BACKSIDE (バックサイド)

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雪とともに生き、雪を見つめ続けてきた30年。写真家・遠藤励が提示する「雪が紡ぐもの」

2025.12.21

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写真家・遠藤励の写真展「雪が紡ぐもの」が、2026年1月5日(月)から東京・新宿のアイテムフォトギャラリー「シリウス」にて開催される。
本展は、新年の幕開けと厳冬期にふさわしく、「和」と「雪の宇宙」をテーマに空間全体を構成する試みだ。先月まで行われていた、90年代のフィルムを再構築した展示「SHAKE-UP THE OLD FUTURE」に続く位置づけでもあり、スノーボードカルチャーを起点に、雪、氷河、そして北極圏の民族文化へと拡張してきた遠藤の活動の軌跡が、ひとつの流れとして結ばれる。
北アルプスの麓に生まれ、スノーボードとともに雪国での生活を続けて30年。年間100日以上を雪上で過ごしてきた遠藤は、幼少期から見つめてきた「雪」が、地球環境そのものを映し出す存在であることに気づく。やがて視線はボードカルチャーの枠を超え、既存のアカデミズムとの対話へ、そして気候変動の影響がもっとも顕著に表れる北極圏へと向かっていった。
近年は極北の地に足を運び、雪と深く結びついて生きる北方民族と時間を共有してきた遠藤。本展では、雪の音、匂い、温かみといった感覚的な要素を手がかりに、時間や空間を越えた視点から「雪が紡ぐもの」を空間として立ち上げていく。青白く、詩的で、どこか禅的な世界に足を踏み入れると、鑑賞者自身の存在もまた、内面へと静かに沈んでいくはずだ。
スノーボード写真の枠を超え、自然と人間、文化と環境を結び直す試み。遠藤励が長年向き合ってきた「雪」との対話を、ぜひ会場で体感してほしい。
 
遠藤励 写真展「雪が紡ぐもの」概要

会期: 2026年1月5日(月)〜1月21日(水)

時間: 10:00–18:00(最終日は15:00まで)

休館日: 日曜

会場: アイテムフォトギャラリー「シリウス」

入場: 無料
※1月5日(月)は作家在廊。16:00よりギャラリートーク開催(予約不要)

text: Daisuke Nogami(Chief Editor)

 

 

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