエアが一発の完成度を問う競技だとすれば、スロープスタイルは“総合滑走力”の競技である。ジブ、ジャンプ、そしてセクション間のボードコントロール。すべてが問われる舞台だ。
 
そのなかで獲得した帝勝の銀メダルは、単なる結果ではない。滑りの総合力と、現代スロープスタイルにおける適応力を示した、真のスノーボーダーである証だ。
 
ミラノ・コルティナ五輪
男子スロープスタイル結果

1位 スー・イーミン(中国)
2位 長谷川帝勝(日本)
3位 ジェイク・キャンター(アメリカ)
4位 マーカス・クリーブランド(ノルウェー)
5位 ロメイン・アレマンド(フランス)
6位 レッド・ジェラード(アメリカ)
7位 ダン・メンジーズ(ニュージーランド)
8位 マーク・マクモリス(カナダ)
9位 オリバー・マーティン(アメリカ)
10位 キャメロン・スポルディング(カナダ)
11位 木俣椋真(日本)
12位 モンス・ロイズランド(ノルウェー)
14位 木村葵来
DNS 荻原大翔
全結果はこちら

text: Daisuke Nogami(Chief Editor)
photos: FIS SNOWBOARDING

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