BACKSIDE (バックサイド)

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深田茉莉が2位、村瀬心椛3位、鈴木萌々4位と上位を日本勢が占めたスロープスタイルW杯開幕戦ルポ

2026.01.11

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FIS(国際スキー・スノーボード連盟)ワールドカップ(以下、W杯)スロープスタイルが、アメリカ・コロラド州アスペンで開幕した。ミラノ・コルティナ五輪を前に、スロープスタイルのW杯は次戦スイス・ラークス大会を含めて残り2戦。代表選考のルール上、昨シーズンのリザルトに加え、すでに終わったビッグエア3戦と、スロープスタイル2戦のポイントが加味される。大会数はビッグエアよりも少ないが、スロープスタイルの比重も軽くない。日本勢にとっては、気の抜けない戦いだ。
 
今回のコースは、ジブセクション×2→ジャンプセクション×2→ジブセクションの計5セクション。ジャンプが3セクション用意されることが多いスロープスタイルだが、今大会はふたつ。ビッグエア大国とも言える日本チームにとっては、ジャンプが多いほど高ポイントを狙いやすい側面があるだけに、勝負を分けるのは「ジブをどう攻略するか」だった。大会フォーマットは2ランのベストスコアで争われる。ミスが許されない戦いが始まった。
 
決勝進出を決めた日本勢は、男子が木村葵来・悠斗の兄弟、荻原大翔。女子は深田茉莉、村瀬心椛、鈴木萌々。まず女子決勝から行われた。
 
1本目、萌々がFS1080メロンや50-50からFS360テールオフなどをまとめて65.86ポイントで2位につける。心椛はCAB900ミュートからFSダブルコーク1080トラックドライバーをつなぐなどして70.68ポイントでトップ。茉莉はセクション1のジブで転倒し、出遅れた。
 
流れが大きく動いたのは2本目だ。カナダのローリー・ブルーアンが、CABダブルアンダーフリップ900インディからFSダブルコーク1080ミュート、そしてラストのジブで50-50から高さのあるバックフリップオフまでをきっちり決め、81.21ポイントでトップに躍り出る。FISのレポートによれば、前半のジブも含めた一連の構成が高く評価されたとのこと。そのまま逃げ切った格好だ。

日本勢は、その逆転に正面から応えた。萌々はセクション4の2個目のジャンプで、1本目のBS720からBSダブルコーク1080へと難度を上げて勝負に出るも、着地をクリーンに合わせきれずポイントは伸び悩む。心椛は同じルーティンの完成度を上げて75.36ポイントへスコアアップするも、ローリーの81.21には届かず。

そして、予選1位通過で最終走者だった茉莉が、ここで一気に空気を変える。セクション1、2のジブをスイッチで巧みに攻略し、CAB900インディ→BS1080ミュートとつなぐ。さらに、ラストのジブセクションではFSリップスライドからアンダーフリップ450オフという高難度なトリックを成功させ、77.26ポイント。ローリーには及ばなかったが、心椛を抜いて2位にジャンプアップした。

結果は、茉莉2位、心椛3位、萌々4位。上位を日本勢が占める形となり、ジブ比重の高いレイアウトながらも強さを見せたと言える。また、ソチ、平昌と2大会連続女子スロープスタイルのオリンピックを制した元女王、アメリカのジェイミー・アンダーソンは第2子を出産したのち、今季から五輪レースに参戦。しかし、1本目のレールで引っかかったような危ない転倒をしてしまい、2本目を棄権した。大事に至っていないことを願いたい。
 
男子は、葵来がスイッチBS1440トラックドライバーからCABトリプルコーク1620インディにつなぐなど、1本目にクリーンなランを決めて79.25ポイントで5位。スロープスタイルW杯初参戦の弟・悠斗も、兄に負けじと同一のスピントリックを決めるも、61.3ポイントで9位。大翔はスイッチBS1620テールに成功したが、すべてのセクションを攻略しきれず47.73ポイントで13位に甘んじた。

勝ったのは地元・アメリカのジェイク・キャンター。2本目のランでは今大会唯一の5.5回転、BS1980メロンを決めるなどして85.16ポイントを叩き出し、逆転で初優勝を飾った。2位には中国のスー・イーミンが入り、今季ビッグエアで連勝して勢いに乗る強豪が、スロープでも存在感を示した。3位にはニュージーランドのダン・メンジーズが、スイッチBS1620→BS1620と4.5回転の大技をバック・トゥ・バックで決めて食い込んだ。

スロープスタイルのW杯は、次戦のスイス・ラークスが五輪前最後の一戦になる。ミラノへ向けて残された時間は少ない。筆者はラークスに乗り込み、その大事な一戦を見届ける予定だ。
 
女子結果
1位 ローリー・ブルーアン(カナダ)
2位 深田茉莉(日本)
3位 村瀬心椛(日本)
4位 鈴木萌々(日本)
10位 岩渕麗楽(日本)
27位 鬼塚 雅(日本)
全結果はこちら
 
男子結果
1位 ジェイク・キャンター(アメリカ)
2位 スー・イーミン(中国)
3位 ダン・メンジーズ(ニュージーランド)
5位 木村葵来(日本)
9位 木村悠斗(日本)
13位 荻原大翔(日本)
26位 宮村結斗(日本)
30位 木俣椋真(日本)
33位 長谷川帝勝(日本)
全結果はこちら

text: Daisuke Nogami(Chief Editor)
photo: FIS SNOWBOARDING

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