BACKSIDE (バックサイド)

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五輪の大舞台で、小野光希が悲願のルーティンを決め銅。大転倒から大逆転劇を演じたチェ・カオンが制した女子ハーフパイプ決勝

2026.02.13

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ミラノ・コルティナ五輪ハーフパイプ女子で、小野光希が悲願のルーティンを成功させ、銅メダルを獲得した。北京五輪で味わった悔しさを乗り越えての表彰台である。
 
競技は3本のランを行い、ベストポイントが採用されるフォーマット。予選11位通過の光希は2番手でドロップインした。
 
1本目、FS900テールの高いエアから入り、BS540ミュートへとつなぐ。続くヒットで、挑み続けてきたルーティン──FS1080テール→CAB900ステイルフィッシュ→スイッチBS540インディを見事に成功させた。序盤のランでありながら85ポイントという高得点。完成度と流れ、そしてエアの高さが評価された結果だった。
 
優勝候補の一角、チェ・カオン(韓国)は1本目で大きなアクシデントに見舞われる。スイッチBS900インディからCAB1080ステイルフィッシュへとつないだが、勢い余ってプラットホーム側へ飛び出し、リップに乗り上げる形で激しくクラッシュ。タンカが用意される場面となったが、なんとか起き上がり、自力で滑り下りてきた。
 
その後、予選トップ通過で2連覇中の女王クロエ・キム(アメリカ)が、1本目から圧巻の滑りを披露する。BS720インディ→スイッチメソッド→CABダブルコーク1080ステイルフィッシュ→FS900テール→マックツイスト・インディ。88ポイントでトップに立った。
 
光希は2、3本目と得点更新を狙い、2ヒット目をBS900ミュートへアップグレード。しかし要となるFS1080テールのランディングでミスが出てしまい、ポイントを伸ばすことはできなかった。
 
工藤璃星は2本目で完成度を引き上げたランをまとめる。FS900メロン→BS900ミュート→FSトゥフェイキー・メロン→CAB720ミュート→FS1080ステイルフィッシュ。1本目で成功させていた同ルーティンのポイントを上回る81.75をマークし、3位へ浮上した。
 
冨田せなはFS720インディ→CAB720ミュート→FS900メロン→BS540ミュート→FS1080テールを2本目に成功させるも、思うようにポイントを伸ばすことができなかった。3本目に同ルーティンの高さや完成度を高めにいくも、1本目同様、ラストヒットのFS1080の着地に嫌われた。
 
そして大会終盤、最大のドラマが訪れる。
 
大クラッシュを喫したうえで2本目にも登場し、ファーストヒットのスイッチBS900で転倒していたカオン。あとがなくなった3本目、スイッチBS900インディ→CAB720ドランクドライバー→FS900メロン→BS900ステイルフィッシュ→FS720インディ。高さと安定感を兼ね備えたランで90.25ポイントを叩き出し、一気に首位へ躍り出た。
 
この時点で4位へ後退した璃星は、逆転を狙った3本目で攻めに出る。4ヒット目で回転数を引き上げたCAB1080に挑戦。しかし、着地でバランスを崩し転倒。メダルには届かなかったが、臆することなく攻めた素晴らしいランだった。
 
1、2本目ともに武器であるFSダブルコーク1080でミスが続いていた清水さら。あとがなくなった3本目、16歳とは思えない強靭な精神力を発揮する。アッパーデッキ・インディ→FSダブルコーク1080トラックドライバー→CAB720ミュート→FS900テール→BS900ミュート→FS540インディ。見事にランをまとめ切った。84ポイントで4位に食い込むも、メダルにはあと一歩届かなかった。エアの高さはやや抑えられていたかもしれないが、極限のプレッシャーがかかる中で完成度は際立っていた。璃星とともに、16歳ライダーたちのこれからの飛躍が楽しみでならない。
 
最終走者のクロエは逆転を狙い、CABダブルコーク1080ステイルフィッシュ→FSダブルコーク1080メロンという、女性史上初のバック・トゥ・バック(連続)ダブルコークに再挑戦。しかし、CAB1080で転倒。この瞬間、カオンの金メダルが確定した。
 
大クラッシュからの大逆転劇を演じたカオンの滑りは、世界中に勇気と感動を与えたことだろう。光希の1本目は、自らの理想を貫いた価値あるランだった。高さ、流れ、スタイル。得点以に、その滑りには確かな説得力があった。
 
女子ハーフパイプは、大逆転劇とともに幕を閉じた。
 
ミラノ・コルティナ五輪
女子ハーフパイプ結果

1位 チェ・カオン(韓国)
2位 クロエ・キム(アメリカ)
3位 小野光希(日本)
4位 清水さら(日本)
5位 工藤璃星(日本)
6位 ツァイ・シュートン(中国)
7位 ウー・シャオトン(中国)
8位 ベア・キム(アメリカ)
9位 冨田せな(日本)
10位 ケラルト・カステリェト(スペイン)
11位 エリザベス・ホスキング(カナダ)
12位 マディ・マストロ(アメリカ)
全結果はこちら

text: Daisuke Nogami(Chief Editor)
photo: FIS SNOWBOARDING

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